コラム

 公開日: 2014-12-10  最終更新日: 2015-03-31

相続と遺贈の違いとは?  ~特に農地の場合は要注意!?

 朝一の業務があったので更新が遅れました。


 お元気ですか?
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。




 遺言に関してのミニ知識、として掲載してきましたが一応今回で区切りたいと思います。 最終の項目は、遺言書の文面での表現です。 相続させると遺贈する。 この違いについてです。

 最も分かり易い違いは、相続は法定相続人に対して財産を渡す場合に「誰々に何々を相続させる。」と書きます。 遺贈は「法定相続人以外に」財産を渡す場合の表現です。 世話になった長男の嫁に報いたい場合など、遺贈以外では財産を円滑に渡す方法はありません。 

 他には「登記手続き」があります。 不動産の登記の場合、法定相続人であれば「相続させる」旨が書かれてあれば単独で当該不動産の所有権移転手続きが可能ですが、「遺贈する」場合は受遺者は単独では手続きは出来ません、共同相続人との共同申請、または遺言執行者がいる場合は遺言執行者と受遺者との共同申請が必要です。

 「放棄」も違いがあります。 いわゆる「相続放棄」ですが、この場合は例えば望まない不動産や資産があった場合は相続放棄でしか「放棄」は出来ません、当然ですがすべての相続財産を放棄する事になります(民法915条)。 

 遺贈の場合は遺贈の放棄をすればいいだけです(民法986条1項)

 この不動産のうち、扱いが面倒なのが「農地」です。


農地を相続させる・遺贈する


 不動産=土地には「地目」という分類があります。 「宅地」や「山林」と共に「農地」といった分類がありますが、日本では農地の取り扱いには厳格な基準があり、容易に売買や地目の変更は出来ません。 原則は農地法3条1項による許可が必須となるのですが、唯一「相続の場合」はこの許可は不要です。 但し、当該地の農業委員会には速やかに相続に事実を連絡しなくてはいけません。

 そして「遺贈」された農地の場合、この農地法3条1項により農業委員会の許可が必要となります。 但し、相続人に対しての特定遺贈の場合は、この必要がありませんので間違えない様ご注意下さい。

 単純に言えば、相続人であれば農業委員会の許可は不要、但し相続発生した旨の届出は必要、 相続人以外が遺贈された場合は必ず農業委員会の許可が必要になるという事です。

 余談ですが、私が父の郷里にあった山奥の土地を「生前贈与」で名義変更をしようとした際に、一部の区画が地目上は立派な「農地」でした。 実態は密林に近いのですが、伐採すれば十分農地として機能するからと言う理由で地目変更が認められず、さらに生前贈与は事実上不可能なほどの手間がかかると「諭され」、1か所のみ、手続きをしないままにしました。 非情な言い回しですが「相続ならば手続きなしで貴方の名義になるのです。」に従った訳です。

 
 貴方には郷里に見た事もない土地がありませんか? もしそういう話が両親から出ていたら、一度は時間を作って実地検分をしましょう。 当然、登記簿上の地目等も目を通してい置く事です。 日頃の注意で、後難を避ける事は可能なのですよ!

 次回からはカウントダウンに入った「相続税」について、基礎的な部分をおさらいしていく予定です。


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