コラム

 公開日: 2016-08-04 

今だから知っておきましょう! お墓と改葬

  いよいよオリンピックも明日から始まり、明後日からは甲子園で高校野球も開催です。 TV桟敷から応援する時間が増えそうです。 業務に支障をきたさない範囲で、自戒しないと・・・



 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 8月、お盆の季節となると、一度はお墓のことを口にするのではないでしょうか? このタイミングに乗じて今回から「お墓と改葬」について、紹介していきたいと思います。

 改葬、読んで字の如く、「改めて」「葬る」という意味ですね。 葬るとは、一般的に「埋葬」といい、「埋めて」「葬る」訳です。 ですから「土中に埋める、葬り方」という解釈になりますね。 これをまとめますと、現在土中に葬られている遺骨等を改めて葬り直す、ことを改葬するという意味になるのです。

 

【法律上の改葬】

 改葬の定義は、法律で定められています。
墓地、埋葬等に関する法律の第二条の3~以下墓埋法~に「埋葬した死体を他の墳墓に移し又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を他の墳墓又は納骨堂に移すこと」と明記されています。
 
 死体とありますが、これは土葬の風習の残る地域を考慮している為です。 殆どの場合は「収蔵した焼骨」即ち火葬した「遺骨」を他の墳墓=墓地や、納骨堂に移すケースになります。

 墳墓とは、墓地に墓石を設置しての従来からの「お墓」ですね、これに対し最近伸長著しいのが納骨堂です。 私の菩提寺も麻布十番の都市型霊園、イコール納骨堂です。

 一般的に地方の寺は寺領内に墓地を擁しており、比較的余裕のあるスペースに「墓」を設置し、都市型霊園は許されたスペースの関係上「コインロッカー」形式の納骨堂を設置して遺骨を納める形となっています。


 【墳墓と納骨堂】

 さて、先の法律(墓埋法)には続きがありまして、「埋葬、又は焼骨の埋蔵は墓地以外の区域にこれを行ってはならない。」とあります。 墓地には、墳墓、納骨堂が含まれますが、あくまでも公的に認められた墓地であることが前提です。

 例えば、広大な自宅の敷地内に勝手に「墓地を設置」することは認められていません。 同様に「私設の納骨堂を建設」してそこに遺骨を納めることも違法なのです。 いくら他人に迷惑をかけない、自分の土地をどう使おうと問題ないのではと言い張っても、強行すれば刑法によって罰せられることになります。

 唯一例外としては、江戸時代からの旧家などで、敷地内に先祖代々の墓を持つ、所謂「屋敷墓」というものがありますが、これだけは対象外になります。 とはいえ、あくまでも「従来から続いている」場合に限られ、新たに屋敷墓を設置することは事実上不可能です。

 

【埋葬と納骨以外の葬り方】

 墓地内に設置された墓石の下に遺骨を納める埋葬と、納骨堂に遺骨(を納めた骨箱等)を納める納骨の他にも、葬り方があります。

自然葬
 =樹木葬は「指定された場所の樹木の周辺に遺骨等を埋め、個々の墓標ではなく目印となる石碑や木製の墓碑を置くだけのものが一般的です。

散骨
 =よく耳にするのは「海洋散骨」で、指定された海域に遺灰を撒くことで概ね上記の樹木葬と併せて、故人の遺志で行われることが多いものです。 

 ただ、注意する点があり、厳密には「遺骨を撒く」ことは違法です。 刑法でいうところの「遺骨遺棄罪~刑法第190条」で罰せられます。 あくまでも「遺灰」の状態で行われるべきものですので、「散灰」という認識を持ってください。

安置
 =意外に思われる方も多いのですが、焼骨=火葬した遺骨は何時までに墓に納める、納骨する、といった時間制限はないのです。極端に言えば終生自宅の仏間に骨箱に納めた遺骨を安置しても全く問題にはなりません。 最近では「手元供養」という言い方が一般的になっていますが、中には遺骨(遺灰)の一部をペンダント等に納め、文字通り肌身離さず故人と一緒に過ごすという方も少なくありません。 
~厳密には安置とは未だ葬ってはいない状態のことですが、あえてここで紹介しました。

※参考
 あまり関東では聞きませんが、「0葬」というものもあります。 文字通り「0」で結構という考えで行われるもので、火葬後、遺骨や遺灰の一切を持ち帰らず! というやり方です。 遺骨を持ち帰らなくてはいけないという決まりはありませんので、これも違法でもありません。 何ら故人の痕跡を身近に残さなくて構いません、といった葬式と考えればいいでしょう。


【安置⇒埋葬と 埋葬⇒安置】

 火葬後に手元供養を選択し、自宅に安置していた遺骨を、仮に10年後、20年後に代が変わったときに考えを改めて、お墓に入れることにした・・・ これは先にも書きましたが何の問題もありません。 希望や要望に沿う寺や納骨堂をじっくり吟味して、手続きを進めればいいだけのことです。

 では、一度埋葬、納骨した遺骨を手元供養したいという場合はどうでしょうか? 

 ~仕事の関係で、海外に永住することになったので、もう墓参に来ることはない、出来ない、なので遺骨を自宅で安置したい。
 
 ~海外でなくとも、墓は九州にあり、住まいは北海道と言った場合も「わざわざ数時間の墓参の為に」莫大な費用と時間を費やすのは、家計破たんになる! 

 ~異動した先はお墓のある地域から超遠距離であり、かつ同じ宗派の寺が地域に皆無!

 事情は理解出来ますが、「一度埋葬、納骨した場合、移せる先は墳墓か納骨堂だけ」なのです!

 安置からの埋葬は、OK  でも埋葬からの安置(手元供養)は、絶対的にNGという事はよく覚えておいてください。

 
 いよいよ「改葬」の本題である必要な手続きと注意点に移りたいと思いますが、紙面が尽きたので、次回のコラムから紹介していきたいと思います。



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