コラム

 公開日: 2015-06-29 

成年後見制度の現状について

 6月も最終週、といいますか明後日には7月です!
とうとう2015年も後半戦に突入ですね。 



 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 今から15年前の2000年4月に介護保険と成年後見と言う新しい制度が高齢化社会への備えとしてスタートしました。

 その15年後の2015年、介護保険の利用者数はこの2月には約510万人で順調な推移を示していますが、成年後見制度の利用者は2014年末時点で約18万5千人でしかありませんでした。

 さらに気になる傾向は「新規申立」がこの2年連続で前年を下回っている事です。
2014年では約3万4千件余で前年の2013年と比べて0,5%の減少、 その2013年も2012年に比べ0,4%の減少でした。

 後見制度には当事者の判断能力の程度によって「後見・保佐・補助」の3段階に分類されています。 

このうち最も重要と思われる「後見」の申立の減少が、増加傾向にあった「保佐・補助」を上回っているのです。

 この制度の申立の動機は預貯金の管理や解約が約42,4%でダントツのトップで、次が介護保険契約締結の為で約18%、いわゆる第三者からの要請によると思われるものが60%以上を占めていました。

 これは制度そのものの存在を知らないか、知ってはいても家族や親族でフォローできているうちは、「他人の面倒」にはならないという考えから来るものなのでしょうか? 

 家族で面倒を看る場合でも後見人になれば、被後見人の財産の履歴を定期的に家裁へ報告しなくてはいけません。主旨は被後見人の財産の不正流用の防止ですが、その手間を考えると制度利用に躊躇するのかもしれません。

 また残念ながら、親族が後見人になっている場合の財産不正流用は決して少ないものではありません。  では、第三者である私の様な専門職が後見人になれば安心かと言えば、ここでも不正流用が後を絶ちません。

 現状では第三者が後見人になっている割合が約65%で、親族後見人が35%の比率になっています。 

 自分の財産の管理や身上監護と言った日常生活のフォローを誰に託すのか? 血の繋がった親族だからこそ託せるものもあれば、第三者にこそ気兼ねなく託せるものもあります。 その判断基準はあくまでも当人の心ひとつですから、万人に共通な基準はあり得ませんが、次善の考えとしては、「自分で後見人を見定めておく」ことではないでしょうか?
 

 完全に判断能力を喪失した「後見」では既に手遅れです、「補助・保佐」の段階であれば、ある程度本人の意思の確認も可能です。 さらに言えば、健常な状態のうちに、当人が後見人を見定めておく、後見の依頼をしておくことでしょう。

 成年後見制度の利用申請が出来るのは「本人、配偶者、4親等以内の親族」、それと「検察官、市町村長など」です。
前段の括りの中で信頼に足る人物がいれば、事前に相談する事です。 

 成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」があります。 特に「任意後見」の場合は自分の意思で後見人を定める事が出来ますから、ある意味「納得のいく人選」が可能です。 

 どうも私の周囲では 、成年後見制度自体の認知度が低い事に加え、後見制度イコール法定後見オンリーという理解が目立ちました。 まだ判断能力があるうちに、自分の信頼する人物に後事を託せる点がまだまだ絶対的に認知不足でした。 

 後見制度利用の動機には「相続手続き」「不動産の処分」「保険金の受取」といったものもあります。 多面的な利用方法がある事も、もっとPRする必要もあるのかもしれません。

  
 また「後見制度支援信託」も知っておくべき項目でしょう。 これは当面使用目的のない当人の預貯金を家裁が指示して信託銀行に預けさせる制度で、2012年2月から導入されたものです。

 2015年3月までに利用件数が4,391件と順調な推移を示し、信託金額は約1,589億円で1件当たりでは約3,619万円でした。 この制度下では、一時的なまとまった金額の支払いの場合(当人の介護施設入居時など)家裁に引き出しの許可を求める必要があるので、安易な流用を阻止する効果が期待出来るものとされています。


 
 さらに言えば、後見の対象は、高齢から来る判断能力の喪失だけではありません。
突然の事故や病気によってある日突然寝たきりや脳死状態に陥るかもしれません。 
そうなったら、当人の面倒は誰が看る事になるのでしょうか?

 決して「40代、50代には関係ない制度」ではない事を、最期に付け加えておきます。





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