コラム

 公開日: 2017-08-03 

マイナンバーの利用範囲が「戸籍」にも!?

【今日のポイント】

 結婚の届け出やパスポートの申請、年金の申請手続き等に不可欠な戸籍謄本や抄本の提出ですが、法務省はマイナンバー制度の利用によって手続きの簡素化を諮ると、新聞に掲載されていました。

 具体的にはどういう改正を目指すのか? 
何が簡素化され、残る課題は何か? これらについて紹介します。



【何が変わるの?】

 現在、上記に挙げたような手続きをする場合、戸籍証明書(謄本や抄本)を本籍地のある自治体から発行してもらう必要があります。

 発行された証明書を持って、居住する自治体の当該窓口に出向いて手続きを始めるのですが、戸籍証明書は本籍地のある自治体でしか交付されません。 本籍地が居住地と同一、または近隣であれば問題ではないのですが、仕事の関係や結婚等の理由で遠隔地に居住している場合は、時間を都合して出向くか、郵送による申請と交付手続きにする、また一部地域だけですが、自治体と提携しているコンビニに設置してある端末から入手することになります。

 直接出向く場合は、その手間と費用が発生しますし、郵送の場合は時間がかかることになります。 近くに提携コンビニがなければどうにもなりませんね。

 こいうった現状を鑑み、マイナンバー制度を利用することで、まず本籍地での戸籍証明書の入手を不要とします。居住する自治体への書類提出の必要を失くし、窓口でマイナンバーを提示することで手続きを可能にするとしたものです。

 現在戸籍管理は自治体がそれぞれ独立したシステムで管理しており、おまけに自治体間でのネットワーク化はほとんどされていません。 極端な話、隣町であっても管理システムが異なり、証明書の様式もバラバラということもあり得るのです。

 このため、マイナンバーとの紐付によって統一コードを設け、一元管理を目指すというものです。


【残る課題とは?】

 現時点ではあくまでも法務省の法制審議会で審議をした後に、再来年2019年の通常国会での戸籍法改正案としての提出を目指しているとありました。

 まだ1年半から2年前後の時間的猶予がある訳ですが、その間に解決すべき課題も残されています。

 戸籍証明書を入手した方はご存知でしょうが、最近は電子化が進み、従来のような謄本とは異なるフォーマットで発行されています。 ですが電子化以前の「除籍」などは紙媒体での保管や画像データで保存している場合が大半で、これをマイナンバーに紐付するとなると膨大な「手作業」となります。

 今回の案では「電子化以降の戸籍」のみマイナンバーと紐付をするに留めるとしており、除籍が必要になる手続きの場合(代表例では、相続)はマイナンバー連携の対象外としています。

 すべての手続きが「ペーパーレス」になる訳では、ないようです。

 また、マイナンバー導入時に真っ先に問題視された「個人情報の流出、不正使用」のリスクも依然として存在します。 特に戸籍の場合は親族関係や夫婦関係等、特に個人に関する情報が満載です。 どういうセキュリティを構築していくかも制度化までに解決しなくてはいけない重要課題です。


 最後に蛇足ですが、行政書士の立場からは、手続きの簡素化は業務範囲の減少に直結しますから、本音では困惑する同業者は少なくないのではと、余計なことを考えてしまいました。

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

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TEL:03-5157-5027

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