コラム

 公開日: 2015-01-30  最終更新日: 2015-03-31

改葬の実務あれこれ

 暫く更新をサボってしまいました。 これも業務繁多のおかげです。 ご容赦を。


 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 最近は、地方の代々のお墓を自分の暮らす都内の墓地や納骨堂へ改葬することの相談が増えています。
改葬の手続きに関してはネット上でも書籍でもいろいろ解説がされていますが、いざ実際に手続きを始めるとなると、解説通りにはいかないものです。

 今回は、そういったあまり解説されていない(と私が思う)事例を紹介したいと思います。

 
 

【改葬許可申請書の必要枚数 その1】


 改葬許可は現在のお墓のある市区町村に申請します。 その場合、改葬する「遺骨」または「骨壺」の数の分だけ申請書を用意する事になります。 では、先祖代々丸ごと改葬する場合は両親~祖父母~曾祖父母~さらにその先代・・・ キリがありませんね。 そもそも何名分が埋葬されているか真相は誰も知らないケースが大半でしょう。

 この場合、許可申請書は最低何通必要になるのでしょう?

 答えは(厳密には市区町村によって相違がありますが) 1通です。

 氏名欄に「先祖代々」と記載すれば、概ね支障なく申請は通ります。 明らかに氏名が判明している両親や祖父母が含まれていても問題ありません。 では、住所は? これは最も最近埋葬された方の住所だけで大丈夫なのです。

 中には、本籍地からわざわざ謄本等を取り寄せて、判る限りのご先祖様の正確な氏名住所を書こうとする方もいらっしゃいますが、手続き上はそこまでは必要ないのです。

 繰り返しになりますが、改葬許可申請書は市区町村ごとに様式が異なっていると思って下さい。 お住まいの地域の役所で聴いた様式が、お墓の所在地の地域の様式と同じとは限らないのです。 ここで書いた例は、あくまでも特定の地域でのひとつの事例としてご理解ください。


 【改葬許可申請書の必要枚数 その2】

 ところが、これで終わりではありません。 「出す側」は1通でいいですよと言う場合でも、「受け入れる側」の新たな墓地の管理者がそうでなければ、話は変わってきます。

 仮に、両親、祖父母、先祖代々に分けて改葬する場合、受け入れる側は5通の許可証を求めるのが一般的です。 違法な納骨や盗難された遺骨を受け入れた場合、管理者側の責任追及は免れないとの事で、判明している範囲での必要枚数の提出を求めるのは仕方ない事のようです。

 結論です! 許可申請書は、改葬する遺骨の数の分だけ用意しておくべきなのでした。

 【遺骨が無い!?】

 通常は遺骨は骨壺に納めて墓地に埋葬したり納骨堂に安置しています。 ですが、中には土葬が慣習の地域もありますし、遺骨にはするもののそのまま直接土中に埋めるケースもあります。 こうなると、判別はどうすればいいのでしょう?

 確かに埋葬したのは父母と祖父母、あと曾祖母は確実な証拠があったとしても、「物証になり得る骨壺がなければどうやって判別すればいいのでしょうか?

 全てが「土に還って」いた場合、改葬許可は必要が無くなります。 但し、これも市区町村によって相違がある可能性もあるので当該地区の役所の担当部署で確認をして下さい。

 平均では土中の骨は30~40年経過すれば土に還っているそうで、最新の埋葬時期がこれ以上経過していたならば、遺骨として遺っている可能性はほぼないでしょう。 

 残る問題は、「受け入れ側」の管理者がこの場合どう対処するかです。 ただの土であれば、遺骨の管理責任を問われることはありません。 

 またここまでの流れでお判りでしょうが、「お役所が絡んでくる」手続きは「改葬の為、墓から出す場合」だけで、「受け入れる際の手続き」にお役所はノータッチなのです。

 土だけでの受け入れでも許可証を要求されるのであれば、改葬許可申請はやはり必要となります。

 この辺りは、当該の寺や納骨堂の管理者に事前に確認しておくことをお勧めします。

 次回は、最大の「難所」である「現在の墓地の管理者の改葬の了解を取り付ける。」事をテーマにしたいと思います。




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