コラム

 公開日: 2016-09-19 

高齢の親と遺言書 ~書いても書かなくても問題発生!?

【今日のポイント】

 これまではなかなか遺言書を書かない高齢の親への対し方の悩みが多かったのですが、最近は書いてはくれたものの、その形式や内容に問題がある場合という新しい悩みを50代の子供世代から聞くようになりました。

 敬老の日に合わせたわけではありませんが、「高齢の親と遺言書」について簡単に紹介していきます。

 
 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 【遺言書は用意するも・・・】

 50代世代の親ですからほぼ80代が中心です。 我々の世代にも「遺言なんて縁起でもない」「さっさと死ねという事か?!」といったネガティブなイメージしか持たない方もいますが、80代ではほとんどの方はこの考えが主流でした。

 書いてくれるだけまだまし?と言えますが、問題はほとんどの方が「自筆証書遺言」を選んでいるのです。

 ご存知の方も多いでしょうが、遺言の主流は「自筆証書」と「公正証書」の2つです。 自筆の場合は本人の好きな時に、作成が可能ですし、何より誰にも内容を知られることなく自分の想いを書くことが出来ます。 ですが、自筆証書の場合はかなり厳しくその書式、様式が定められています。 この点については意外にも、いえそれまで遺言書について知識を得ようとしてこなかったから当然とも言えますか、「一人合点」「独りよがり」な書き方のままで保管するケースがあるのです。


【問題の事例】

1)全文自筆、でなかった
  ・書き写すのが面倒だったのでしょうか不動産登記簿のコピーを張り付けてあった事例。
  ・全文を「和文タイプ」で作成し署名捺印だけはきちんと済ませてあった事例。

2)記載内容に不備があった
  ・「財産目録は現物を参照のこと」で済ませてあった
   ~多岐にわたるので書くのが面倒だった=省力化のつもりで。
  ・「兄弟で仲良く分ける事」としか書かれてなかった。
   ~相続財産を勝手に決めると却って揉めると思って
  ・「日付未記入」
   ~まだ元気なので書き換えるかもしれない、最終の遺言に記入するつもりだった。
  ・「〇〇を誰に、××を誰に」
   ~誰にで以下省略、遺言だから当然「相続」しかないので略した。 
  ・「記憶違いのまま記載した」  
   ~不動産所在地、口座の有る銀行名、支店名を誤記した。解約した口座を書いた。

3)その他
  ・子供の人数分の遺言を用意した。
  ・密封せずに目につく場所に放置してあった。
  ・鉛筆で書いた下書きを保管していた。
  ・保管場所を忘れた。
  ・遺留分制度を知らずに偏愛する子供に手厚い内容を書いた。


【自筆証書遺言の問題点】

 このコラムの読者の方なら、何がどう問題なのかはお判りでしょうね。
 笑い話のような事例もありますが、全て実話です!

 自筆証書遺言は、その名のとおり、全てを「自筆」で書かないと無効になります。 財産目録も、付言事項も、日付も、書面に書くもの全てを自分の手で作成します。

 自筆の遺言を「コピー」したものでも無効です。

 当然ですが、修正可能な鉛筆等の筆記具では自筆であっても無効になります。

 何回も書くことには問題ありませんが、最新の日付のもの1通が有効とされます。

 誰に何を「相続させる」「贈与する」と、明確に記載します。
解釈の分かれるような表現は却って相続人間の争いを招くのです。

 自筆証書遺言は1通のみですから、紛失や破損の場合のリスクが発生します。

 
 残念ながらこういった決まりをよく知らないまま、子供の為と遺言を書いて一安心、という高齢の親世代は少なくないようです。 


【公正証書遺言のメリット・デメリット】

 遺言の完成度、正確性、法的効力の安全性から見れば、公正証書遺言は圧倒的に自筆証書遺言を上回ります。 公証役場で、公証人によって正式な文言で、正式な構成の遺言書が作成されます。 内容について疑義があればその都度確認を求められますし、事前の資料の用意を万全にすることからも勘違いや誤記も防ぐことになります。 また原本は役場で保管されますから手持ちの控えを紛失や盗難にあっても安全は保障されます。

 但し、当然ですが遺言内容を公証人とはいえ、第三者に話さなくてはならず、さらに作成時には第三者の立会人を公証人の他に用意することも「内容を聞かれた他人」が増えることになり、若干の抵抗を感じる方もいるようです。 

