コラム

 公開日: 2015-06-22 

相続の放棄 ~関連条項3つ

 まさに梅雨空の週始めとなりました。

そうこう言っているうちに6月も最終週です。 いよいよ今年の折り返し地点ですね!


 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 空き家問題で役所や近隣住民が苦労しているというニュースを耳にしませんか? 老夫婦だけで暮らしていたものが、死去や高齢者施設への入居等で空き家状態のまま、長期間放置状態にあるという例などが、相続にも絡んで問題となっているのです。

 郊外や地方都市だけでなく、最近では23区内でも同様の問題が起こっているようです。

相続発生、調べた結果、相続財産と呼べるのが、空き家状態のままの実家だとした場合。

 仕事上、空き家になっている「実家」に戻って暮らす可能性はゼロに等しい、 耐震基準には全く適応していないし、築50年の家、リフォームの価値もあるとは思えない・・・ 等の理由から。 

 または、利用価値もないのに税金だけはそれなりにかかってくる、始末に困る「厄介な財産」と言う理由等から。

 相続放棄を選択するケースは少なくないようです。

 さて、相続の放棄に関しては、民法上3項目にわたって規定されています。


【相続の放棄の方式】

第938条)相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければいけない。

 ご存じの通り、相続開始の日(または相続の発生を知った日)から3か月以内に相続放棄の意思表示をしないといけませんし、その為には家庭裁判所への申述は必須要件です。

【相続の放棄の効力】

第939条)相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

 親が相続放棄をしたら。その子供はその時点から相続人の子ではありません。 ですから代襲相続とはなりません。

【相続の放棄をした者による管理】

第940条)相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければいけない。  ~後段略


 先の2項目と比べて、この3番目の項目は意外に知られていないようです。 

 具体的事例で説明します。 冒頭で挙げた空き家の実家のような不動産を遺言で相続人に指名されていた場合、貴方が相続放棄を決めた場合、貴方に兄弟姉妹がいれば、空き家の相続はその中の誰かになる訳です。

 すんなりと誰かが相続を承諾し、他の兄弟姉妹も異を唱えなければいいのですが、誰も相続人になりたがらない場合、または相続を承諾したものの、現状海外赴任で帰国が数年後になるような場合、その間の空き家の管理は相続放棄はしていても「自己の財産と同一の」注意をもって管理しなくてはいけないのです!!

 お荷物を放棄して、せいせいした。 もう赤の他人の物件になったのだからどうなろうと関係ないね~、では通らないのです。

  例えば廃屋同然の空き家が、風水害によって倒壊して近隣に損害を与えたり、通行人に怪我をさせた場合に、もう私は相続放棄をしたのだから無関係と言う主張は通りません。

  貴方以外にも相続人がいるのであれば、自分が相続放棄をした旨、速やかに伝えて新たな相続人を選任してもらいましょう。

 では、貴方以外に相続人がいなかった場合、なすべき事は何でしょうか?

 民法第952条①に「相続財産の管理人の選任」があります。 これによりますと、相続人のある事が明らかでない場合、家庭裁判所は「利害関係人」または「検察官」の「請求」によって、相続財産の管理人を選任しなければならないとあります。 「利害関係人」とは、相続放棄をした者、特別縁故者、被相続人の債権者、債務者が該当します。

 普通は検察官が請求することはありませんから、上記に該当する人物が請求を行う事になります。


 
 よく言われる相続放棄のメリットとして、負の財産を引き継がなくていい点ばかりが採り上げられますが、注意しませんとここに挙げたような事例に遭遇する事もあるのです。

 貴方や貴方の親にこの様な物件がある場合だけでなく、親族の中にもこういった問題が発生していないかどうか? やはりまめに連絡を取り合っておく事はお互いの為(?)になると思うのは、私だけでしょうか?
 



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https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


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