コラム

 公開日: 2014-12-05  最終更新日: 2015-03-31

遺言の形式について ~全部で7通りある遺言とは?

 12月第1週も週末を迎えました。 実質あと3週が仕事の出来る時間です、 足りません!!


 お元気ですか?
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今回、ある相談者との雑談中に出た話題を、コラムに採り上げてみます。 

それは「遺言の形式と種類」についてです。

 ある相談者の方から、船の沈没の際に居合わせたそれぞれに繰り広げられる人間ドラマの中で、3,4人?の友人たちがお互いに家族に宛てた遺言を口頭で伝えあって、海に飛び込んで行ったというシーンがあったそうで、これは実際に有効なのでしょうか? という問いかけを受けました。 意表を突かれた質問で浅学非才を自認する私は、後日確認して連絡しますといういつもの対応策でその場を切り抜けたのです。 この一件が、今回のテーマになりました。

 遺言の方式(種類)といいますと、一般的に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」が挙げられますし、それで問題ないのですが、詳細な分類はもう少し複雑になっています。

 

普通方式と特別方式


 普通方式には前述した自筆、公正証書遺言に加え、「秘密証書遺言」があります。 これは簡単に言いますと、自筆で遺言を書き、遺言者が遺言書で用いた印で封印します。 これを公証人1人、証人2人以上の前で自己の遺言である事を宣言します。 公証人はその旨を記載し、提出された日付を記載し証人2人と共にそこに署名押印します。 あくまでも
何月何日に誰某が遺言書を提出した事を証明するだけであって遺言書の内容は確認していませんから、開封後内容に不備があれば自筆証書遺言同様、無価値になります。 

 特別方式は、次の4つに分類されています。

 1)死亡の危急に迫った者
 2)伝染病隔離者
 3)在船者
 4)船舶遭難者


死亡の危急に迫った者の遺言

 ~民法第976条

 疾病や事故によって死が目前に迫った者が遺言をするケースで、3人以上の証人の会いの下に口頭で伝え、それを筆記する、終了後遺言者と残りの証人に閲覧、または口述で聞かせて内容に不備なければ署名押印するものです。

 長の入院で時間的余裕やそれなりの覚悟を持った友人が3人以上立ち会えれば、可能ですが突発的な疾病や交通事故の場合には対応は難しいと思います。

 なお、詳細は民法976条以下を参照して下さい、上記以外の正確な取扱い等が記載されています。


伝染病隔離者の遺言

 ~民法第977条、及び980,981条

 法定伝染病などで行政処分によって交通を遮断された場所にいた場合、警察官1人、証人1人以上の立会いを以て遺言書の作成が出来るというものです。 


在船者の遺言

 ~民法第978条、及び980,981条

 船舶内にいる者は、船長または事務員1人、証人2人以上の立会いを以て遺言書を作成出来るというものです。


船舶遭難者の遺言

 ~民法第979条

 最も切迫、状況も最悪の事態での遺言となります。 船舶が遭難した場合、その船舶内にあって死の危険に陥った場合には証人2人以上の立会いを以て「口頭で」遺言をすることが出来るというものです。  なお、ここにある「船舶内」には乗船した船が沈没し、救命ボートに避難し漂流した場合でも船舶内と解されるそうです。 念のため。

 冒頭の相談者の話は、たぶんこの事例を映画の中に採りいれていたと思われます。 



 では、余談ですが、乗船している船上で病気になり、その船が遭難、救命ボートで退避した後に病状が悪化、死期を悟った病人が遺言を遺す場合、さらにこの救命ボートに紙と筆記用具があった場合、上記のうちどの方式で遺言を遺すのが最適なのでしょう?  あえて正解を求めるのはやめておきます。


  以上のように特別方式の遺言とは、文字通り異常事態に置かれた際にのみ認められる例外的なものです。  

  
  補足しますが、上記の特別方式の遺言は、遺言者が普通方式の遺言が可能になった場合、その時から6か月間生存していると、その効力は無効となります。  例えば病による死の淵から生還した、 半年間の船旅を無事に終え、その後半年を経過したら、病室や船旅の最中に用意した特別方式の遺言は「なかった事」になるという事です。


  今回の内容は、知る必要はないものかもしれません。 ですが、万万々一、こういう事態に遭遇した時にも、家族に想いを遺したいのであれば、知っておくべき内容だと思い、紹介させて頂きました。

 

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