コラム

 公開日: 2014-12-15  最終更新日: 2015-03-31

小規模宅地等の特例 ~子供の人数によって明暗が分かれる?

 

 おはようございます。
本日12月15日は不肖私めの57回目の誕生日です。

 お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。

 
 たまたまですが、誕生日が月曜日という巡り合わせでコラムを書くタイミングとなり、私自身を含めて相続問題に関しての身近な問題になり得るものについて、紹介したいと思いました。

 そこで、今週は実際の事例を背景に、相続にまつわる話を中心に進めていきたいと思います。 もちろん、相続税に関する話にも触れますので先週の予定の範囲内での展開です。  ぶれてはいませんよ(苦笑)



小規模宅地等の特例とは


 既にご存知の方が多いかと思いますが、念のため簡単に紹介しておきます。

 主な制度の内容は、亡くなった人が居住してきた家の土地、これを相続する場合、別項に挙げた要件に該当する人物は土地の評価額(相続税評価)が8割減になります。  また来年2015年からはこの制度が適用される土地の面積の上限が330㎡になります、坪数ではジャスト100坪ですね。 ~ちなみにあと15日間、年内いっぱいは上限は240㎡です。

 この制度が適用される対象人物は


① 配偶者
② 故人と同居していた「親族」
③ ①、②の該当者なしの場合、相続の発生前3年間に当人又はその配偶者の「持ち家」に住んだ事が無い「親族」

 
 ②で言うところの「親族」とは血の繋がりのある「血族」ならば6親等まで、婚姻で生じた「姻族」も3親等までが該当します。 非常に広範ににわたりますので、ご注意下さい。 ~ちなみに6親等の血族とはひい爺さんのひい爺さんまでです!!
または曾孫の曾孫まで。 3親等の姻族は配偶者のひい爺さん、伯父伯母、叔父叔母、甥・姪までになります。


 ③に該当する場合、それが故人の子供であった場合に「家なき子」と最近は呼称されています。 まあ、持ち家でなくても賃貸の家は「持っている」訳ですから、やや違和感は感じます。 私がまさに「家なき子」に該当するものですから・・・

 

おひとり様に朗報! 兄弟間では凶報?


 さて、私のような「おひとり様家なき子」の場合にはこの制度は朗報です。 父が一人で暮らしている実家は100坪もありませんが、現行基準の約73坪には微妙に収まりきらないほどの広さです。 母は既に亡く、同居人もいません。 私はサラリーマン時代から社員寮、社宅、今の賃貸マンションと「根無し草」生活を3年どころか30年以上続けています。 めでたく父子で新年を迎えたらこの制度の適用対象です。 相続評価額が想定の2掛けで済むことになるのです。

 仮に私が「おひとり様家持ち子」だったら?

 2010年の税制改正までは持ち家のある相続人でも5割減の評価という特例がありましたが、改正後は持ち家のある場合には特例は全て適用外とされました。 現在暮らしている自分名義のマンションのローンを支払いつつ、実家を相続した場合、一時的ですがかなりの相続税の負担を覚悟する事になります。

 独身貴族で「持ち家」派の貴方、何時か巡ってくる「実家の相続」への備えを考えておきましょうね。

 ただ、注意点があります。 ③に書かれていたのは「相続発生の3年前」まで賃貸生活をしていた事が条件とあります。 ですから持ち家であっても転勤などの理由で「貸家」状態で3年以上経過していれば、この特例は適用されます。 また今は「賃貸」暮らしでも3年以内に持ち家を手放していた場合には、逆に適用対象にはならないのです!

 会社員で異動により海外に赴任、持家=我が家を貸家にして2年後に実家の土地の相続が発生したら?
現状では「家なき子状態」であっても、特例の対象にはなりません! 

 同様に持ち家を売却、賃貸マンションに暮らし始めて2年、ここで相続が発生した場合も同様ですね。

 現在この様な環境にある方は、不謹慎な言い方ですが、父(母)の長生きを強く願って下さい。

 この特例を親の方が子供たちの相続節税にと、独断で進めた場合、結果的に兄弟間での争続発生に繋がる危険性があります。 ②の場合で言いますと故人の長男が故人と同居していた場合に、親が遺言で家は長男に、残る財産を2人の弟に相続させる事で大幅な節税が出来る、と考えたのですが・・・

 金融資産が思ったほど残っていなく、土地の評価が購入時と比べかなり値上がりしていた為、2人の弟にとっては遺言書の内容は絶対に受け入れられなくなっていたのです。

 2人以上子供がいる場合、子供たちの合意を取り付けてから実家の相続を決めていきませんと、せっかくのこの制度が却って円満円滑な相続を阻害する事になり兼ねません。


 補足: マンション経営で節税?

 
 今日のコラムタイトルからは外れますが、不動産繋がりで、あえて紹介しておきます。
最近、相続節税に効果あり、かつ安定の家賃収入で子供の生活にも寄与!とかなんとか言う様な謳い文句で貴方の土地に賃貸物件を建てませんかと言うセールス電話やチラシ、ネットワーク上での宣伝が氾濫気味ですね。

 確かに、「立地に恵まれ」「近隣に大学や大規模な企業施設があり」「一定のサイクルでヒトの異動が発生する」ならばこの話は大いに魅力的なものになるでしょう。 ですが・・・

 賃貸物件を建てる事はそのまま土地の評価額を下げます。 物件の建設費の「負債」は相続財産から差し引かれます。
ですが・・・ 今どきの賃貸マンションならば軽く見積もっても「千万単位」です。 これだけの「負債」を背負う訳です!

 返済は当然子の代へ引き継がれるでしょう、順調に入居者が集まり、入れ替わりが持続すればいいですが、大学の移転、企業の撤退や競合するような物件が至近に新築されたら? 当初の想定は変わって当たり前です。

 さらには、マンション管理は思うほど楽でも簡単でもありません。 管理責任は重く、貴方について回ります。

 節税と収入確保と言う一挙両得な話には、必ずそれに比例したリスクが伴う事、意識して下さい!


  


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