コラム

 公開日: 2016-08-22 

改葬手続き最大の難問 埋葬証明とは?

 先週の休み惚けが未だに残る中、いきなりの台風の接近!
公共交通の乱れを考えて久々にクルマで各所に出向きましたが、えらい天気です!!
いったん自宅に戻った時にこのコラムを投稿しました。 今日は事務所には行けそうもありません・・・


 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 さて、今日の話題は、改葬の最大の関門である「埋葬証明」についてです。
ここで、実際の改葬許可申請書に記載されている埋葬証明の箇所を見てみましょう。


【事例1】
 上記の通り埋葬・収蔵されていることを証明する。
   平成  年   月  日
                 管理者氏名             ㊞     Tel
                 住所

【事例2】
 上記埋葬(又は納骨)の事実を証明します。
   平成  年   月  日
                 墓地所在地
                 管理者住所
                 寺院名
                 氏名                  ㊞


 概ね上記の2パターンに集約はされますが、他にも自治体ごとに多くの様式があります。 詳しくは各自治体のHPから該当項目を選び、参照して下さい。  ~上記事例は品川区と長岡市の様式です。 長岡市はHPからのダウンロードが出来ない様式(複写式申請書)になっています。 (平成27年時点)

ではなぜ埋葬の証明が必要なのでしょうか? 

 現在の遺骨を管理している責任者の証明がなければ、場合によっては「盗掘=墓荒らし」で入手した遺骨かもしれないのです! あくまでも公明正大に遺骨を受け取ったことの最大の証明が、この埋葬証明になるのです。 新たなお墓の管理者も「出所の怪しい」遺骨を安易に受け入れたりすれば後になってあらぬ疑いや後難に巻き込まれるのです。 埋葬証明は双方にとって不可欠な証明なのです。


 さて、問題の箇所は「氏名と 押印欄」です。

 氏名は「署名」とされていますから、住職等墓地管理責任者の「自筆」で氏名を書いてもらうことになりますし、その方の承諾の証として押印も求められます。

 前にも書いたように、改葬する遺骨一体につき1枚の証明書が必要になりますから、例えば、父母、祖父母、先祖代々で改葬するとなると、計5枚の証明書をお願いすることになります。 事例の2のように記載項目が多い場合、かなりの手間を強いる事にもなります。 

 そして最大の課題が、署名・押印を頂くための「これまでお世話になってきたことへの具体的な御礼」です。


多くの場合改葬を切り出すと。今の墓所を有する寺院はまずは「先祖代々の土地を離れる事」について、遠回しに思いとどまるよう話をします(なかにはアクティブに改葬否定を口にする例もありましたが)

 仮に親戚筋の家庭が墓地に近在する場合など、親族を巻き込んで「先祖不孝・一族不孝」をたしなめることも。  
~あなたの家は本家筋なのだから、東京に改葬されたら分家の我々の負担がどれだけ大きくなるか、判っているか?など等・・・  私などは今どき本家も分家も無いものだと思いますが、そこは歴史のある旧家になればなるほど、割り切りは難しいようです。

 また、自分自身の心の葛藤も出てきます。 改装の相談の帰りに転倒して骨折した・・・ 息子が受験に失敗した・・・ 妻が病に倒れた・・・ どう考えても無関係なはずの不幸な出来事を、自分の「愚かな考え」によって引き起こされたのではと、自責の念に束縛されるケースも決して珍しくはありません。

 精神的な関門を、なんとか抑え込んだら いよいよ「現世の問題」が立ちはだかります。
「いくら、今までの供養に対する御礼を用意すれば?」
「お布施として渡すべきなのか、お布施とは別物として用意すべきなのか?」
「永代供養をやっていないという噂を聞いた、そんな扱いをされているのに(御礼を)用意しなくていけないのか?」
「先代にはお世話になったが、今の住職は全く面識がない、お世話になった覚えはない。」 など等・・・

 尤も、寺院の側にも言い分はありまして、「これまで檀家の務めを全く果たしてないまま、ハイサヨナラで済むとでも!」 「祥月命日には善意で?読経し、墓前に花を手向けてきたことをどう考えるのか!」 といった第三者から見ても肯定できる理由もあります。 但し、本当に読経や供花の話が事実ならばですが・・・

 檀家の側にも現住職とは父親の代から全く音信不通で、初対面の息子が何十年ぶりに墓参に来たと思ったら、いきなり書類に署名と押印を求めるといった「心配り皆無・手順無視の交渉開始」で却って話をややこしくするケースもよく耳にします。

 そこで最近出てきたのが「離檀料」という名目の「手切れ金」の問題です。

文字通り「檀家を離脱」する際に、これまでお世話になってきたことへの御礼と言う名目だそうです。 ある雑誌には1,000万円の提示をされたという話が掲載されていましたが、どういうこじれ方をすればここまでの金額になるのか、非常に気になった次第です。

 無論、離檀料など法的には何の根拠もありません。 払う義務はもともとないのです。

 義務でなければ1円も払う気はない、でも法的には構わないのですが、心情的な面はどうでしょうか? 当事者である貴方が割り切ったとしても、家族や親族、周囲の知人から見ればどう映るか? その結果がその後の人間関係にまで及ばないとは言えません。

 下世話な話、おカネで済む問題であれば、それで双方が一定の満足を得られるのであれば、それに越したことはないことは言うまでもありませんね。 ではその為にはどういった下準備が必要なのでしょうか?


 所詮住職と言えども同じ人間ですから、腹を割って話し合いを重ねれば、妥協点は出てくるものです。 改葬を真剣に考え始めたならば、前回指摘したような事前に必要な情報(所在地や墓石の形状等)収集の際に、寺院を訪問し時候の挨拶を交わすことから始めることです。 現住職になって初めての訪問であれば事前の連絡は欠かせません。 私見ですが最低1回は当事者同士での会話の場は設けるべきです。

 中には、全く直接交渉をする意思がなく、全てを委任するので諸事一切をこちらにお願いするという方もいますが、私は必ず1回は手紙でも電話でもいいのでお寺側に挨拶の連絡を取ることを条件としてお話しさせて頂いています。 多くの場合、私という委任を受けた人物の来訪と用件を最初に伝えてもらうか、諸事完了後にこれまでの御礼を伝えるというパターンに二分されています。

 実際のところ、しがらみの有る者同士の話よりも我々の様な委任を受けた第三者が出向いたほうが話は円滑に進むことが多いのも事実です。 第三者には先祖の話も世間体の話も通じませんから・・・

 とはいえ、寺院には禍根を残し、当事者には一種の後ろめたさを残したままの証明書の入手はどうにも後味の悪いものです。 それこそ、その後何か災厄が降りかかれば余計に気にすることになります。

 
 真意はともかく、これまでお墓の面倒を見てもらった事実に謝意を示し、自身の高齢化や子供の遠隔地での永住など、不本意ながらの改葬のやむなきに至ったといった事情説明を重ねることで、住職の理解を得ることです。 お布施や供養料で乖離があるならば、改葬後も供養料の名目で一定期間「分割」で差額分を納めるなどの妥協案を提示するのもいいかもしれません。


 自分の立場ばかりを正当化すれば、相手側も自分を正当化します。 あれこれ一人で悩んだり勝手な判断を下す前に、まずは相手と話すことです。  これは改葬の交渉に限らず、全ての利害の相反する相手に対する場合に忘れてはいけない「決まり事」でもあるのです。



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https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


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