コラム

 公開日: 2014-11-25  最終更新日: 2015-03-31

遺言書に書けないこと ~尊厳死宣言

 3連休もあっという間に終わりました。
朝から雨模様のあいにくのスタートですが、気分一新で仕事です!


 お元気ですか?
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今回は遺言書に書くことが適当でないもの、要は遺言書には書けない部類の項目について紹介します。

 まずは尊厳死宣言です。

 さて貴方は、尊厳死と安楽死の違いはお判りでしょうか?
簡単に言いますと尊厳死は延命措置を差し控えたり、中止することで人間としての尊厳を保ったまま最期を迎えさせるというもので、安楽死は積極的な「医療行為」により、死期を早めるものと言う違いがあります。

 当人に正常な意識があるうちに、自ら尊厳死を宣言したものを「尊厳死宣言」と言います。
自分の人生をどう生きるか、自分の人生の在り方を自分で決めることが出来るという自己決定権に基づくものです。

 当然の流れですが、遺言書に尊厳死宣言を書かれていても、遺言書がその効力を発揮するのは開封されてから、即ち亡くなった後なのです。 既に全て事は終わった後に尊厳死を望んでもどうにもなりませんね。

 前回まで、なかなか遺言書を書く事に決心がつかない方が多いと書きましたが、逆に一度書くと決めた方の中にはあれもこれも書きこむケースがあるのです。

 とはいえエンディングノートに書けば大丈夫かと言うと、これには法的効力はありませんから、これも無意味なことです。

 尊厳死を法的にも問題ない形で宣言するには、2つの方法が考えられます。

 ひとつは当事者本人が「尊厳死宣言書」を作成して、署名押印しておきます。 これを相続人や近親者に託しておき、その時が来たら担当の医師などにその旨を伝える事で尊厳死を遂行するのです。

 さらに万全を期すのであれば、公正証書による「尊厳死宣言公正証書」の作成と言う方法もあります。 この場合は当事者が公証役場に出向き公証人の面前で宣言内容を口頭で伝え、それを公証人が証書として作成するものです。 (正式には事実実験公正証書と言います。)

 補足ですが、臓器提供などの意思を生前から持っており、死後は家族へ優先的に臓器を提供したいという場合、平成22年1月に施行された臓器の移植に関する法律の改正によって一定の条件を満たせば優先提供は可能となりました。 また眼球も臓器の一部と解釈されています。 この場合も一定の条件を満たした内容を書面に表示しておく必要があります。

 以上のような事例は、遺言書では「間に合わない内容」になります。

 亡くなってから葬儀に至るまでの諸々の事は、遺言書に書かれてあっても「後の祭り」ですから、こういう点もよく吟味して遺言書に記載する内容を決めていく必要があるのです。




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