コラム

 公開日: 2015-07-13 

改葬と分骨

 
 7月もあっという間に半ばとなりました。 今年も後半戦突入という事ですね。
年頭にたてた計画の進捗はどうでしょうか? 
順調な進捗でも、芳しくない場合でも結果オーライにせずに良かった理由、出来なかった原因を分析しましょう。
今ならまだ軌道修正の猶予期間です、12月にも結果オーライなんて結末は願い下げです。



 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 以前、改葬について紹介していましたが、今回は補足的な意味を込めて、関東近郊ではあまり聞きなれない「分骨」について紹介したいと思います。



【改葬と分骨】

 以前にも紹介していますが。改葬とは例えば遠隔地にある実家の墓に埋葬されている父祖の遺骨全てを、現在の住まいの近くの墓地等に移す事ですね、郷里の墓は更地化して、全くの無関係となります。

 分骨は埋葬されている遺骨の一部だけを移送して、新しい墓地等へ移すという事です。 まさに文字通りの意味ではあります。

 では、何が違うのでしょう?

 最も大きな違いは、手続き面です。  以前も紹介しましたが、改葬の場合は現在埋葬されている土地を管轄する市区町村の発行する「改葬許可証」が必要で、その為には「埋葬されている墓地等を管理する」責任者の承諾と署名・押印が必要となります。 

 一方分骨は市区町村の許可は不要です。 墓地等を管理する責任者が発行する「分骨証明書」だけで済みます。


【分骨する場合とは】

 では、どんな場合に分骨する事になるでしょう? いろいろ理由はありますが、代表的な事例では以下のようなケースが挙げられます。

 1) 郷里の墓から自宅近くに建立した墓に両親や祖父母の遺骨を埋葬したい。
 2) 実家の兄と、遠隔地の弟が共に遺骨を手元に置きたい。
 3) 菩提寺に埋葬すると共に、手元に置いて供養もしたい。

 といったところでしょうか。 

 余談ですが、分骨といいますと、あまり関東近郊では聞きなれない「習慣」かと思います。 私も初めの頃は「五体バラバラ」にして故人に申し訳ない、というのが正直な想いでした・・・

 ですが、西日本の地域や、宗派によっては分骨が当たり前ということを後から知りました。 狭い日本の中でも土地や風土に根差した違いはあるものですね。

 

 【分骨の手続き】

 お墓や埋葬に関する法律はしっかり定められており、分骨に関しても明文化されています。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則 
 
 この第5条が分骨に関する取り決めとなっており、第1項で「墓地の管理者は、分骨の請求があった場合は分骨証明書を交付(「発行)しなければならない(抜粋)」とされています。 

 請求されたら、交付しなくていけないのです。 

 改葬の場合は管理者の「承諾」からの「改葬許可証の発行」が前提でしたから、天と地の差ですね。 

 改葬の最大の関門は、管理者(多くは住職)から改葬を引き留められたり、高額の「離檀料」を暗に請求されたりといった説得交渉にありと言われています。 だから私の様な第三者の専門家が、当事者に代って極めてビジネスライクな申し入れをする方がスムースな交渉になるのでしょうか? 



【分骨の形態】

 さて、分骨には2つの形態があり、それぞれで手続きが異なります。

 〇 墓地に埋葬されている遺骨を分骨する。
    前段では1)のケースです。 

 〇 火葬場で分骨する。
    最初から分骨ありきのケースで、2)や3)のケースが該当します。

 今日は、このうち墓地に埋葬されてある遺骨の分骨について、紹介し、次回に火葬場での分骨について紹介することにします。



【お墓から遺骨を分骨する】

 手続きの面で言えば、遺骨を埋葬している寺(菩提寺等)にその旨を伝えて「分骨証明書」の発行を請求します。
正式には「遺骨の埋葬の事実を証する書類」とも言いますが、概ね分骨証明書で通じるはずです。

 原則では請求されたら発行するものではありますが、中には分骨先のお墓の有無、使用権限を証明する書類等の提出を求めてくる場合もあります。 これを最後の悪あがきと捉えることも出来ますが、お寺の側からすれば大切にお預かりしてきた檀家の遺骨がどこにどう安置されるか? 正確な分骨先を知っておく権利はあるという言い分も理解できます。

 この他にも、個別の対応となりますが、分骨とはいえ、お墓をいったん解体して遺骨を取り出す場合には業者を頼んでの解体作業となります。 その際には「読経=供養」~改葬の場合の魂抜きに相当~は、欠かせません。

 都市型霊園からの分骨であれば、納骨堂の収納場所から骨箱を出して、さくっと分骨出来ます。
 ですが、これが郷里の立派な墓石のある墓であれば、かなりの費用を想定する必要があります。

 さらに、分骨先でも改葬時と同じく「読経=魂入れ」は行われますから、ここでも出費を想定しておく必要があります。

 


 最近あった相談で、改葬となると、長年お世話になり、良好な関係にある住職と険悪になるかもしれない。 罰が当たるかもしれないし、折衷案として分骨で自分たちの墓に親の遺骨を移したいというものがありました。

 あくまでも分骨なので、許可証は不要です。 煩わしい交渉や手続き無く遺骨(の一部)を移せるので、ある意味目的は達せられる。 ことにはなります。

 個人的には、これでは単に問題の先送りで、子や孫の世代に転嫁しただけと言われても仕方ないのではないでしょうか? 特に、既に墓のある郷里に親族もいないような場合は、将来確実に貴方の子や孫に檀家の役割が巡ってくるのです。

 改葬代わりの一時凌ぎのような分骨は、却って二度手間三度手間になります。 この点をよく考えて、どうするかを決める事を強くお奨めします。



 次回は、新しい分骨の形として最近話題の「手元供養」について紹介します。




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