コラム

 公開日: 2015-09-15 

遺される場合を考えてますか?

 ようやく秋の気配が昼間にも満ちてきましたね、ジャケットを着ての外出にも抵抗が無くなりました。

 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 
 さて、これまではこのコラムや個人で運営しているブログ等で、再就職や起業・独立に向けた諸準備ももちろん大事な事ですが、同時に足元を固めておくことも大切という考えから、50代男性の目線から「遺された家族に負担をかけない」為に、エンディングノートやライフプランノートを記録する事を推奨してきました。


 当然、これは貴方が「遺された家族に向けて」という前提です。

 では、「貴方が遺された場合」 は考えたことがありますか?


 多くの場合、夫が先に逝き、妻が遺されるのですが、当然妻に先立たれる事もあり得ます、さらには年齢に関係なくその時が訪れる事も珍しくはありません。


 今日はこの事によって貴方の生活にどういう変化が生じるのか?を書いてみました。

 【今までの生活を送る】


・食べるものは買う。 
・衣服は洗う。 
・公共料金を支払う。
・部屋は片づける。

 貴方は、日頃どこで日用品や食料を買っているか、ご存知ですか?
 貴方は、自宅で洗えるものとそうでないものの区別はつきますか?
 公共料金は振込? 引き落とし? どの口座から? 把握してますか?
 何がどこにあるか? 掃除の手順はわかっていますか?

 亭主関白(今や死語?)や、仕事人間を理由にこれらの事をないがしろにしてきた貴方、これからは当たり前に1人でこなさないといけません。 出来なければ、たちまち今までの日常生活は消滅します。


【生活費は把握してますか?】


 貴方が共稼ぎだった場合、これまでの生活費は全て貴方の稼ぎで賄っていたのですか?
生活費の中に奥様の収入が含まれていましたか?
そもそも奥様の収入はご存知でしたか?

 共稼ぎが一人稼ぎに替わっても生活費は殆ど変化がありません。
冷暖房費は、2人でも1人でも変わりません。
電気代も、同じです、部屋に2人いようが1人だろうが、同じですね。
風呂も1人だから湯量が半分とはなりません。 回数を減らせば別ですが…

 意外に変化が出ない、あるいは増加するのが「食費」です。
自炊は始めから放棄して毎食外食やデリバリーでは出費がかさむし、栄養面で問題ありですね。
では、自炊なら? 案外出費はかさむのです。 まず1人分の食材、近隣で売っていますか? おひとり様向けの惣菜などはよく目にしますが、これも割高ですし、すぐに味に慣れてしまいます。 結局好きな食材、好きな味付けに偏ります。

素材から調理しての自炊が出来る、といっても嗜好の偏りは防げません。 

1人になって減るのは収入、 増えるのは日々の負担。  共稼ぎの場合は生活が一変するのです。

【定年後、年金生活で悠々自適?】


 さて、配偶者を亡くした場合は配偶者分の年金は支給停止されますが、これに替わって 遺族厚生年金が支給されます。 無論、年金受給資格を満たしている前提ですが。

 ですが、遺族厚生年金には注意点があります。

「遺された配偶者の厚生年金が亡くなった配偶者の厚生年金の3/4に満たない場合に遺族厚生年金が発生、支給される。」 という規程があること、ご存知でしたか?

 一般的に 共稼ぎでも旦那さんの方が高収入=年金支給額が高めになるわけですから、妻が遺された場合は上記規定に該当する例が大半となります。 専業主婦であればまさに「ドンピシャの対象」になりますね。

 しかし、妻に先立たれた場合はほぼ上記規定は当てはまりません。 
共稼ぎで妻の収入が夫を大きく上回っている場合を除いては。

 そうなりますと、年金支給額は1人分となるので丸々の減額になります。 さらに遺族厚生年金支給には該当しないという
ダブルパンチを受ける事になります。

 仮に既に定年退職し、現在は年金だけが収入というリタイア世帯のご夫婦にとっては(特に夫側)無視できない事態になります。今からでも こういった事態を想定する事をお奨めします。



 加えて日々の生活面での問題の前に、ここでも相続・遺品の扱いの問題が立ちはだかります。

主に確認しておくべきことだけを以下に挙げてみました。

【保険証券】


 妻が受取人という契約の保険証券はありませんか? 

 そのままの名義で放置して、自分もその時を迎えたら子供達へ無用の負担をかける事になります。 契約内容の変更、または解約の手続きを進めましょう。


【印鑑・預貯金通帳類】


 名義人本人が死亡が判明したら、金融機関などの口座は即時凍結されます。
貴方は妻名義の口座の有無、印鑑の保管場所は把握していますか?


