コラム

 公開日: 2014-11-27  最終更新日: 2015-03-31

遺言書に書けないこと ~遺されたペットの問題

 

 お元気ですか?
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 前回に引き続き、遺言書に書けない事について紹介したいと思います。

 今回は自分の死後、愛するペットの世話の問題です。 現在家族と同居しているならば、当面は問題にはなりません。 ですが、貴方が一人暮らしでペットだけが同居家族と言う場合、万が一の時の対処法を考えておきませんと大変な事態がペットに降りかかるのです。

 貴方にとっては家族、子供に等しい、またはそれ以上の存在であっても、残念ながらペットには財産を相続する権利はありません。 法律上ではペットは権利義務の主体にはなれませんから。

 では、この問題の現実的な解決手段としては、親戚や気の許せる友人知人に今後のペットの飼育を託するしかありません。  この場合も遺言書にその旨が書かれてあっても、開封される迄長期にわたる場合もあります。 例えば開封が49日以降であれば、その間のペットの生活はどうなるでしょう?


 この様な場合に、一定の効力を発揮するのが「死後事務契約」です。

 私も業務として何件かこの契約を締結し、依頼人の死後、葬儀までの間にすべき事務手続き等を委任された範囲で遂行する事になっています(幸いまだ、契約の発動に至った事例はありません。)

 実際、一人暮らしのある方から相談で愛犬の面倒も見て欲しい旨の申出がありましたが、あいにく私も一人暮らしですし、住いはペット禁止のマンションです。 丁重にこの件はお断りしたことがあります。

 ですから死後事務契約の範疇ではありますが、一般的には通常の内容とは別にして、新たな契約を結ぶことになると思います。 仮に契約書の表題を考えるならば、「死後におけるペット飼育義務の委任に関する契約」となるでしょうか?

 契約書に書くべき内容としては、

1) ペットの飼育を委任する事。 
2) 自宅で生涯面倒を見る等の飼育条件を明記する事。
3) 事務手続き等で発生する費用分を算出し、計上する事。 
4) 飼育を託す事への報酬を明記する事。

 概ね、この4項目を明記した内容であれば契約として成立します。


 ただ、実際のところ、最大の問題は委任出来るほどの知り合いがいないという事だそうです。 人付き合いよりもペットとの水入らずの時間ばかりを過ごしてくると、こういう結末を迎えるようです。

 ではどうすれば? 

 打算的ととられても仕方ないですが、やはり日頃から共通のペット仲間同士との繋がりを持つ事でしょう。 さらにこの手の話題(自分の死後のペットの問題)をさらりと口に出来るような関係を築く事が必要かと思います。

 犬をペットにされている場合は散歩やドッグラン等の施設で自然に出会いのきっかけは出来やすいのですが、猫や小鳥、または爬虫類系はそうもいきません、 第一その手のペットを飼育している事を外部に知らせているかの問題にもなってきます。

 個人的な考えですが、動物病院等でこの手の情報交換の場が出来れば、同じ悩みを持つ仲間を見つけやすいかと思いました。  何にしても行動を起こすことが肝要です。

 この問題に関しても「先憂後楽」の意識で取り組まないと、土壇場になって悩み、苦しむことになります。 ペットを飼うという事の責任は貴方の死後にも存在するという事を、よく認識して下さい。





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