コラム

 公開日: 2016-09-01 

分骨 ~改葬とは異なるお墓の移設とは?

 新しい月の始まりは快晴の朝で始まりました。
とはいえ、爽やかだったのはほんの一時、既に「残暑」が窓から侵入開始です!


 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 前回まででお墓にまつわる話は全て書いたつもりでしたが、ひとつ抜けていたことに気づきました。

 皆さんは、「分骨」という言葉を聞いたことがありますか?


【分骨と改葬】

 改葬は今のお墓からすべての遺骨を新しいお墓に移すことですが、分骨は今あるお墓はそのまま残しつつ、そこに納めてある遺骨の一部(またはある人物だけ)を新しいお墓に移す場合を、分骨と言います。

 改葬の場合は、前述してきたように市区町村長の許可が必須ですが、分骨の場合には市区町村長の許可は不要で、必要になるのは今のお墓を管理する責任者(墓地の管理者=菩提寺の住職等)が発行する書類だけで済むのです。


【分骨の規定】

 墓地、埋葬などに関する法律、通称墓埋法施行規則の第5条に

「墓地などの管理者は、他の墓地等に焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者の請求があったときは、その焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類を、これに交付しなければいけない。」

「焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者は、墓地等の管理者に、前項に規定する書類を提出しなければならない。」

「前2項の規定は、火葬場の管理者について準用する。」

 と規定されています。

 今のお墓の管理者は、請求があれば書類を交付しなくてはいけない、 新しいお墓の管理者はその書類の提出を以て受け入れる。 この規定は火葬場での分骨の場合も同様である。 という意味になります。


【分骨をするケース】

 一例ですが、以下の様なケースがあります。

・自分たちのお墓に郷里のお墓に納めた親の遺骨(だけを)を分骨したい。
・この逆に、今の自分たちのお墓から実家のお墓に親の遺骨を分骨したい。
・故人が望んでいた散骨をしてあげたい。
・遺骨の一部を自宅に安置して手元供養したい。

 稀に本音は改葬したいものの、費用面や親族の同意が得られず、折衷案として「分骨」を選択するケースもあるようです。


【いつ分骨をするか?】

 分骨の規定の中で最後に「火葬場の管理者」について書きましたが、埋葬等された遺骨だけが分骨の対象ではないのです。 火葬場で焼骨した時点で、分骨を決めているケースもあります、先に書いた分骨するケースの中にある一部の遺骨を散骨する場合や、手元供養する場合などが該当します。 なかにはこの時点で実家のお墓と自分たちのお墓に分骨するケースもありました。 


【必要書類】

 先に、必要な書類を墓地の管理者から発行してもらうと書きましたが、上記のようにいつ分骨するかで必要な書類も変わります。

1)既に墓地にある遺骨を分骨する場合
  「分骨証明書」が必要になります。 
  法律上は「遺骨の埋蔵の事実を証する書類」と言います。
  今の墓地の管理責任者から発行してもらいます。 
  改葬時の「埋葬証明」と違い、「請求があれば交付しなくてはいけない。」
  と法で定められているので離檀料、お布施云々等金銭面で紛糾する事はありません。

  但し、遺骨を移す場合には「魂抜き」という儀式が必須となっていまして、分骨の場合でもこれだけは避けられません。
また実際にお墓から当該の遺骨(の入った骨壺など)を取り出す場合、一般的には素人が取り出せるような造りにはなっていないことが多く、結局石材店等専門業者の手を借りることになります。 

 分骨ならば一円もかからないで済むというわけにはいかないようです。

  分骨先のお墓の管理者にはこの書類と分骨した遺骨を提出し新しいお墓や納骨堂に納めます。

2)火葬場で焼骨を分骨する場合
  墓埋法施行規則第5条の規定から、「火葬場の管理者」も墓地等に「焼骨の分骨を」埋蔵、又は収蔵を委託しようとする者から請求があった場合はその焼骨の「火葬の事実を証する書類」を交付しなければいけないことになります。

 この場合は「火葬証明書」が必要になります。 詳しくは本骨には「火葬許可書」が発行され、分骨には「火葬証明書」がそれぞれ発行されます。 火葬証明書が、分骨証明書になる訳です。

 この場合は、火葬場に事前に複数の骨壺を用意し、その場で分骨を行わなくてはいけません。 


 

【分骨証明書の内容】

 各墓地の管理者が規定しているので、あくまでも一般事例としての紹介になりますが、概ね以下の項目が記載されています。 これをすべて書き込んだものを新しい墓地管理者に提出するのです。

 ・死亡者の「本籍・住所・氏名・性別・死亡年月日」
 ・埋蔵場所
 ・埋蔵年月日
 ・墓地使用者氏名
 ・分骨先の「墓地名称・墓地所在地」
 ・分骨の理由
 ・申請者の「住所・氏名」
 ・死亡者との続柄

 証明書の末尾には「墓地・埋蔵等に関する法律施行規則第5条第1項の規定に基づき。焼骨の埋蔵又は収蔵の事実について、上記の通り相違ないことを証明する。」 と記載され、年月日と責任者氏名欄で締めくくられています。

 実際の様式については、各お寺などに直接問い合わせて確認することをお勧めします。
 また、一部自治体が管理する公営墓地等の場合の証明書のひな型がHPに掲載されている場合もあります。(栃木県真岡市等)

 
 いかがでしたか? 既に自分たちのお墓を持ち、実家のお墓も健在な場合、親の遺骨をどう扱うか? こんな話を事前に親に確認することはまずないでしょうから、いざその時になると判断に迷うことになります。

 分骨を選択する場合でも、火葬場からの分骨といったん埋蔵等の後の分骨で手間と費用が大きく変わってきます。
 まだ早い、縁起でもないと問題を先送りしていますと、最期にはそのツケが必ず回ってきますので、まずは問題を認識しておくことから始めてみてはいかがでしょうか?



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