コラム

 公開日: 2015-12-07 

マイナンバーと相続税 

 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 さて、今回からしばらくの間は皆様からのお問い合わせに関連する項目の中で、一つのテーマを定めて紹介していくスタイルを始めようと思います。

 最初に採り上げるテーマとして、「相続・贈与」に関連する記事を集中して紹介していきますので、宜しくお願いします。


 まず、1回目は最近耳にしない日が無いほど採り上げられている「マイナンバー制度」と「相続税」の関連についてです。


【相続税の現状】


 今年1月からの相続税改正により、これまでと比べ相続税の課税対象になると推定される人数は前年の50%増と見込まれているそうです。  まず、自身の相続が新たな課税基準に達しているかどうか? この精査が求められます。

 自分なりに計算し、きちんと期限内に相続税を納付し、一件落着と思っていても、ある日唐突に「税務調査」の通知が届く事があります。 元来税務調査は毎年の課税対象者の中の約25%にこの調査を実施しています。 調査数の分母が増えるのですから、「当選確率」も比例してきますね。

 概ね、調査対象に選ばれるのは「生前の被相続人の所得税の申告」と「申告された相続財産」を対比し、後者が少なすぎと判断した場合だそうです。 

 この11月に国税庁が発表した税務調査実施状況に拠りますと、申告漏れとなったケースの内で約36%が現金預金、また約15%が有価証券だったと出ていました。 過半数が「金融資産」ということになります。

 2014年7月から2015年6月までの期間での税務調査件数約1万2,400件の内申告漏れが指摘されたのは実に82%弱だという事です。 故意か過失、錯誤によるものかは別にしても、すごい数字ですね!


【課税の為の各種調査】


 一般的には所得税の場合、確定申告を行う事で税務署は情報を得るのですが、この他にも利子や配当などの支払いについては支払った側に「支払調書」という資料の提出が義務付けられています。 貴方が株式で利益を得た場合、証券会社からその事実を税務署に報告されているのです。

 他にも100万円以上を海外に送金した場合も金融機関に「国外送金等調書」の提出が義務付けられていますし、海外に5,000万円を超える財産を所有する方には「国外財産調書」の提出が義務付けられています。

 この様な各種調書(総括して法定調書と呼称されています)に記載された納税者情報は現状個別に住所氏名、その他の情報を確認し、個々のデータとして別々な管理がされていました。 その為氏名が変わっていた場合(男性でも結婚で改姓する訳です)や旧字体、新字体を「使いわけていた」場合等は、同一人物の確認がとれないまま、放置されているケースもありました。


 ここまで書けば、次に何を言おうとしているかは、お分かりでしょう。


【マイナンバーによる一括管理】


 マイナンバー制の導入により、税務署としては手元に集めた情報と個人を正しく合致させ、効率的な管理が出来る訳です。 長年の悲願達成、と言う事でしょうか。

 そこで、相続税の申告にも当然マイナンバーによる「正確、迅速な」税務調査が可能となるのです。

 既に決定事項の中に「2016年1月以降に発生した相続の場合」 各種提出書類に被相続人、相続人のマイナンバー記載が求められることになっています。 記載すればガラス張りになり、拒否すれば、完全に目を付けられる・・・ まさに前門の虎後門の狼状態に追いやられるのです。 


 

【一網打尽?】


 さらに、まだこの時点では「任意」ですが、2018年=3年後には金融機関の預貯金口座にマイナンバーを紐付けることが改正マイナンバー法によって決まっています。

 これによって金融機関は、「マイナンバーでの預貯金口座の管理」をしなくてはならなくなりました。 預金者の提示が任意のままで金融機関にはマイナンバーでの管理を義務付ける? 当然預金者の提示も「将来は義務化」と考えておくべきでしょう。

 このなった時点で被相続人や相続人の口座情報は一網打尽となります。 例えば縁も所縁も無い遠隔地等に口座を設けても何の意味も持たなくなります。 口座は分散出来てもマイナンバーは変える訳にはいかないからです。

 そうなりますと死亡前の急激な資金移動や、不自然な出金、連年贈与を疑われるような預貯金の動きなど、これまで最低でも一金融機関で1か月前後かかっていた口座情報の紹介の時間と手間が一気に改善されます。

 相続税の課税基準には「相続発生から遡って3年前までの生前贈与分も相続財産に加算する。」とあります。 年間110万円の非課税枠内であっても、免れません。

 とはいえ、現実にはすべての生前贈与に拠る資金移動を把握するのは税務署としてもほぼ不可能でした。

 ですが、改正マイナンバー法施行によってそれらの資金の動きもマイナンバー管理によってガラス張りになる訳で、2018年以降に相続が発生した場合、3年遡った今年2015年から生前贈与した分はキレイに把握される事になります。

 また他にも可能性として、戸籍にもマイナンバーを紐付けすれば「相続人調査」も簡潔になりますし、不動産や自動車の登録に紐付けすれば、金融資産以外にも「網が張られる」事が可能になります。

 
 今でもほぼ不可能ですが、偽名での口座開設や借名での口座もマイナンバーとの照会の前には手の打ちようはありません。 万が一そのような実態が発覚すれば、税務署のより詳細な調査の開始は必至ですね!



 如何でしょう? こうなると3年後には、どういった新手の相続対策、節税対策がひねり出されるか? 我が身の問題としても大いに気になるところです。 



  マイナンバーの利用方法や相続に関するあれこれに関してのご相談やお問い合わせはこちらからどうぞ。
https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


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