コラム

 公開日: 2014-10-17  最終更新日: 2015-03-31

貴方にも当てはまるかもしれない「争続」発火点とは!?

 
  お元気ですか!?
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


  ついこの前まで暑さにうだっていた気がしますが、昨日からは一気に晩秋の気配です。 今度こそ衣替えを一気にしても大丈夫でしょう。

  相続の問題でも、昨日までの温暖な関係がある出来事から一気に猛吹雪、もしくは炎天下に急変します。

  今回は、典型的な「発火点」とその前提条件について述べてみたいと思います。



①親と同居の兄弟と、遠隔地に暮らす兄弟の場合


  「生前贈与」の疑惑で発火の恐れありです。 親との同居となれば何かと気遣いが求められ、その場合の多くは実子である長男よりもその嫁に課せられることが多いのは言うまでもないでしょう。 夫婦に子供がいて、やれ私立中学入試、高校入試、その為の家庭教師やクラブ活動への参加等など、なかなか夫(長男)の稼ぎだけで賄えるケースは多くは無いようでその時に嫁さんからの圧倒的プレッシャーで長男が親に「無心」する。 これもよくある現象です。

  同居している孫には多くの祖父母は絶望的に弱いようで「子供の安全上、車を買い替えたほうがいいと思う。」という訳のわからない理由で軽自動車から4WDへの買い替え費用を満額せしめた私の知人がいます。

 これが、一人っ子の場合なら何も口を挟むことはないのですが、実家を離れて暮らす兄弟姉妹がいるとなると、話は違ってきます。 ここでは長男と親が同居としましたが、弟や妹が親と同居でも同じ事です。

 離れていても兄弟ですから何とはなしに子供の進学や車を買い替えたなどの情報は伝わりますし、親から伝わる事もあるでしょう。 では、そのお金の出どころはどこ? となった時に親兄弟を巻き込んで「発火」する恐れがあります。

 親としても後ろめたい気がある場合は本当の事は言いよどむでしょうし、同居している子は頑として「とぼける」でしょう。
実態はどう見ても「生前贈与」であり、「特別受益」です。 はっきりさせないまま、親が亡くなれば、兄弟同士遠慮のない「争続」を開始し「争族」と化していきます!


 ②子供は子供


  実の兄弟でも上記のような争続を起こすのですから、ここに「血のつながらない兄弟姉妹」が出てくると・・・

 例えば最初の結婚で子をもうけ生別死別に係らず、結婚生活を終焉し、その後再婚したのが今の家庭と言う場合、先妻との間の子にも当然父親の相続人の権利があります。 今の家族がこの事実を知っていれば、父親の死を連絡したくてはいけません。 故意に知らせないまま遺産分割協議を行っても後からこの事実を知った先妻の子が申し立てを行えば協議の内容は無効にされます。 父親が隠していた場合には今の家族にも迷惑をかける事になります。

 また、婚姻関係にない相手との間に出来た子供がいる場合も同様です。 但し、あくまでも「認知されている」事が相続の条件です。 最近話題になりました最高裁の判例から「非嫡出子の相続分は嫡出子の1/2」から「どちらの権利も平等である。」に民法が改正されました。 ただ、認知されなければ相続人ですらないのです。 ですから不心得者の父親の場合、家庭への影響を考えて認知について曖昧にしておこうと考えかねません。 より深刻な問題になるのではないかと。私としては懸念している次第です。


 ③実家しか遺産が無い


 仮に相続人が兄弟2人だけ、しかし遺産と言えるものは兄が自宅兼店舗にしている実家しかない場合。

 以前に紹介した「代償分割」が妥当な相続方法と双方で納得した場合でも問題は出て来ます。 仮に兄が算定したこの不動産の評価額が5,000万円だったので、均等に相続する分として現金2,500万円を用意したところ、弟の算定では6,500万円だった場合、その差1,500万円。 現金で3,250万円が正当な1/2の財産となります。

 こういう場合は恨みっこなしで兄弟で合意した不動産鑑定士の判断に委ねるのが一番ですが、この場合でも相続人本人よりも「その配偶者」からの強い意向によって暗礁に乗り上げるケースは、少なくありません!