【携帯電話】


 持っているかどうかすらわかっていないというご夫婦もいらっしゃいました!
携帯の所有の有無はもちろん、せめて契約通信会社はどこなのかくらいは把握しておきましょう。  故人の名義の携帯電話の解約手続きは各社規定が異なります。


【自分には覚えのない借り物】


 私の実例では以下のようなものがありました。

・高校時代のアルバムを誰かから借りたとは聞いたが、それ以上を聞いていなくて未だに返却できていない。 

・遺品整理の時に初めて目にしたバッグ、貴金属があった! 買った覚えはない、借り物かどうかも分からない。

・どこのレンタルショップで借りたのかわからないDVD、CD等が出てきた。


【専用のパソコン】


 中に何が記録されているか?  見ないほうがいい場合が大半ですので、そのままデータを破壊して廃棄すべきでしょう。
ただ、以前ニュースでパソコン内に遺言ともいえるラストメッセージを残されていた方というのを見たことがあります。 ある意味携帯のアドレス帳や発着信履歴を見るか否か、にも通じるジレンマです。


【妻宛ての手紙、郵便物等】


 前述した携帯の保存データもここに該当します。
プライバシーの問題もありますが、これらの資料からでないと友人関係や交際範囲を知るすべがないというケースは少なくありません。 連絡先が不明では訃報を伝える事すら出来ないのですから。

 現実問題として、他にも妻宛ての通販会社からの請求書や領収証等から解約手続きの必要な相手先が判明します。


【宝石・貴金属類】


ある意味最も男性には苦手なアイテムかもしれません、 まずは保証書や鑑定書などで価格を確認しましょう。 場合によっては(価格によっては)立派な相続財産になるのです。 勝手な判断で友人や親族へ形見分けは厳禁です。 証憑となる書類等が見当たらない場合は、費用がかかりますが、専門家の鑑定を必要とする場合もありますのでこの点も留意して下さい。

 同様に食器や、茶器、または和装の品や着物もモノによっては高額品があります。 これも価値のわからない旦那の判断や子供の要求を安易に受け入れての処分は厳禁です。


【肖像写真】


 男女の区別はありませんが、特に女性の場合はそれなりの写真を遺影にしませんと、悔いを遺します。
私の経験でも異様に若い時代の遺影を掲げてあった84才の女性の葬儀に参列しました。 何とも釈然としない思いは遺族の方にもあったに違いありません。

  遺影に使えるもの、個人の思い入れのあるもの等を、ある程度生前に「貴方の判断で」少しづつ整理すべきですし、時機を見てお互いで「ベストショット」を選び合うのもいいでしょう。

 写真に限らず、アルバム、撮影したDVD、VTR、8ミリ等の記録物は片づけ始めると時間がかかるアイテムのトップです。
限られた時間内に整理をする事になりますと、全て残すか全て捨てると言った両極端な結論になりがちです。 捨てた後で後悔してもどうにもなりません、日々少しづつ整理する習慣をつけましょう。


【ペット】


 妻が溺愛していたペット、でも自分はさほど愛着は無い、仕事もあるので今までの様な世話が出来なくなる・・・ 意外に持て余す代物なのが、ペットです。

自分は愛着が無い妻のペットの始末、 里親探しやこの手のNPO団体の存在を調べておくのも必要です。


【妻のクルマ、バイク等】


 念の為車検証で名義確認します。 間違いなく妻名義であれば、手続きは簡単です。 売却、廃車を問わず相続人の住む地区の陸運局で名義変更をします。



 多くの項目は男女の区別がありませんが、いざ本番となった時、女性の方が整然と、粛々と整理を始められます。 却って男性の方が思い出にふけって手がつかず、ダラダラと時間を浪費するケースが多いのです。

 微妙な言い方になりますが、長患いの場合は後事を託す為の時間があります。 私事になりますが、私の母も長い入院生活の末に亡くなりました。 その為、いろいろな事を聞き出すことが出来ましたし、本人の意向も実現できたと思います。

 ですが急な別れの場合にはどうしようもありません。 幾つになったら用意を始めようと言った「期限」は決められないのです。 日頃のご夫婦間での交流をより密にする事しか今のところ私には思いつきませんが、この機会に是非ご夫婦で話し合いの場を持っていただければ幸いです。




 この件に関してのご相談やお問い合わせはこちらからどうぞ。
https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


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