コラム

 公開日: 2014-10-14  最終更新日: 2015-03-31

相続についての基礎知識とは?

 心配された台風も夜中のうちに過ぎ去り、まさに台風一過の晴天の朝です。


 お元気ですか!?
「すべての人が生活の安定と向上の為に法律を身近に、
気軽に活用出来る社会の実現を目指す」
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今回は相続の基礎の基礎、相続人と、相続分。 
相続につきものの遺留分、特別受益、寄与分。
さらに相続放棄について、簡単に説明していきたいと思います。


法定相続人とは

 仮に貴方が亡くなった場合、貴方の配偶者や子供等の親族が相続人となります。 このように相続できる範囲は泯法の規定で定められており、これを「法定相続人」と言います。

 一般的な範囲で説明しますと、まず「配偶者」は常に相続人になります。 以下に述べるような「順位」とは別格の扱いになっています。 但し、「元配偶者」では何の相続権もありません。 離婚すれば全くの赤の他人となるのです。

  順位には通常の場合、第一から第三順位までがあり、子供は「第一順位」、親は「第二順位」です。
子供が既に亡くなっている場合で、孫がいれば孫が第一順位となります。 同様に父母が亡くなり祖父母が健在の場合、これも祖父母が第二順位になる訳です。 子供には養子、非嫡出子も含まれ、また胎児も含まれます。

  但し、非嫡出子の場合は最高裁の判例で相続分は嫡出子と同等とされましたが、あくまでも「認知された子供」である必要があります。 認知されていない非嫡出子では 相続権はありません。

 この第一順位は「直系卑属」と呼ばれ配偶者以外で最優先の相続人になります。
 第二順位は「直系尊属」と言い、第一順位の相続人がいない場合、次に優先される相続人です。

 残る第三順位は被相続人の「兄弟姉妹」です。 子供がいなく、孫もいない、さらに祖父母も父母も亡くなっている場合に限り、相続人になれます。 また兄弟姉妹が亡くなっていてその子供がいる場合には(被相続人の甥や姪)相続人となります。 

 理論上では直系卑属、尊属の場合は限界なく権利が引き継がれます。 例えば、子から孫~曾孫~玄孫等。
ですが、第三順位の兄弟姉妹はその子供である甥、姪までとなります。



法定相続分とは?

 では、法定相続人のそれぞれの遺産の取り分はどうなるのか? これも民法で定められています。
配偶者と法定相続人の順位に応じて決められています。これはご存知の方も多いでしょう。
 
 実際の家族構成で変動しますので一般的な例で説明します。 
配偶者と子供が2人の場合、第一順位の子供がいますから父母や被相続人の兄弟姉妹には相続権はありません。
この場合配偶者が遺産の1/2を、残り1/2を子供2人で相続します。 子供は1/4づつという事です。

 夫婦間に子供がいない場合、父母が健在ならば配偶者が2/3、父母が1/3の相続権を得ます。
同じく夫婦間に子供が無く、父母も亡くなっている場合、被相続人の兄弟姉妹に1/4(配偶者に3/4)の法定相続分が発生します。 最も相続で揉めるケースがこの「子供のいない夫婦」で「配偶者の実家と折り合いが悪い」関係で「遺言書を遺さないまま」配偶者が亡くなった場合です。

 ある種感情論だけで父母や兄弟姉妹が法定相続分を要求し、遺言が無いため、結果夫婦で営んでいた店舗兼住まいを売却して相続分を立て替えざるを得なかった悲劇は、決して少ないものではないのです。  


遺留分とは

〇遺留分とは、民法が相続人に保障する最低限の相続分を指します。

 上記では遺言が無かった事で配偶者が思わぬ苦境に立たされる事例を紹介しましたが、仮に遺言書があったとしても問題は発生します。 例えば遺言で兄弟のうち溺愛していた末っ子に全ての財産を相続させるとあったらどうでしょう?

 何の落ち度もない他の兄弟にとっては堪ったものではありませんね。 このような被相続人の「暴走」をある程度抑止する必要が出てきます。 この為民法では相続人の法定相続分につき、その1/2を「遺留分」として認めています。

 ですから、相続人が子供だけ3人の場合に末っ子に全ての財産を渡すとあっても、残る2人の子供には法定相続分の1/2は相続の権利があります。 法定相続ならば それぞれ1/3づつですからその1/2で1/6づつは2人の子供は遺留 分として請求が可能です。 

 ただ逆のパターンもあります。 どうしようもない不肖の子供で1円も財産を渡したくないと思っても、遺留分は「平等に」ありますから、法定相続の1/2までは渡さざるを得ないのです。 あちら立てればこちらが立たずとでもいいましょうか・・・


 特別受益とは

 
〇特別受益とは、生前に相続人が被相続人から特別に受けた金銭的利益を指します。

  例えば兄弟のうち1人だけに自宅購入資金として多額の資金援助をした、商売を始める際の開店資金の援助等を考慮しないと他の相続人との間に不公平が生じます。 兄弟間で納得、合意がとれていれば問題はないのですが、そうはいかないのが人間の性でしょうか。 このような特別な利益は遺産分割の際に「特別受益の持ち戻し」として相続財産に加算します。 当然遺産分割の際に生前に恩恵を受けていた相続人の相続分は減少しますが、遺産の先取りをここで調整したわけですから仕方ないですね。