 ④介護が報われない「嫁」


 これも以前に紹介した事例です。 義理の老親の世話を長年に渡り看てきたとしても「嫁」に相続権は無く、遺言を遺さないまま亡くなったり、遺言書があっても「遺贈」を明記されていなければどうにもなりません。

 まだ実子である旦那が健在であれば、不本意かもしれませんが旦那の相続分への上乗せを図る事で少しは納得できるかもしれませんが、仮に子供のいない夫婦で、老親に先だって旦那が逝ってしたらこの手も使えません。

 仮に他に相続人がいないのであれば「特別縁故者」という形で、相続人でなくても財産の継承は可能ですが、旦那に兄弟姉妹が一人でもいたら、この制度も使えなくなります。

 この問題を未然に防ぐのは、旦那とその親の気遣いしかありません。 こういう環境にある嫁さんは、遠慮なく旦那にプレッシャーをかけるべきでしょう! 後悔先に立たずですよ。

 
 

⑤二次相続


  例えば、父親が亡くなった場合、相続人の中に配偶者がいる場合は「一次相続」、配偶者がいない場合は「二次相続」と言うのが一般的です。 一次相続の場合、遺産総額にもよりますが、多くは配偶者が全て相続するケースが多いようです。 子供達も概ね納得するようです。

  ですが、遺された親もなくなった後に「二次相続」になると、これまで遠慮していた親もなく、仲裁役になる存在もなくなる訳で、一夜にして態度豹変し勝手な相続分の主張をぶつけ合うのです。 折り合いの悪い兄弟ならば言うまでもなく、中には折り合いの悪い配偶者同士の「代理戦争」を相続人同士が強いられるケースも出て来ます。

  

 ⑥知ったもの勝ちの遺産


  親と同居していた子供が親の死後、カードの暗証番号も金庫の鍵の在り処も知っている親名義の「貸金庫」に1人で訪問し、改めて金庫の中身をチェックしたところ予想外の「帯封付きの現金」「初めて見た貴金属類」を発見してしまい、他の兄弟に知らせることなく「拝借」。 後日相続人全員で貸金庫の解約と中身の確認を行い、相続財産に加えた場合、同居していた子供は「拝借した遺産」とは別に「確認された遺産」についても遺産分割協議で相続分を主張する。

 親とこの子供しか知らない事実であれば、闇から闇へ、となるでしょう。 

 全く下心無く、遠隔地の兄弟に早く伝えたいという気持ちから一人で金庫の中身を事前に確認した場合でもトラブルの火種になります。 「本当は何かあったのでは?」 「家にあったはずの宝石が見つからない、金庫にあったのでは?」等など痛くもない腹を探られまくりになるかもしれません。  

 私の経験上、時間がかかっても相続人全員が揃って金庫は開錠しましょう!


⑦相続人の居場所


  遺言を遺さないまま親が亡くなり、相続が発生した。 相続人は遺された子供4人だけ、全員実家を離れ独立した生活をしている場合、日帰りで集合できる距離ならばそうは問題にはなりません。 ですが、一人でも海外赴任中であったなら・・・

  何度も書いてきましたが、遺言書が無い場合は遺産分割協議を開き遺産分割協議を作成しなくては相続は出来ません。 この分割協議には「すべての相続人」の合意が必要不可欠です。

 さらに、本人の自筆の署名と押印が必要ですから、はるばるこちらから赴任先に出向いて署名押印してもらう。 はるばる赴任先から日本へ来てもらう。 郵便のやり取りで済ます。 時間と労力、費用は馬鹿になりません。

 他には商売に失敗して消息不明になっている兄弟がいる場合もあるでしょう。 折り合いの悪い兄弟で相手の消息に全く無関心、年賀状もここ何年もやり取りしていない場合も同じです。

 

 ⑧負の遺産の有無


  相続放棄に関する話題です。 原則は「相続発生を知ってから3か月以内」にその手続きをしなければ、相続は「単純相続」として確定します。 ですが、意図的に3か月後に債務返済を求めたり連帯保証人契約の件を持ち出す等の悪質な事例が目立ったため最近の判例では「債務の存在を知ってから3か月以内」と解釈されています。

 ですが、もう一つ注意点があります! 
 
