コラム

 公開日: 2016-01-12 

「富動産」~「腐動産」~「負動産」 空き家問題は時間が勝負!?

 東京は明け方に初雪が舞ったそうです! ようやくいつもの季節になったのでしょう。

 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今回のテーマは、「空き家問題」についてです。


【私見:不動産の経年変化】

 私は、不動産=家というものは歳月の経過と共に、呼称も変化すると考えます。

1)富動産 = まさに男の甲斐性であり、自他ともに認める成功の証でしょう。

2)普動産 = 一定の期間が過ぎればあって当たり前の空気感漂う存在に変化?

3)付動産 = 時間と共に「家屋」は次第に無価値に。 土地に付属するだけの存在に?

4)腐動産 = 深刻な状況に突入! そろそろ始末に困り始めた存在と化しています。

5)負動産 = 財産どころか、負担、負債に!!

 今、問題となっているのが 4)から5)の段階の 「不動産=家」なのです。



【全国の空き家実態】

 やや古いですが、総務省統計局の「住宅・土地統計調査」によりますと、2013年の全国の空き家数は約820万戸、住宅総数に占める空き家の割合である空き家率は、なんと13,5%に達しています!

 さらに2008年の調査時に比べ2013年では約63万戸の増加となっており、そのうちの約50万戸は「一戸建」が占めていたのです。

 一戸建ての家を持つ事は「男子の本懐」「オトコの甲斐性」「一国一城の主」と、もてはやされたのは今は昔の話となったようです。


【空き家が引き起こす問題とは】

 では、空き家によって生じる不都合にはどういうものがあるでしょうか?
まず、家と言うものは人が暮らす事で寿命が延びるものです。 夏季休暇や年末年始の休暇などで一週間程度家を締め切って不在にしただけでも、空気がよどんでいたり、湿気が充満しています。 経験があるのでは?

 近隣にある空き家ならばなんとか週末に空気の入れ替えや庭木の剪定、雑草処理も可能でしょうが、遠隔地の親の実家等の場合は月に一度も至難の業でしょう。

 さらに、自然災害の影響で構造に損傷が生じた場合や、経年劣化で瓦が落下したり、最終的に倒壊に至るケースもあります。 近隣の住宅に被害を及ぼすだけでなく、人的な被害を与えてしまうケースもありますから、当然ながら損害賠償が発生しますし、場合によっては「加害者」として訴追されるケースにまで拡大するかもしれません!

 空き家のまま放置し続けると、「どうせ空き家なんだから」と、粗大ごみ、産業廃棄物の格好の「捨て場」になりますし、最悪なケースでは面白半分な放火の対象にもなるのです!

 こうなると、物的損害に加えて近隣の人間関係にも修復困難な亀裂を生じかねませんね・・・


【空き家でも不動産は不動産!?】

 見かけ上は「廃屋」であっても、家は家です。 税務署は「公平に・平等に」課税します。 即ち固定資産税や都市計画税は毎年発生するのです。

 マンションの場合にはさらに管理費や修復用の積立金等も課せられるケースが大半です。 

 住んでもいないし、住む気もない、 たまたま相続で受け継いだだけと言う言い訳は誰も耳を貸しません。


【前門の虎、後門の?】

 家があるから税金がかかる、迷惑をかける、ならばきれいさっぱり「解体」してしまえば問題解消。 ではありますが、解体するにも「費用発生」する事を忘れてはいけませんね。 木造の家ならば概ね一坪当たり4万円前後、鉄筋ならば5,6万円前後が目安とされています。 なんだかんだで200万円台の費用は一般的に発生するとみていいのではないでしょうか?

さらに問題なのは、先に挙げた固定資産税です。 これはその年の1月1日時点の所有者に課税されるもので住宅用の敷地として用いられている場合には原則1/6に軽減されています (200㎡を超える部分については1/3に軽減)

 ということは、廃屋と言えど家があるうちは土地の固定資産税は1/6で換算されますが、きれいさっぱり更地にした途端に税額は「6倍!!」となるのです。 

 保守・メンテの煩わしさからの開放、リスクの回避と、6倍に跳ね上がる固定資産税の納付(更地である限り永遠にです)どちらを選ぶかは、貴方次第です!?

 この「最悪の二者択一」を躊躇することで、空き家のままの放置が増え続けているともいえるのではないでしょうか?


【空き家対策特別措置法】

 こういった事態は当然国も認識しており、2014年11月に「空き家対策特別措置法」が成立しました。

これは倒壊の危険がある空き家を「特定空き家」に認定し、市町村が所有者に対し取り壊しの指導・命令を行えるようにしたのです。 さらに、固定資産税の軽減措置も対象外とされるので、結果的に固定資産税は6倍になるのです。 放置し続けるメリットを消去させ、決断を促すというものです。


【空き家の名義でさらに深刻な問題発生】

 さて、相続の発生により空き家が自分名義になっていれば、上記の始末の決断も自己責任で行えます。

ですが、未だ親が健在で名義は親のままの場合、場合によってはより深刻な事態が懸念されます。

 親が事故や急病で意識不明のままになった、 高齢から来る認知症の発症。 このような事態になれば子供の意向で勝手に家を処分することが出来なくなるのです。 

 仮に好条件で売却の話が来たとしても、名義人である親が判断能力を失っていればどうにもなりません。 この場合は成年後見制度で後見人を定めてから話を進めることになるのですが、法定後見の場合、後見人は被後見人の財産保全を第一に考えるように行動します。 「売却したいのは子どもの都合では?」 と言われれば打つ手がありません。 家裁の判断も「空き家の面倒が看きれないから」「いい条件で売れそうだから」と言う理由だけでは、ほぼ却下確実です。

 残酷な話ですが、「相続発生」まで、空き家は空き家のままで存在し続ける事になります。


【家の始末は自己責任】

 いかがですか、 所有する不動産が手間ばかりかかる「腐動産」と化したら?
 そのうちに周囲や自分の家庭に損害すら与える「負動産」になるまで手を拱いていたら? 

 私の同世代で30代後半でローンで一戸建てを購入した場合、ローンは30年ローンが大半でした。 当然ながら定年後にもローンは残っていますし、30年後には家はほぼ無価値でリフォームは必至の状態です。 さらに子供が独立し、夫婦2人で一戸建てに暮らすとなると、保守だけでも年々過重な負担になっていきます。

 その段階まで来てから家をどうするか?考えるのはいかにも遅いです。 夫婦2人になる前提で、ある時期になったら家を売却しマンションに住み替える。 子供と実家の扱いについての話し合いを早い時期から始めておく。

 せめて「富動産」としての相続は叶わなくても、「普動産」のレベルで相続なり贈与が出来るように今からでもマイホームの行く末について真剣に考えてみてはいかがでしょうか?




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