寄与分とは

 〇 寄与分とは、被相続人の生前に特別な寄与をした相続人が寄与分に応じた相続分を得る権利の事です。

 先の特別受益の逆と言えますね。 判断基準としては被相続人の財産がその相続人の貢献によって維持拡大がどのくらい出来たのか?となります。 具体的には父親の事業を手伝い、会社発展に大きく貢献した。 病に倒れた父に代わり自分の職をなげうって家業を継いだ等が寄与分に該当するとされています。 遺産総額が1億円でそのうち1,000万円は長男の多大な貢献に拠るものと認められれば、相続財産は1,000万円を差し引いた9,000万円となります。

  但し、この寄与分が認められるのは「相続人だけ」です。

 ここでよく採り上げられるのが、長男の嫁の苦労には寄与分は無いという事です。 寝たきりの義理の親の面倒を長 年にわたって見ていても「寄与分」として相続は出来ません。 あくまでも嫁は「相続人ではない」からです。


相続放棄とは

 〇 相続放棄とは、文字通り「相続を放棄する権利」の事を指します。

 ここまで紹介してきた法定相続人が法定相続分を相続する、場合によっては遺留分を主張したり、寄与分を主張したり、特別受益の嫌疑を晴らそうと相続人の間で丁々発止のやり取りという前提から逸脱した権利ですね。

 ですが財産とは現金、預預金や不動産や貴金属等の価値のあるものだけではないのです。 借金や連帯保証人等のマイナスの財産も有ります。相続にはプラスもマイナスも含めて引き継ぐという性格があります。

 ごく稀に、金銭や財産に無頓着な人物がいて、親は親、自分は自分とマイナス財産の有無も確認せずに相続放棄をするケースもありますが、大半の場合は財産調査の結果、親の多額の借金が発覚したとか、巨額な債務の連帯保証人の契約を知らされた場合等にこの権利を行使します。

 当初は「相続発生後3か月以内に」 相続するか、相続放棄するかの意思を表示する必要があるとされ、何の手続きもしない場合は相続が確定されました。 この為、親の死後3ヶ月を過ぎてから借金の返済を求めにくるような「金融業者」によって子供たちの家庭が崩壊させられた等が社会問題とされ、現時点では「借金等の負債の存在に気づいてから3か月以内」という判断に変わりつつあります。  いずれにせよ、親の責任としてせめて借金の有無だけは子供たちには公表しておきませんと大変な事態を招く事になるのです。

 相続放棄をするという事は、マイナスの財産だけでなくプラスの財産も含めて一切の財産の相続を相続する権利を失います。 

 これに対して、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する「限定承認」という選択肢もあります。
これはいったん被相続人の財産をプラスマイナス共に相続し、プラスの財産の範囲内でマイナス財産を弁済します。 その結果マイナス財産がプラス財産を超過した場合でもその超過分については責任を負わないというものです。

 これも相続放棄と同じく相続発生後3か月以内に手続きが必要で、加えて相続人全員の合意が必要になります。




 では次回は 遺産分割に関する話題、「遺産分割協議とは」「遺産分割の方法」「協議が不調の場合は」について紹介していく予定です。


 この件に関してのご相談やお問い合わせはこちらからどうぞ。
https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


  事務所の連絡先は 以下の通りです。

 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7階ハローオフィスC-3
  03-5157-5027(TEL) 平日は10:00~19:00
  03-5157-5012(FAX) 24時間対応
  
 また土日祝日は予約対応とさせて頂きます。 

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7F ハローオフィスC-3 [地図]
TEL:03-5157-5027

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
よくある質問

 質問) そちらの業務の対象かどうかもよく分からないのですが    相談してもいいでしょうか?     その場合、直接の電話、お問い合わせからの連絡等ある...

これまでのメディア掲載
アントレ2016秋号にて

 今度はリクルート社が発行する情報誌「アントレ」2016秋号の特集記事、「今こそ開業!脱。先送り人生」で、私の起業に至るまでのインタビュー記事が採り上げられるこ...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
遺言書と任意後見で第二の人生をサポートする行政書士

50代から直面する親子間の問題と、満足できる「第二の人生」をサポートする(1/3)

 新橋駅前の行政書士・寺田淳さんは、自身と同じ50代の男性に向けた相続・遺言問題と、充実した第二の人生を迎えるための再就職・転職・独立に関してのサポート・サービス業務に取り組んでいます。 最近、相続に関する個人向けセミナーを開催する機会...

寺田淳プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

50代男性の悩み(親問題・自身の将来)に強い行政書士です。

事務所名 : 寺田淳行政書士事務所
住所 : 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7F ハローオフィスC-3 [地図]
TEL : 03-5157-5027

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5157-5027

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

後見と相続について

  入院中の90才になる父に最近認知症の兆候が出始めたよ...

K・T
  • 60代以上/男性 
  • 参考になった数(0

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
遺言では遅すぎること ~葬儀・墓・家

 【今日のポイント】  遺言に書かなくてはいけないことはいろいろありますが、遺言に遺しても意味がないも...

[ 終活~エンディングノート ]

マイナンバーで出来る事

 【今日のポイント】  2017年度の税制改正の内容が明らかになりました。その中で、確定申告の際の医療費控...

[ 最近の話題から ]

知っていますか? 固定資産税の仕組み

 【今日のポイント】  土地や建物を所有すればついて回るのが「固定資産税」です。今日は課税のポイント、...

[ 新橋事務所日記 ]

最近の相続トラブルについて

 【今日のポイント】 相続にまつわるトラブル、いろいろあります。法定相続分、遺留分、特別受益、寄与分な...

[ 終活~相続 ]

起業の時の身近な資金手当て

 【今日のポイント】  いざ起業・開業! 計画は吟味した、満足のいく内容に仕上げた! 残すは資金の手当...

[ 起業・転職・再就職 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