コラム

 公開日: 2015-10-26 

相続実務のこぼれ話

 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 久しぶりにマイナンバー以外の話題を紹介する事になりました。
今回は実際の相談、実務上で自身も学んだ相続に関連する事例を紹介したいと思います。


【生命保険や退職金も相続財産?】

 通常、生命保険金=死亡保険金は保険契約に基づく固有の権利として取得する事から相続財産には含まれないとされています。 同様に公務員や民間企業の従業員が在職中に死亡した場合の退職金である死亡退職金も、公務員であれば法律や条例で、会社員ならば就業規則などで支給対象者を定めてあるので、これも固有の権利としての取得となり、相続財産ではないという判断が下されています。

 ですが、仮に親一人子供三人の家庭で末っ子にだけ生命保険の契約を結んで、残りの財産を兄二人に相続させるとしても、殆ど財産らしき財産が無かった場合、明らかに末っ子だけは「多額の財産取得」になります。

 同様に、死亡退職金の受取が長男と認定された場合、残る2人の子供にはろくな遺産相続がされなかったというケースも十分想定されるのです。 

 共に、保険金と死亡退職金以外には、目ぼしい遺産が無い場合、それでも受取人以外の相続人は、その事実を受け入れなければいけないのでしょうか?


【民法第906条】 


 ここには「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況、その他一切の事情を考慮してこれをする。」と書かれています。

 遺産分割では、各相続人の~生活の状況を考慮しなくてはいけないのです。

 上記のような極端な遺産の状態の場合、これに該当すると判断されるケースが実際にあるそうです。

 この様な場合、生命保険金や死亡退職金を「特別受益」と見做して、相続財産に持ち戻し、3人の相続人での遺産分割となります。 

 特定の子に結果的に過剰な便宜を図ると、思わぬ騒動の元になり兼ねないという事例でした。


【相続欠格について】

 滅多にないでしょうが、相続欠格事由に該当し、相続人の資格をはく奪された場合の話です。

欠格事由としては、以下の5項目があります。

①故意に被相続人又は先順位もしくは同順位の相続人を死亡するに至らせ、又は至らせようとして刑に処せられた者。 
②被相続人が殺害されたことを知っていながら告訴・告発をしなかった者。 
③詐欺、強迫によって被相続人の相続に関する遺言の作成、撤回、取消、変更を妨げた者。
④詐欺・強迫により被相続人に相続に関する遺言をさせ、又はその撤回、取消、変更をさせた者。 
⑤相続に関する被相続人の遺言書を偽造、破棄、隠匿した者。

 ①や②はレアケースでしょうが、④や⑤あたりは少なくないのではないでしょうか?

 欠格事由は相続開始前に発生した場合だけに限らず、相続開始後であっても判明した場合には相続開始時に遡って相続の資格が法律上無くなる事になります。

 上記のような仕打ちを受けた被相続人がする事はないと思いますが、「欠格者」には「遺贈」も出来なくなります。

 但し、見落としがちな点が2,3あります。

1)相続欠格は上記の仕打ちを行った対象となる被相続人の相続に関してのみです。
  例えば父親の遺言書を破棄した場合、父親からの遺産相続は叶いませんが、母親からの相続は問題なく出来ます。
  亡き父親にあれだけ迷惑をかけたドラ息子には(私からの)遺産は1円も渡さないと思っても、被害を受けた被相続人でなければ欠格者ではありませんから、母親からの相続は通常通りに可能な訳です。

2)相続欠格は一代限りです。
  相続放棄と異なり、親が欠格者になってもその子(被相続人の孫)の相続権(代襲相続)は認められます。

3)相続欠格者の相続財産を第三者が購入した場合は売買自体が無効化されます。
  遺産分割協議等で相続財産を得、取得した不動産を第三者に売り渡した場合、その後欠格事由が発覚し、相続欠格者となtれば、売買契約後であっても、善意無過失の第三者であっても取得した(はずの)不動産の財産権は取得できないことになります。 この点は、不動産を始めとした相続財産を購入するような場合には第三者と言えども事前の身元調査は徹底すべきと言う教訓になります。
 


 今回は2つの事例紹介に留めますが、今後も不定期にこういった事例紹介を続けていきたいと思います。



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