コラム

 公開日: 2016-05-30 

 意外に知らない?葬儀とお墓のリアル

 5月最後のコラム更新です。  なのに外は本降りの雨です・・・


 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 比較的多くの相談や代行業務依頼があるものにひとつに、葬儀とお墓の相談があります。 
今日は、この葬儀とお墓に関する事で意外に知られていない「一般常識」や「独自のルール」等について、紹介したいと思います。


【死亡から火葬まで】


 経験者はご存知の事ですが、病院で亡くなった場合でも概ねその日のうちに遺体は搬送することになっています。 多くの場合は病院に出入りしている葬儀社が搬送を担い、自宅又は自社の所有する安置所、公共の安置所等へ移す事になります。

 当然搬送には費用が発生しますし、安置もタダではありません。自宅で安置する場合でも必ず冷却材(ドライアイス)は用意されますから費用は発生します。 出来れば、安く済めばありがたいものではありますね・・・

 では、タイミングよく火葬場が当日は予定が入っておらず、病院から直接搬送し、即火葬が可能だとなれば、「余計な費用」は発生しないのではないか? あくまでもタイミングの問題ですが・・・

 結論は、これは出来ない相談です。 法律によって「火葬は、死亡後24時間以内は行ってはいけない。」とされているのです。  ~墓地、埋葬等に関する法律 第3条より

 仮に夕方に亡くなった場合、その時点から24時間は火葬許可が下りませんから、翌日の死亡時間までは安置する事になります、そして火葬場は通常夕方には営業を終了していますから、結果的には 丸々1日は最低でも時間がかかるのです。 その間の安置場所と保冷に要する諸費用は必ず発生するのです。


 【納骨、埋葬について】


 葬儀が済めば、一般的にはお墓や都市型霊園ならば納骨堂へ遺骨を安置します。 あまり知られていませんが、何時までに埋葬、納骨しなくてはいけないという決まりはありません。 骨壺に保管した状態で自宅の仏壇に安置していても問題はありません。 ですが、自宅の敷地内でも「埋葬」は法律違反ですし、同様に私設の「納骨堂」に納めても法律違反に問われます。

 やや極端な解釈ですが、上記のように敷地内で勝手な処置をした場合、「遺骨の廃棄」と見做される恐れがあります。その場合、刑法第190条の「遺骨遺棄罪」に、墓地埋葬法第4条の「(抜粋)埋葬、埋蔵は墓地以外の区域にこれを行ってはならない。」に抵触しますので十分ご注意を!

 その代り自宅内に骨壺に納めた形で仏間などで安置するのであれば、何年もそのままにしていても問題にはなりません。

 さらに付け加えますと、一度でも「埋葬・納骨」された場合は、自宅での安置は出来ません、お墓から出す場合は、新たなお墓に「埋葬」するしか認められないのです! ~改葬の手続きについては別コラムを参照して下さい。


 【遺骨と遺灰】

 
最近はお墓を持たない葬儀として「散骨」が話題になっています。 山や海に故人の遺骨を撒いて自然に帰す、一体化させるというものですが、個人的にはこの表現に疑問を持っています。

 散「骨」と言う意味は、遺骨を撒くと捉えてもおかしくないと思われるかもしれませんが、もし「骨」を撒いたら、それは「遺骨の廃棄または遺棄」と見做されます。前述した 刑法第190条「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。」と墓地埋葬法第4条「埋葬、埋蔵は墓地以外の区域にこれを行ってはならない。」に、これまた抵触するのです!

 散骨とは、遺骨の一部を(又は全て)粉状に粉砕し、「遺灰」の状態にしたものを撒く事なのです。 厳密に言えば「散灰」と言う表現が正しいと思います。

 遺灰の場合は、先の2つの罰則にも該当しませんから、条件さえ満たした土地であれば「遺灰を撒く事」に問題は生じません。

ではその条件とは何か? 原則は以下のケースとされています。
①自分の私有地
②業者の管理する墓所
③公海上

また、禁止されている場所もあります。
①他人の私有地
②条例で禁止されている自治体
③漁業権が付与された海や川

 ですから①の自分名義の山林であっても自治体が散骨を禁止していれば、実行は無理ですし、③のように大抵の場合沿岸や川岸近くは何らかの漁業権が付与されていますから、実際はかなり沖合の海上まで船を進めての散骨とならざるを得ないのが実状です。

 さらには、自治体に禁止条例が無く、自分の所有地と言えど、住宅地に隣接、あるいは現在居住している自宅の敷地内での散骨も事実上不可能です。 近隣住民の間に深刻なトラブルを生じる事は明らかで、この場合は民法上の問題になる事必至です
 
 

 【お墓は永遠に借り物?】


 墓石は間違いなく購入するものですから、問題ありませんが、墓地については「永代使用権」であり、土地は借り物なのです。 あくまでも使用できる権利を買っている訳です。 では「永代」の意味するものはと言いますと、権利を購入した家系なら代々使用権は継承されるという意味です。 家計が途絶えた時には「代が終了」するので、使用権も消滅する事になります。 


 【お墓は相続財産?】


 お墓は「承継」するもので、相続とは異なります。 土地や家屋の相続の場合は「共有」という相続の方法がありますが、お墓の共有は認められません、あくまでも「特定の一人」が承継する事になります。 祭祀承継者という立場になります。

 では承継者になれるのは、誰なのか?

①故人が指定した人、この場合指定された人は拒否は出来ません。 
 ~相続であれば「相続放棄」が認められますが、「承継」にはその規定が無いのです。

②指定が無かった場合は、地域の慣習。
 ~長子承継がその地域の昔からの慣習であれば、それに従います。

③家裁の調停、審判。
 ~最終的な判断を委ねる場合です。

 さて①の場合の補足ですが、故人が指定ということは、別に相続人や親族に限られていないという意味ですから、相続権の無い内縁関係の配偶者や、信頼に足る友人知人などでも構いません。

 また、承継の拒否は出来ないと書きましたが、承継後に墓地を更地化にしたり、位牌を処分する等は承継者の判断に委ねられる事なので、問題ありません。 ただ、墓地や霊園によっては(地域の慣習も含めて)血族、配偶者、姻族に承継者を限定しているケースがありますから、事前に墓地管理者等に確認しておく必要があります。



  この件に関してのご相談やお問い合わせはこちらからどうぞ。
https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


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 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7階ハローオフィスC-3
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