コラム

 公開日: 2014-12-17  最終更新日: 2015-03-31

相続税の計算法、正しく理解してますか?

 

 相続税課税引き上げまで2週間となりましたが、皆さんの財産は新しい基準の対象に入りますか? 財産の調査やその最新の評価額などは把握出来ていますか?  試しに相続税の計算をした事はありませんか?


 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今回は、肝心要の相続税の計算について、意外に勘違いするケースを最初に採り上げて、以下それに関連する内容を紹介していきたいと思います。

 
 周囲の知人などに相続税算出法を訪ねた時に、よく出て来た計算法として、

1) 基礎控除額3,000万円と法定相続人の人数×600万円を算出する。
2) 1)で出た金額を相続財産総額から差し引く。
3) 2)の金額に「相続税速算表」から該当する相続税率を乗じ、さらに控除額を差し引く。

 1)~3)の手順で算出されたのが相続税総額(2015年からの税制で計算)です・・・

 仮に父が亡くなり、相続財産が1億5千万円、相続人は母と子供2人だったら以下の様になる訳です。

 基礎控除として、3,000万円+(配偶者+子供2人=3人)×600万円で1,800万円。 合計して4,800万円です。 これを財産総額から差し引いた残りの1億200万円が課税対象になる。

 この額を相続税速算表で見ると2億円以下の税率が適用されるので、税率が40%なので4,080万円、控除額が1,700万円だから4,080万-1,700万円で 「2,380万円」が3人の相続税総額です!?


                        違います。


 「基礎控除部分を相続財産から差し引く」までは合っています。 なので、1億200万円の扱いから変わってきます。

配偶者と子供2人ですから 法定相続分として配偶者が1/2、子供がそれぞれ1/4づつです。 ここから配偶者は5,100万円、子供はそれぞれ2,550万円となりますね。

 ここで速算表を適用します。 5,100万円では税率は30%。控除額が700万円ですから830万円が税額となります。
同様に子供は2,550万円の税率15%、控除額50万円が適用されるのでそれぞれ332万5千円が相続税です。

 その結果、830万円+332万5千円+332万5千円=1,495万円が相続税総額なのです。

 更に、配偶者には取得遺産が1億6千万円、または法定相続分のどちらか大きい方を下回っていれば非課税になる特例があります。 上記のケースでは配偶者は5,100万円の遺産を取得する訳ですから十分特例の適用範囲内ですね。 この場合なら子供の各332万5千円だけが相続税となります。


 仮に総額1億200万円を配偶者一人が受け継いだとしたら? これでも特例の範囲内ですから相続税はかからない事になります。

 遺言書で法定相続分ではない相続分が指定されていた、ら先に算定した相続税の総額を遺言書にある配分で按分すればいいのです。

 ただ、現実にはそう簡単に机上の計算通りとはいきません。

 2012年の国税庁データによりますと相続財産の構成は以下の通りです。

土地・・・45,9%
現金・預貯金・・・25,4%
有価証券類・・・12,3%
家屋・・・5,3%
その他・・・11,1%


 圧倒的に土地が多いのです。 土地を相続分に按分して「切り売り」したり大きくもない土地を2人3人で分割相続すれば家も建てられず、売ることも出来ず、八方塞がりに陥るケースもあります。

 他には土地を相続人の一人がすべて相続し、その相応な額を他の相続人に支払う代償分割と言う手段がありますが、これもそれだけの現金預金があっての話です。

 さらに言えば、相続税は「現金一括払い」が大原則です。 それなりの資金対策も講じておかなくてはいけません。

 念願の土地は手に入れたが、代償分割の資金と納めるべき相続税の資金が無ければ事態は深刻ですね。

 また申告の内容に不備があるケースも少なくありません。 現状は相続税が発生したうちの約3割が税務調査の対象とされ、そのうちの8割近くに申告のミスがあるそうです。

 悪意あるものばかりではなく、単純な計算ミスや解釈の違いからくるケースも多いようで、故意でなくとも税額が過少申告であれば過少申告加算税が、隠蔽と判断されれば重加算税が課せられますし申告期限を過ぎてしまうと延滞税も課税されます。

 多く指摘されるものとしては「生前贈与」の見解の相違です。

 所謂名義預金が代表的ですが親が子供名義で口座を用意し毎年一定額を振り込んだ場合、子供がその事を知らず、または実際の口座管理は親が行っていた場合等は間違いなく指摘されます。

 この様に、税務署のスタンスは「過少の場合」には、必ず指摘し、修正を求めてきます。 ですが、過剰な場合や、申告の仕方を変える事で節税になるようなアドバイスは進んではしてくれません。 あくまでも納税する側の意識が前提なのです。 気付かなければそのままスルーされたままと考えていて損はありません。

 ですが、税務署の窓口に足を運べば丁寧に教えてくれます、アドバイスもしてくれます。 その際、身分証明書を見せる事も、姓名を申告する事もありません。 匿名人物のまま相談できますから遠慮なく、活用すべきです。

 ただ、相続財産の評価や、相続税の詳細な算出に関しては税理士や専門家の判断を仰ぐ方がいいでしょう。
それなりの財産をお持ちならば、それなりの出費はつきものと割り切った方が結局は問題なく、早期に手続き完了となります。


参考資料) 相続税速算表

 課税遺産額         税率      控除額
1,000万円以下        10%        なし
3,000万円以下        15%       50万円
5,000万円以下        20%      200万円
1億円以下           30%      700万円
2億円以下           40%     1,700万円
3億円以下           45%     2,700万円
6億円以下           50%     4,200万円
6億円超            55%     7,200万円

課税遺産額は「法定相続分」で設定。


参考資料) 主な財産の評価方法

土地> 
国税庁ホームページに掲載されている「路線価図」に1㎡当たり千円単位で表示されているのでそれに土地の面積を乗じれば大まかな額は求められますが、土地の形状などで複雑に評価額は変わります。 詳細な金額を求めるならばここは専門家の判断に委ねるべきです。

家屋>
市区町村から送付される固定資産税の通知書にある固定資産税評価額を参考にします。

預貯金>
相続発生時の(発生月)の残高を基準とします。

有価証券類>
株の場合は、①相続発生日の終値 ②相続発生月の終値 ③前月の平均額 ④前々月の平均額 の4つの中から最も低い額を選ぶことが出来ます。

貴金属・骨董品類>
鑑定人の判断を基準とする事が一般的です。 厄介なのは趣味の品々で特定のマニアの間ではとんでもない価格が通用するような場合は、最終的には税務署の判断に委ねる事になります。 勝手に自己判断で申告財産から外したりすると後になって指摘を受ける恐れも出て来ます。



 
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https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


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