コラム

 公開日: 2015-10-29 

相続実務のこぼれ話 その2 ~廃除

 
 プロ野球日本シリーズも大詰ですね、もう一度博多の地でゲームが出来るかどうか? スワローズは意地を見せるでしょうか?


 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 前回のコラムでは「相続欠格」について触れましたが、この規定は被相続人への殺意や遺言書の強制や偽造、隠匿などのようなかなり悪質な内容を適用条件としています。

 そこまでではなくとも、例えば、親に何度も暴力をふるう、(ことで金を無心する等)、度重なる違法行為(無免許運転、暴走行為等)で兄弟を含め一家全員に多大の迷惑をかけ続けた子供に頭を悩ますケースは少なくありません。

 こういう場合に、親(被相続人)が行うことが出来る手立てに「相続廃除」があります。

 どういうものかと言いますと、

・生前の被相続人に対して、
・遺留分を有する相続人が、
・虐待や重大な侮辱を与えた、又は著しい非行をした場合に、
・被相続人の請求に基づいて
・家裁が審判によって相続権をはく奪する。

 というものになります。


 【生前廃除と遺言廃除】

 被相続人が生前に家裁に請求する事を生前廃除と言い、その事由の立証は容易にできる点がメリットと言えます。

 被相続人が遺言書のその旨を記載しておき、遺言執行人が遺言に基づいて家裁に申請、審判によって排除を実行する事を遺言廃除と言います。

 後者の場合は、当事者の一方である被相続人(=被害者)は亡くなっている訳で、廃除理由の立証に関して、詳細、精緻、具体的な事由の作成と保管が求められますし、遺言執行人を予め定めておく必要があります。 生前の準備にはそれなりの手間と労力を要する点が課題です。

 また遺言廃除の場合、審判によって廃除が決まれば、被相続人の死亡時に遡って効力は生じます。


【廃除対象の相続人】

 前述した通り「遺留分を有する」と言う前提が付きます。 具体的には配偶者、親、祖父母、子、孫といった直系尊属や卑属と配偶者です。

 即ち遺留分を有していない兄弟姉妹は、廃除対象となりません。 同様に、「遺留分放棄」をしている相続人も対象外となります。

 
【廃除の及ぶ効果】

 不肖の息子であった次男が廃除された場合、次男の子供、被相続人の孫はどういう扱いになるでしょう?
これは、先に書いた欠格の場合と同様で、廃除の効果は「相対的な」ものとなります。 ですから、孫は不肖の親に代わって代襲相続人になることが出来ます。

 さらに、特定の被相続人からの廃除と言う扱いなので、父親から廃除されても母親からの相続には何ら効果は生じません。 

 ~ドラ息子には一円も渡したくないが、孫には罪はない、孫の進学費用の足しに遺産を相続させたい。

 ~廃除した父親にも原因があっての息子の不行跡なのだから、母親の私は息子に遺産相続させたい。

 前者の様な場合には、相続廃除はある程度被相続人の意向を反映させることが出来、後者の場合ですと、完全に廃除と言う訳にもいかず、当該被相続人にとっては不満足な結果になる可能性も残す事になります。



 【贈与には波及せず】

 あくまでも「相続」からの廃除、ですから「遺贈」=受遺者の資格ははく奪はされません。



 
 「遺産を相続させたくない相続人」の扱いについて、頭を悩ましている方は、案外多いようで、別件での相談終了後の雑談の中で、不意にこの話が出て来たケースも片手では収まらない程でした。  ほとんどは「愚痴を聞いてもらいたい」レベルのものでしたが、深刻な事例も無かったわけではありません。



 遺産相続は、「誰に何を相続させるか」で悩むだけではなく
 「誰には相続させたくない」でも悩むことになります。

 
 この点からも、ある程度の準備期間を定めて、相続問題について、考える事をお奨めします。





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