 また、作成においては「作成手数料」が発生します、詳細は省きますが遺言の枚数、財産額によっても変わりますし、自分の都合だけでは作成出来ない、わざわざ公証役場に出向く手間がかかる等々、自筆に比べて時間とおカネの面ではそれなりの負担になるのも確かです。



【選択は個々の事情によって】

 遺言による遺産相続以外にも、相続の方法はあります。

 遺言を遺さないまま相続開始となった場合や、自筆遺言の内容に不備があり、相続人のうち一人でも異議を唱えた場合には「遺産分割協議」によって相続の方法を相続人全員で話し合いその内容を決めていきます。

 例外的事例ですが、遺言内容にも記載方法にも不備がない場合でも、相続人全員が合意すれば遺言書の内容を無視して分割協議によって相続内容を改めて決めることも可能です。
 

 このように遺言に関しては、事前の十分な準備と、親子間での忌憚ない意見交換が出来るような関係を構築しておく事が、何よりの対応策です。 その中からどういう方式を選択するか? 50代世代もいずれは自分たちも直面する課題なのですから、親だけにせっつくのではなく、自分の場合の見本となるような想いで臨むことが不可欠でしょう。



  この件に関してのご相談やお問い合わせはこちらからどうぞ。
https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


  事務所の連絡先は 以下の通りです。

 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7階ハローオフィスC-3
  03-5157-5027(TEL) 平日は10:00~19:00
  03-5157-5012(FAX) 24時間対応


の問題と言いますと、もう80歳を越えて病気がちの老親なのに、まだまだそんな時ではないと子供たちをやきもきさせているケースが殆どでした。 「波風を立てないで遺言書を書くことを了解するような話しの進め方がわからない。」
「兄弟3人、誰も自分が猫の首に鈴をつけたがらない。」 

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7F ハローオフィスC-3 [地図]
TEL:03-5157-5027

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
よくある質問

 質問) そちらの業務の対象かどうかもよく分からないのですが    相談してもいいでしょうか?     その場合、直接の電話、お問い合わせからの連絡等ある...

これまでのメディア掲載
アントレ2016秋号にて

 今度はリクルート社が発行する情報誌「アントレ」2016秋号の特集記事、「今こそ開業!脱。先送り人生」で、私の起業に至るまでのインタビュー記事が採り上げられるこ...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
遺言書と任意後見で第二の人生をサポートする行政書士

50代から直面する親子間の問題と、満足できる「第二の人生」をサポートする(1/3)

 新橋駅前の行政書士・寺田淳さんは、自身と同じ50代の男性に向けた相続・遺言問題と、充実した第二の人生を迎えるための再就職・転職・独立に関してのサポート・サービス業務に取り組んでいます。 最近、相続に関する個人向けセミナーを開催する機会...

寺田淳プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

50代男性の悩み(親問題・自身の将来)に強い行政書士です。

事務所名 : 寺田淳行政書士事務所
住所 : 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7F ハローオフィスC-3 [地図]
TEL : 03-5157-5027

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5157-5027

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

親と話す相続

 90代の高齢の父親がなかなか相続について考えてくれません...

K・M
  • 60代以上/男性 
  • 参考になった数(0

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
特別縁故者に入所施設が認定されました。

 【今日のポイント】  新聞でも掲載されていた長年入所していた支援施設に身寄りのない入所者の遺産相続が認...

[ 最近の話題から ]

遺言では遅すぎること ~葬儀・墓・家

 【今日のポイント】  遺言に書かなくてはいけないことはいろいろありますが、遺言に遺しても意味がないも...

[ 終活~エンディングノート ]

マイナンバーで出来る事

 【今日のポイント】  2017年度の税制改正の内容が明らかになりました。その中で、確定申告の際の医療費控...

[ 最近の話題から ]

知っていますか? 固定資産税の仕組み

 【今日のポイント】  土地や建物を所有すればついて回るのが「固定資産税」です。今日は課税のポイント、...

[ 新橋事務所日記 ]

最近の相続トラブルについて

 【今日のポイント】 相続にまつわるトラブル、いろいろあります。法定相続分、遺留分、特別受益、寄与分な...

[ 終活~相続 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