コラム

 公開日: 2012-02-08  最終更新日: 2014-07-23

「国債暴落」「国債のデフォルト」と脅す記事を読む時の基礎知識

昨日書きましたコラムの中で、週刊誌等に出てくる「国債暴落」の内容について、御紹介します。本日、私と面談した方に「国債が暴落する」という言葉でどのようなイメージを抱くのかをお尋ねしました。その回答は「国債が紙くずに為ってしまう」というものでした。
多くの方も「国債の暴落」「国債のデフォルト」と聞くと、全くお金が戻ってこないと思われているようです。
実は、「国債が暴落する」という意味は、国債の価格がゼロ円に為るのではなく、価格が下落する程度が大きいというものです。では、どの程度価格が下がるのでしょうか。
一般的な利付国債は、市場で時々刻々売買されています。取引単位は1億円~100億円です。現在10年国債の利回りは1%前後のレベルですので、期日が10年後の額面1億円の利付国債を利率1%で購入した例で考えてみます。この場合、10年間の利息は毎年100万円入ります(税前)。購入後2年経った後に、突然国債の利子率が5%になったとします。この時にこの国債は価格が幾らなら売れるのか考えます。

当然1億円では売れません。市中金利が5%なのですから、これから8年間(残存期間です)
の利回りが5%以上に為らなければ売れません。では、5%の利回りを保証する価格はどうなるのでしょうか。その時の式は
5%≧{1+(1億円-購入価格)÷8年}÷購入価格×100でもとめます。
この時の価格は7,714万円以下となります。

この金額が暴落と言われる価格の低下です。1億円から2,314万円万引いた当該国債の時価評価の価格に為ります。この国債を売ろうとすれば、当初の価格に対して23.14%以上の値引き、2,314万円の価格下落に為ります。確かに大きな下落幅ですが、ゼロに為る訳ではありません。株式の価格下落を考えると認識的には、パニックには為らないと思います。
将来金利が上昇すると考える場合は価格が下がり、金利が下がるとお思えば買い付け価格が上がります。

それでも、長期の国債を保有していると価格の低下幅(時価評価額の損失)が大きく為るため、現在、大手都市銀行は国債の保有期間の短縮に動いています。先日の日経の記事によると、6.5年程度まで丹周できているようです。上記の例でいえば、約19%程度の下落で済みます。

一方デフォルトの意味も、「紙くず」に為る事とは異なります。
デフォルトには、利息の支払いを停止する(将来支払う可能性もあります)、償還日を延長する(10年後償還を20年後償還へ等)、償還率を変更する(30%のディスカウント)などが提示され、それを債券所有者とすり合わせ致します。現在ギリシャで行われているのは、このディスカウント率の折衝です。当初は30%でしたが、50%になり昨日の記事では70%です。

ところで、日本の個人向け国債は、1年保有後に解約すると前2回の利息分を引かれた元本が償還されます。従い、現在保有している方達の多くは元本保証の金融商品を補修していることに為ります。(今まで発行された個人向け国債の一部は2年保有後のものがあります

「暴落」「デフォルト」の意味はこのようなものですので、この知識を基ににして、週刊誌等の記事をお読みください。


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