「相続放棄が出来るのは債務がある事を知ってから3か月以内、かつ相続財産を承継する行為をしていない場合」

 つまり、相続発生後、すぐに不動産を売却したり、相続財産である預金を引き出していた場合には債務を知ってから3か月以内であっても単純相続したと見做され、放棄が出来なくなるのです!

 これこそ、被相続人である親の最大の責務だと私は思います。 誰しも家族に借金や連帯保証人になった事などは話したくないでしょう。 それが家族に相談もせずに独断でしていたら? 気持ちは判りますが、そのまま亡くなってしまったら遺された家族にとってはこれ以上ない「裏切り行為」と映っても仕方ない事です。

 最悪の場合、その借金返済がもとで兄弟間、夫婦間に修復不能な亀裂を生じさせることにもなる。

 以上挙げた「火種」「発火点」の原因の多くは被相続人である親の側にあります。 ですが、この件を気付かせる責任は相続人である子にもあるのです。 

 親にも貴方にも、さらには貴方の子供の代に争いの火種を残したくなければ、何時行動すべきなのか?

  (既に古いですけど)     今でしょ!?
 


 この件に関してのご相談やお問い合わせはこちらからどうぞ。
https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


  事務所の連絡先は 以下の通りです。

 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7階ハローオフィスC-3
  03-5157-5027(TEL) 平日は10:00~19:00
  03-5157-5012(FAX) 24時間対応
  
 また土日祝日は予約対応とさせて頂きます。 

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7F ハローオフィスC-3 [地図]
TEL:03-5157-5027

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
よくある質問

 質問) そちらの業務の対象かどうかもよく分からないのですが    相談してもいいでしょうか?     その場合、直接の電話、お問い合わせからの連絡等ある...

これまでのメディア掲載
アントレ2016秋号にて

 今度はリクルート社が発行する情報誌「アントレ」2016秋号の特集記事、「今こそ開業!脱。先送り人生」で、私の起業に至るまでのインタビュー記事が採り上げられるこ...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
遺言書と任意後見で第二の人生をサポートする行政書士

50代から直面する親子間の問題と、満足できる「第二の人生」をサポートする(1/3)

 新橋駅前の行政書士・寺田淳さんは、自身と同じ50代の男性に向けた相続・遺言問題と、充実した第二の人生を迎えるための再就職・転職・独立に関してのサポート・サービス業務に取り組んでいます。 最近、相続に関する個人向けセミナーを開催する機会...

寺田淳プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

50代男性の悩み(親問題・自身の将来)に強い行政書士です。

事務所名 : 寺田淳行政書士事務所
住所 : 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7F ハローオフィスC-3 [地図]
TEL : 03-5157-5027

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5157-5027

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

後見と相続について

  入院中の90才になる父に最近認知症の兆候が出始めたよ...

K・T
  • 60代以上/男性 
  • 参考になった数(0

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
特別縁故者に入所施設が認定されました。

 【今日のポイント】  新聞でも掲載されていた長年入所していた支援施設に身寄りのない入所者の遺産相続が認...

[ 最近の話題から ]

遺言では遅すぎること ~葬儀・墓・家

 【今日のポイント】  遺言に書かなくてはいけないことはいろいろありますが、遺言に遺しても意味がないも...

[ 終活~エンディングノート ]

マイナンバーで出来る事

 【今日のポイント】  2017年度の税制改正の内容が明らかになりました。その中で、確定申告の際の医療費控...

[ 最近の話題から ]

知っていますか? 固定資産税の仕組み

 【今日のポイント】  土地や建物を所有すればついて回るのが「固定資産税」です。今日は課税のポイント、...

[ 新橋事務所日記 ]

最近の相続トラブルについて

 【今日のポイント】 相続にまつわるトラブル、いろいろあります。法定相続分、遺留分、特別受益、寄与分な...

[ 終活~相続 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