コラム

 公開日: 2015-01-05  最終更新日: 2015-03-31

土地の相続   ~ 最も厄介な農地の相続とは?

 新年明けましておめでとうございます。
とはいえ、早くも正月も5日、今日から仕事始めですね!

 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 新年最初のコラムは、年をまたいで、またも相続に関するあれこれから土地の相続の中でも取り扱いが厄介な農地の相続について、紹介したいと思います。 


 2年程前の話ですが、父の名義の土地を管轄する市役所から「お宅の土地に生えている樹木が枝を伸ばして農道にかかってきたので処理をお願いします。」と言う連絡が入りました。 そこは私も「見た事もない」 書類上でしか知っていない将来の相続財産でした。

 こういう方、意外に多くはありませんか? 「そんな話を聞いてはいる。」 「一度だけ連れて行ってもらった。」 まだ当人と事実確認が出来るうちならいいのですが、「生前そんな話をしていたなあ~」 「親戚から言われて知った」など等、既に確認したくても出来ない場合は要注意です。

 土地の場合、相続手続きを行わず所有権移転登記をしないまま親から子、そして孫と代だけが変わっていった場合、書類上の所有権者は2ケタ、下手をすると100人単位にまで膨れがっていたケースは珍しくありません。 自分の代ですっきり相続手続きを済ませる! と思ったらこの100人に及ぶ所有権者から名義変更の承諾(署名・捺印)を得なくてはいけません! 

 土地は目的によって、宅地、田畑、山林といった「地目」で分離されます。 そのどれもが相続発生時に速やかに名義変更手続きを行うべきなのですが、その中でも「農地=田畑」は取扱い要注意なのです。

 
  まず「農地」は相続しても自由に売却できません! まず地元の農業委員会に届け出をしないといけません。 さらに届出をしても自由な売却は出来ません。 さらには農地の所有者には農業委員会が利用状況を調査し適切な農地利用を指導します。  ちなみに山林の場合は相続してから90日以内に市町村への届け出が義務付けられています。 ですが山林は売却は自由に行えます。

  田畑という名目の土地がある場合、上記の点をよく覚えておいて下さい。 安いとはいえ、固定資産である事には間違いないのですから、税金は発生します。

 参考までに、冒頭の私の事例はまさに「田畑」でした。 その後私が現地に足を運び検分しましたが、もはやまったくの雑木林と化していてどう見ても農作物を育てる事は不可能だろうと思い、地目の変更を当該役場に相談したのですが、私が撮影した画像を見て「この程度なら容易に農地に戻せます、よって地目は田畑のままが適当ですので・・・」でした。

 いっそのこと、生前贈与で私の名義にしておこうと相談もしたのですが、事実上農地の生前贈与は認められないとの事で、農地だけは「相続発生まで」名義変更は出来ないと同じですと言われました。

 今の時代、農作業従事者以外が農地を相続して農業に転職するという事は、かなりレアケースでしょう。 特に私の様に「猫の額」程度でも農地であった場合、どうにも手の打ちようがありません。

 実家の不動産の登記簿を見た時に「田畑」「山林」等の文字が目に入ったら、それなりの覚悟を以て相続に備えて下さい。

 最後に、余談ですが・・・ 指摘された木の枝が農道にはみ出していた件、精査の結果、隣の土地の樹木でした。





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