コラム

 公開日: 2015-03-09  最終更新日: 2015-03-31

名前を変える・名前の読み方についての余話

 3月も早くも2週目、期末にやる事いろいろありますが、貴方は予定通りこなせていますか?

 お元気ですか!「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今週最初のコラムは、これまでのおひとり様の終活からうって変わって、実際に私が体験した事例を採り上げてみました。

 
 先日、ある相談者と用件が済んだ後の雑談の中で、自分の推定相続人の中に所謂「キラキラネーム」の孫がいる事を話され、将来必ず孫は親を恨むと思うので今からでも説得したいが、こういう理由で改名は可能かどうかという質問を受けました(何と言う読みでどういう漢字を用いたかは明かしてくれませんでした。)

 まず、改名には、改名が出来る要件が定められています。 

戸籍法の107条の2に ~「正当な事由によって」名を変更しようとする者は、「家裁の許可を得て」その旨を届け出なくてはならない~と規定されています。

改名の正当な事由とは?

 ① 営業上の目的から襲名する必要がある
 ② 神官や僧侶になる為に必要がある
 ③ 珍奇、難読の名や文字を用いた為社会生活上支障がある
 ④ 帰化した者で日本風の名前に改める
 ⑤ 長年にわたり通称名を使用し、社会的に通用している
 ⑥ 異性と紛らわしい名で社会生活上支障がある
 ⑦ 性同一障害で性別と名前に隔たりがある

 上記のような理由があれば、改名は可能と言われています。 個人的な趣味や一時の感情、信仰上の希望などでは認められることはあり得ません。


 ①の例としては、歌舞伎役者などのケースが思い浮かびますね。 何代目〇〇というように歌舞伎役者は襲名という形で「改名」を繰り返します。

 ⑤の例として、古い話ですが、西郷隆盛の弟、西郷従道の例があります。 もともと、弟の名前は「隆道」(隆興という説もある)でしたが、役所へ届け出た際に「りゅうどう」の発声が「じゅうどう」と聴こえた為(薩摩弁の発音だった)じゅうどう=従道とされてしまったのです。 なのに、弟さん、剛毅というかずぼらというか、気にせずそのまま「従道」を名乗るようになったのです。

 ⑥の場合、改名の申し出はしなかったものの、面白い事例がありました。 昭和のコメディアン「三木のり平」~江戸むらさきのCMにアニメで出ています~の本名は「田沼則子」といいます。 名前は 「のりこ」ではなく「ただし」と読むのです。 そしてこの名を改名しなかったおかげで(?) この人は戦地に赴くことを免れてます。 この方は1924年生まれ、ですから1945年で21歳の「兵隊適齢期」でしたが名前に用いた漢字の効果か、召集令状が来たのは終戦の5日前だったそうです。

 のり平さんの親はここまでを予見して名前を付けたのでしょうか?



改名の手続きは

 さて、今回の相談者の場合、該当しそうなのは③の理由でしょうが、判断は家裁に委ねられますから何とも言えません。
なんにせよ、「最近話題になった人物の名」に便乗する程度ならまだしも、好きなアニメの主人公や単に他人と違うからといった安易な理由での命名はこのように数年後には厄介な問題と化すケースが多いのです!

 では、改名の手続きはどういうものでしょう。 具体的に説明します。

 手続きの申立人は改名をしようとする本人が行います。15歳未満の場合は法定代理人が代理申立をします。

 1)裁判所のHPから申立書をダウンロードし、必要事項を記入します。
 2)申立人の「全部事項証明書」を用意します。
 3)改名の理由を証する資料(通称名でやりとりした郵便物、名簿など) 
   ~既に通称を用いている場合
 4) 1)から3)の資料をそろえ、家裁に提出します。

 これによって家裁の審理が始まります。 ここで面談があり改名する理由、今の名でどういった不都合があるのか、等を質されます。追加資料の提出を求められることもあるようです。

 この結果、「正当な事由」が認められれば、「審判書謄本」「戸籍謄本」等を揃えて市区町村役場に届出をします。

 

 これから新しい命が誕生する貴方、
今現在生まれたての子の名前を考えている最中の貴方、

 命名は簡単、改名は至難、 この点をよく肝に銘じて下さい。





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