コラム

 公開日: 2014-10-15  最終更新日: 2015-03-31

相続についての基礎知識とは? その2

  お元気ですか!
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 相続の基礎知識のおさらいの2回目は「遺産分割」に関連する項目です。


遺産分割協議とは

 相続の場合、遺言の重要性は貴方もご存じの通り、有ると無いとではその後の手続きに大きな影響を与えます。 遺言を遺さないまま相続が発生した場合には相続人全員で協議を行い、総員の合意の上で遺産分割を図る事になります。

 これが「遺産分割協議」であり、相続人が協議の上合意した内容をまとめたものを「遺産分割協議書」と言います。

 また、この遺産分割協議は遺言が遺されていた場合でも実施が可能です。 

 極端な例ですが、被相続人の父親が「老いらくの恋」に奔り、婚姻もしていない女性に全財産を相続させるという遺言を遺した。 また晩年に新興宗教に帰依してしまい全財産を教団へ「寄付」するといった相続人の権利を侵害するような内容の遺言だった場合、遺留分請求である程度の遺産相続は叶いますが、心情的に譲れない、1円たりとも寄付などに財産を使わせない!といった想いが相続人全員一致だった場合には、遺産分割協議を開き、遺言とは異なる財産分割を実行出来ます。

 相続人の合意さえあるならば、法定相続分にもそぐわない分割でも構いません。 兄弟間がきわめて親密な関係の場合に苦労をかけた長兄に法定相続分を超えた相続をしてもらってもいいのです。 あくまでも可能性の話ですが・・・?

 また遺産分割協議には死亡届や相続放棄、相続税の申告と納付のような期限はありません。 ですが一般的には相続税の申告と納付期限である相続発生後10ヶ月以内に開催し、まとめる事が多いようです。

 また、遺言書の内容は先に挙げたような「極端な内容」ではなく、通常の相続に沿った内容であっても、「自宅のある土地は兄弟3人で仲良く分け合う事。」「すべての財産は兄弟4人で均等に相続する事」といった漠然とした内容の場合は意味を成しませんので、分割の割合や具体的に相続する財産の取り決めなどを改めて遺産分割協議を行って決めて行かなくてはいけません。 遺言は書くことがまず重要ですが、さらに内容に具体性を欠いては書いた意味が無くなる事もよく認識する必要があります。


遺産分割の方法(種類)とは

 では具体的な分割方法、分割の種類はどうなっているのでしょう?

 分割方式には「現物分割」「換価分割」「代償分割」の3つがあります。

 現物分割は、文字通り財産そのものを相続分に応じて分割する事で土地を兄弟3人で3等分する、預貯金額を等分に分割売る等、分割可能な財産であれば最もシンプルでトラブルも少ない方式です。 但し、土地の場合、分割によって価値が下がるリスクはありますし、骨董品等は一式揃って価値があるものが分割によって大幅に価値を下げるケースもあります。 

 換価分割は、不動産等で現物分割が困難な場合に売却してしまいその代金を相続分に応じて相続するという方式です。 これも目に見える公平感がありますから、実行可能であればもめ事は少ない分割方式です。 但し、現在特定の相続人が暮らしており、なおかつそこで商売をしているような場合には生活基盤の損失に繋がりますから、合意までには難航が予想されます。

 代償分割は、上記換価分割と似た面がありますが、こちらは分割が不可能な不動産(商売をしている店舗兼自宅)しか財産が無いような場合に、そこで暮らす相続人にそのまま相続を認める代わりに他の相続人には相続財産分に応じた現金を「代償金」と言う名目で支払う事で遺産分割をする方式です。 但し、この場合不動産を相続する相続人に他の相続人に支払うだけの「現金」等の資金があればの話です。 また不動産の評価額の相違も少なくありません。 一方は安い評価額を基準とし、一方はより高い評価額をベースに代償金を想定しがちです。 こうなると、最悪の場合争続開始の恐れも出て来ます。


遺産分割協議が不調なら

 上記の分割方式で合意が得られない、相続の割合で合意が得られない。 など等、努力の末分割協議での合意を断念する事になったら、その後はどういう手続きがあるのでしょう?

 このような場合は、家庭裁判所での「調停」に進むしかありません。 誤解されがちですが「調停」は「訴訟」ではありません。 家裁の調停委員を入れての話し合いの場という意味合いです。 当然弁護士も不要です。

 詳しくは省きますが、相続人それぞれの意見を調停委員が聞き取り、必要に応じて資料提出を求めながら最終解決案を提示してくれます。 調停を申し立て出来るのは相続人だけです。申し立ての際には自分以外の全ての相続人を相手方として申し立てることになります。

 では、調停でも不調に終わったら?

 この場合は自動的に家裁で「審判手続き」に移行します。 こうなりますと家裁の裁判官が事情を十分考慮したうえで「審判」と言う形で遺産分割の結論を出します。 

 さらに家裁の審判でも不満がある場合には、審判の日の翌日から2週間以内に「即時抗告」を申し立てますと今度は高等裁判所で「再審理」となります。審判を受けて何の手続きもしなければそのままの内容で確定します。確定後は相続人は審判の結果に従わなくてはいけません。

 
 いかがですか? 相続を円満、円滑に終わらせるには 

 正しい内容での遺言を遺す。

 これに尽きる事、お分かり頂けたでしょうか?



では次回は 相続税対策、相続対策に続く3つ目の備えである「相続税納付用資金対策」について紹介していきたいと思います。




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