コラム

 公開日: 2015-04-22 

どうすれば相続財産をいかに多く引き渡せるか?

 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今回は、改めて最も適当と思われる相続財産の子供への引渡しの方法について、簡単にまとめてみました。


【相続税の基礎控除】

 もう昨年までの基準額のまま勘違いしている方はいないと思いますが、念のため。

 現在の相続税基礎控除額の基準は、
 「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」です。

 夫が亡くなり妻と子2人が法定相続人の場合は、
 3,000万円+600万円×3人で合計4,800万円です。

 私の様な一人っ子で法定相続人も一人の場合、
 3,000万円+600万円 だけとなります…


【相続対策の第一歩】

 とにもかくにも、相続人となる人物が、何名なのか? 特に再婚の場合は前妻(前夫)との間に子供がいるかいないか?また、子供のいない夫婦の場合、故人の兄弟や両親は法定相続人になりますから、この点も正確な把握が必要になります。

 また、故人名義の相続財産の全貌を把握する事も大切です。 まれに不動産の名義が故人の親のままであったとか、逆にいきなり初耳の土地の権利書が見つかったりと言う事がありますので、出来る限り、心身共に健康な時にこの様な情報は確認しておくべきです。 親から話すか、子供が問い質すか? 現実問題としてどちらから切り出すかでお互いが躊躇し、時期を失する事例は少なくありません。 

 さらには、「負の相続財産」である借金や連帯保証人について、切り出せないままその時を迎え、遺された相続人に多大の負担を課してしまったという事例もあります。 プラス、マイナス問わず全財産の把握も正しい相続対策の上では欠かせない準備作業なのです。 


【生命保険】

 節税対策に生命保険の活用と言うのは良く知られるようになりましたが、正確に言いますと、生命保険金は相続税の計算上は「相続財産」とみなされます。 ですが、「500万円×法定相続人の人数」の非課税枠があるのです。

 法定相続人が3人であれば、
3×500万円で1,500万円まで生命保険金非課税枠となります。

 単純に預貯金で1,500万円遺していれば、丸々相続税の対象ですが、
生保を活用すれば、逆に相続財産を1,500万円減らす事が出来るのです。


 補足ですが、保険金の受取人が相続人の場合、遺産分割協議の対象とはなりません。

 被相続人から見れば、確実に一定額を特定の法定相続人に引き渡す事が可能になり、
さらに遺産分割の対象外ですから、受取人が申請さえすれば速やかに現金として受け取りも可能です。 

 相続発生から(僅か)10か月後に迎える相続税納付用の備えとしても大いに役立つことになります。

 ※遺産分割協議とは、被相続人が遺言書を遺さないで、
   あるいは遺言書に不備があり無効になった場合に法定相続人全員で
   遺産分割協議を行い財産配分を全員の合意を以て確定するものです。 


 但し、生命保険の保険金はこの分割協議の財産には含まれないという事を相続人全員が認識していませんと、思いがけない争続発生にもなり兼ねませんので、親としても「取扱いに要注意」という認識が必要です。



【生前贈与】

 生前贈与は、受贈者一人当たり年間110万円までは非課税となります。
 
 贈与税は生きているうちに財産を引き渡す事ですから、仮に1,000万円の財産を引き渡す場合、贈与税は30%となります。 相続税の課税対象額が1,000万円の場合は10%の課税になりますから、かなりの「割高」な引き渡しになる訳です。

 とはいえ、確実に財産を相続人が必要とする時期に引き渡せるのは、贈与となります。

 自分の生活費に支障ない範囲で年間110万円までの贈与を10年継続すれば、1,100万円。 さらに相続人である子供が3人いて、3人に同様の措置を執れば10年で3,300万円の財産を「相続財産から減らし、かつ非課税で引き渡す事」が可能になります。

 さらに、「相続時精算課税」と言う選択肢もありますので、自分の家族構成や家庭環境に即した方式での生前贈与の活用を考えるといいでしょう。



【合わせ技?】

 生命保険と、生前贈与の合わせ技で相続税の節税も可能です。

 親が生命保険の「被保険者」とし、保険の「契約者」は子供、「受取人」も子供と言う形式にした契約であれば、受け取る保険金と払い込んだ保険料の差額「一時所得」扱いになり、「所得税」の対象になります。 

 この所得税の課税対象額は「受け取る保険金-払い込んだ保険料-50万円」の1/2となります。 税率は詳細は省きますがほぼ確実に相続税率を下回りますから、相続財産が多い場合ほど、節税効果は大となります。

 先述しましたが、保険金は一般的に請求即支払いが可能なので、相続税納税資金用とする事も可能です。

 この形式のポイントは「契約者=保険金を支払う」が、子供と言う点です。
契約額が高額になればなるほど、月額、年額の保険料の負担は大きく重くなりますが、ここで110万円の贈与非課税枠を活用すれば、親からの贈与資金で保険料を賄えるのです。

 丸々110万円を保険料に投入するのならば相当な保険に加入できますし、支払われる保険金額を睨んで、加入する保険を決めてもよいでしょう。



 以上のような基礎的な知識だけは、しっかりと修得して貴方の家庭にマッチした相続対策を検討して下さい。
 



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