コラム

 公開日: 2016-03-29 

最近の葬儀事情

  お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今回は後見制度に関するコラムを一回お休みして、なかなか他人に聞けない葬儀にかかる費用あれこれについて紹介したいと思います。

  
  多くの場合、葬儀を執り行う場面に遭遇するのは、両親の場合が初めてではないでしょうか? 仮に長期入院の末ですとか、完治が難しい病の場合ならば、ある程度家族にも「その時に」備える時間的猶予がありますが、急病や事故等、突然の場合には全くその様な備えをしておらず、まさに周章狼狽、葬儀準備等は病院紹介の葬儀社や、菩提寺とのやりとりに従って、進める事が殆どではないでしょうか?

 私も数年前に母の葬儀を経験していますが、正直な話、ほとんど質問も差し挟まずに言われるままの見積もりを受け入れていました(当時はサラリーマンで、今の様にそれなりの知識を取得していませんでした・・・ 負け惜しみですが)


 葬儀にかかる費用の中でも、所謂「葬儀費用」については、相手が葬儀社と言う事もありますが、最近はしっかり質問や確認をする事はかなり一般的になって来ました。


 例えば、以下の様な費用見積もりに対してです。

1:祭壇費用    
  見積もりの中に、花や供物などの必須の品々は含まれているのか?

2:ドライアイス費用 
  多くは 一日分の見積もりだけ、通常通夜から告別式まで最低2日かかるのでこれでは収まらない?

3:車両費用
  霊柩車は葬儀場、火葬場までの移動距離によって料金が変わります。 
複数の遺族や関係者が火葬場までお見送りにとなれば移動用の車両手配も考慮する必要があります。

4:火葬関連
 多くの場合、火葬場の施設利用料だけが計上されており、控室の使用料や控室での飲食費は別途になります。

 
 この他にも時間帯によっては会場で精進落としを用意する事もありますが、この場合も料理代と飲み物代は別扱いのケースが多いので、ドリンク代だけは別計上する必要があります。 

 改葬返礼品と香典返しも全くの別物です。 前者は弔問客全員に用意しますが、香典返しは香典への返礼です。


 さて、こうした葬儀費用の中で、最も「適正価格」を聴きにくいものと言えば、「お布施」ではないでしょうか?

【お布施の中身】
 お布施は「読経料」と「戒名料」から成っています。 ですが、この点も事前に確認を取っておきませんと、後になって戒名は別、と言われ兼ねません。 お布施として、いくらを僧侶に渡せばいいのか?  どちらにも「定価表」はなく、お布施に占める構成比などもありません。 あくまでも「感謝の気持ちをおカネに変える」という大前提の下、判断は貴方側に委ねられます。 とはいえ、その判断を是とするか非とするかは、僧侶の胸先三寸です!

 私の知人の体験談ですが、母親の葬儀の際に、菩提寺の住職に読経を依頼した際に、まったく初めての経験なので正直なお布施金額の目安を教えて欲しいと話したところ、「お気持ちだけで結構」と明確に言われたので、10万円を包みました。  ですが、なんと眼前で開封し、中身を確認して一言「ご冗談でしょう」と、言い放ったそうです。

 ここがある意味狡猾な言い回しです。 安いとは言っていません。 解釈によっては「こんな多額でなくとも」とも取れるのです。 ですが知人でなくとも、ほぼ全員「少なかった」と言う判断しかしないでしょうね。

 結局、彼は30万円を包み直したところ、黙って懐に納めたそうです・・・


【宗派別のお布施の目安】
 戒名込みでの価格ですが、戒名はご存じの通り、「信士・信女」から「居士・大姉」、果ては「院居士・院大姉」まで、ランク分けがされています。

一般的な信士・信女では30万円以上、(これだけでも相当な金額ですが) 
会社の役員や創業者などの場合多く使われる居士・大姉で70~80万円が相場と言われています。 

 蛇足になりますが、「戒名」と呼称するのは天台宗、真言宗、浄土宗、臨済宗、曹洞宗で、日蓮宗では「法号」、浄土真宗では「法名」だそうです。


【お布施は相続控除出来る出来ない?】
 下世話な話ついでに、相続税と葬儀費用の関係にも触れておきます。 相続税の計算では故人が保有していた預貯金や不動産等のプラス財産から借金等のマイナス財産を差し引き、相続財産額を確定しますが、葬儀費用はこの場合、控除対象となる費用とされています。

 国税庁の規定では、
1)遺体運搬にかかった費用
2)葬儀費用、火葬、埋葬、納骨にかかった費用
3)お通夜など慣習上葬儀に欠かせない行事等で発生した費用
4)葬儀で寺院などに対して読経料などのお礼をした費用
とされています。
 ※香典返しの費用や初七日、法事費用は対象外。

4)にあるように、お布施は読経料を含んでいますから、堂々と控除出来ます。 ですが、控除費用の場合、「領収証」は必須です。 

 私の聞いた範囲ではお布施の領収証を発行する寺社はありませんでした・・・
 この点は国税庁も納得の上で、「お布施金額と寺院などの名称」さえ申告書に記載しておけば、それでOKだそうです。 
 さしもの国も宗教界には弱腰? なのでしょうか・・・


【因果応報?】
 さて、これまで「不可侵領域」とされてきた葬儀関連の行事ですが、ここに来て新規参入企業各社による葬儀費用の明確化、価格破壊等による市場再編の動きが続いています。

 最近では宗教界がネット通販の雄、アマゾンに対して「強い要請」をしたことが新聞やネット上で採り上げられていました。 ですが、これ以前から葬儀費用に風穴を開けるような新規参入企業の活動があったのです。

① イオンのお葬式
  お葬式サービスの中で、読経料や戒名料の目安を一覧にして価格を明確。

② 葬儀本ドットコム
  寺院手配サービスの中で、葬儀から戒名料までを定額料金として明示。

③ お坊さんどっとこむ
  葬儀運営から僧侶の紹介迄、要望に応じた料金システムを明示したサイトを運営。

④ アマゾンのお坊さん便
  実際の運営は「みんれび」という会社は運営する法事の際の宗派別の僧侶の派遣からお車代からお布施までを全て含めた定額を表示、その価格自体が従来価格を大幅に下回る「価格破壊」的な料金システム。

 詳細についてはそれぞれのサイトを参照して下さい。 

 これらの動機に対して、宗教界はどう反応したでしょう。 基本的に上記全てに対して、一部表現、価格一覧等の表示の削除や販売中止を要請しています。 ですが、イオン以外は表記の変更もサービスの中止も行っていません。

 当然ながら、一般ユーザーは新たな動きを支持しています。 今までの不透明、不明確な慣習に相当な疑念や不信感が蓄積されていた事の証でしょう。 お葬式だから、故人の供養だからと言った既得権に固執してきた宗教界にもようやく市場原理が働き始めたと言ってもいいのではないでしょうか?

 葬儀を含め、古来から続いている伝統的儀式の持つ意味や意義を世間に向けて分かり易く、持続して発信している業界は今現在、どれだけあるのでしょう?  市場がわかりやすさと価格訴求に流れるまで、何の手を打ってこなかったツケが回ってきたと言われても仕方ないのではないでしょうか?

 私と同じ50代の世代にとっては葬儀はいつどこで発生してもおかしくない「日常の一コマ」です。 最終的には個人の価値観に委ねる事ですが、既成概念だけでなく、新たな流れを積極的に把握していく事も、50代に求められる責務となってきたと、言えるのではないでしょうか?



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https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


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