コラム

 公開日: 2015-05-25 

遺言能力とは? 

 
 サラリーマンの方なら、25日が給料日という方、多いんじゃないでしょうか? 
週の始めから新橋の宵は賑やかになるでしょうね?!  羨ましい~

 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今日は月曜から重いテーマを紹介したいと思います。

遺言能力、改めて説明の必要もないでしょうが、内容に不備のない自筆証書遺言や、公正証書遺言があった場合は、その遺言に書かれてある内容に沿って遺産分割は行われ、それに異議を申し立てる事はほぼ困難です。

 ですが、その内容が実際被相続人である本人が自分の意思で書いたかどうか? この点についてはやや風向きは変わります。

 最近厚労省が発表したデータに拠れば、2025年には認知症患者が700万人に達するという推計があります。
実に65才以上の5人に1人の割合です。 この傾向が何を招くか?


   認知症と遺言能力の関係です。


 よく相続トラブルで紹介されるのものとして、同居中の相続人が、症状を発症し始めた被相続人に自分に都合のいい内容の自筆遺言を書かせて、死後に他の兄弟に自筆遺言を初めて公開し、遺留分の範囲しか相続させなかったという事例があります。 

 こういう場合には、「遺言書作成時の被相続人の判断能力」が問われる事になりますが、「死人に口なし」状況では立証には相当の困難が予想されます。

 同様に生前贈与の契約の場合も、既に判断能力を喪失し、受贈者側に言われるがままに作成、署名した贈与契約書での贈与も、その時点での判断能力の有無が立証できませんと、契約は有効と扱われます。

 
 これとは逆に、真実判断能力がある時点で、本人の意思で遺言を用意していた場合でも、その後の相続発生の時点では完全に意思発揮能力を欠いていた場合などに、遺言の内容に不満がある相続人から「本当は認知症発症後に書かれた遺言ではないのか? 証拠があるのか!」といった遺言能力の有無について争う姿勢を見せるケースもあります。 

 このような泥仕合を未然に防ぐには、やなり「心身ともに元気なうちの遺言」を本人が心がける事です。 さらに、本人が同意されれば専門医の診察による診断書や意見書などを遺言書と合わせて用意すれば、後々の動かぬ証拠になります。 「最後は子の顔も区別できないほどの認知症だったが、遺言書を書いた時は正真正銘、正常な意思の下で作成していた。」と言う事が証明されるのです。

 また、あくまでも参考程度の話ですが、まだ軽い症状の発症であれば、さらに相続財産が不動産1件のみ、一つの金融機関の預貯金のみと言うように、争い事が起こりえない様なシンプルな場合には、それなりの遺言の応力が認められれば通用する場合もあります。 但し、あくまでもその判断は専門医によるものですが。


 
 遺言を遺す方としてはやっておかなくてはいけない事は十分理解してはいても、なるべき先送りしたい、忌避したい気持ちも事実で、さらに面と向かって言われて気分のいいものではありません。

 遺される方からすれば元気なうちだからこそ完璧な内容が遺せるのに、こちらから口火を切ったら穿った見方をされて却って自分だけが損をするのでは?  とこれまた二の足を踏み続ける事になりがちです。


 私の様な一人っ子であれば、問題にはなりませんが、複数の相続人がいる家庭であれば(一般的にはこちらが普通のケースです)いつか、誰かが行動しなくてはいけない問題なのです。

 何名かの「争族」状態と化した相談者の方々からは「こんな事なら、気まずい思いをしてでも元気なうちに話しておくべきだった。」という後悔の言葉を聞きました。 


 貴方も同じ言葉、使ってみたいですか?   同じ想いを、してみたいですか?

   
 

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