コラム

 公開日: 2015-04-01 

今の相続、次の相続 ~二次相続を考える。

 いよいよ4月、又新しい年度の始まりです。 
今年度も社会にささやかな貢献が出来ます様、力を尽くしたいと思います。

 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 4月最初のコラムは、本来業務の柱の一つ、相続に関するテーマにしました。

 50代の貴方、ご両親は健在ですか?健在としておいくつでしょう? 既に片親を見送った方も少なくないでしょうね。
一般的には、先に父親を見送り、配偶者である母と貴方を含めた子供達が父親の遺産を相続します。 ~私の場合は母を先に送る事になりましたが…

 一般的事例で紹介していきますと、父親名義の財産は今住んでいる家や土地、預貯金口座や有価証券等が主となり、母親と子供が相続人となります。  生前に遺言書があれば、その内容に沿って、もし遺言書を遺せないままに亡くなった場合には遺産分割協議によって、相続人への遺産の配分が決まります。

 
 遺産の配分でもいろいろ問題が発生する事がありますが、相続税対策の面からも安易な相続を決めると、「割高な税金」を納める事になります。

 特に、事例に採り上げた50代の場合の両親は共に高齢者です(某芸能人の様なレアケースもありますが)
長年寄り添ってきた連れ合いを亡くして、一気に気力を失い、程からずして後を追といった最初の相続発生後1,2年の間に2度目の相続が発生する可能性は非常に高いのです。

 例として父親が亡くなった母親と子供2人の家庭の場合、3通りの相続が考えられます。


【二次相続その1】


 配偶者(=母)が全ての財産を相続すると、配偶者の特例として1億6千万円までの相続には相続税はかかりません。
遺産総額によっては最もシンプルでもめ事も起こらないやり方です。

 但し、母親が亡くなってからの二次相続になると話は違います。 仮に子供2人で円満に相続が出来ても、配偶者の特例は当然適用外ですし、「相続人の人数」も3人から2人に減少しますから、基礎控除額は600万円減少になるのです。

 家と土地を子供のうちのどちらかが相続した場合、生前同居していたとか、他に持ち家を持っていない等の条件をクリアすれば「小規模宅地の特例」の適用によって評価額の80%減となりますが、もう一人の子供には恩恵はありません。

 財産総額によっては二次相続で相当額の税負担を強いられることになります。


【二次相続その2】


 (仮に)長男である貴方が全財産を相続する場合、先に挙げた小規模宅地の特例が使えれば家や土地の評価額を抑えることが出来、相続人も3人のままですから基礎控除の枠もそのままです。 先の例に比べ「格安」の相続税で済ませる事は可能です。

 但し、これはあくまでも机上の論理で、母親はともかく、弟が黙っている可能性はゼロでしょう。 法定相続分に相当する金銭を兄が弟に支払えるならばまだ何とかなるかもしれませんが、理屈より感情が先に立ってしまうと、先の見えない兄弟喧嘩の始まりにもなり兼ねません。


【二次相続その3】


 最初の相続時に相続人3人で均等に相続します。 ただこの場合、家や土地については母と貴方が均等に相続し、弟は相続相当分の現金や有価証券等を引き継ぎます。 一次相続の時点では財産額にも拠りますが若干弟が多めの相続税を負担しますが、何と言っても現金の相続ですから、そう揉める事にはならないはずです。

 不動産を母と貴方の名義にし、母は配偶者の特例を、貴方は小規模宅地の特例を活用すれば、かなり大幅な評価減、非課税枠の適用が叶います。 可能性としては貴方に若干の納税が発生するでしょうが、「事例その1」に比べれば大した額ではないはずです。

 母の死後は相続財産は不動産の1/2ですから、場合によっては兄弟2人の基礎控除の枠内になるかもしれませんし、また貴方が小規模宅地の特例を適用すれば、ほぼ課税は免れる事になります。

 この方式では、一次相続で若干の納税をする代わりに、二次相続を限りなくゼロにする事が可能です。




  ここの挙げた例は、相続人が3人、小規模宅地の特例が適用される330㎡までの宅地、1億6千万円までの相続財産という設定ですから、まずは自分の推定相続財産の全貌を調査、把握する事が大事です。 場合によっては他の手立ての方がより節税に繋がる場合もありますから。

 
 いざ相続!  自分の取り分云々に固執しているばかりですと、思い通りの相続が出来たと思った矢先に、節税できたはずの相続税を課せられた!! という喜劇にもなり兼ねません。


 何事も事前の話し合いや、全員の協力で考える事が最も禍根を残さない結論を導けるのですよ。


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