コラム

 公開日: 2014-08-12  最終更新日: 2015-03-31

遺言の書き方ひとつで変わる相続2  ~寄与分について

 お盆真っ最中の今週ですが、貴方は今帰省先でしょうか?
それとも家族で旅行でしょうか? 私は今日も事務所です・・・


 こんにちは!
生活に密着した法律相談と第二の人生支援に邁進している
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今日のテーマは前回に引き続き、遺言の書き方で変わる相続についてです。

寄与分 ~平等の為の公平な相続とは?


 子供が2人以上いる場合、皆平等に可愛いと思うのが親心なのでしょうが、親の心子知らずで親への接し方にはかなりの温度差がある場合、親としては悩みます。
 仮に一人住まいの自分のところによく顔を出してくれ、面倒を見てくれる子と、忘れた頃にやってきて目的はお金の無心ばかりという子、後者には相続させたくない!までは行かないにしても、自分に良くしてくれた子には「特別な」相続をさせてあげたいと思っても仕方ないことでしょう。

 その反面、出来の悪い子ほどかわいい? という想いで相続に差をつけるのは忍びない。でもそうなるとよくしてくれた子の方に不満が残るのでは? あっちを立てればこっちが立たずですね。

 自分の遺した遺言で兄弟喧嘩を招いては死んでも死に切れない、でも介護してくれた子には報いてあげたい。不毛な押し問答を繰り返しているうちに「その時を迎えた」という事態となれば、結果は最悪です。

 何度も書きましたが、遺言が無ければ「法定相続」に基づいた「遺産分割協議」で相続を完了させなくてはいけません。が、親に対しての温度差はこの時に「爆発」するのが一般的です。

 ~俺は長男なんだから、法定相続分は貰って当たり前!
 ~実家に残って面倒見てたんだ!長男次男関係なし!相当のプラスαは当然の要求!

 ~親の面倒を口実に預金を自由に引出していたろう!何に使ったか明細を見せろ!
 ~もしかしたら親に寄与分を書けと強制したんだろう!

 など等、ここまで来るともはや修復は不可能に近いです。典型的な泥仕合ですね。

 確かに、同居している事を口実に「恩恵を過分に」享受するケースもありますし、親が仮に認知症等になっていた場合はほぼ自由に、無制限に親の口座を「活用する」という話も聞きます。

 まじめに親の介護や世話にかかった分だけを口座から引き出していたとしても、別居している他の兄弟から見れば「証拠不十分なグレーゾーン」としか見てくれません。この様な事態を回避するには、事前に兄弟間で協議の上、親の口座から一定額を介護専用の口座を新設し,移動させておく事です。

 この口座の通帳の入出金の履歴を見れば引き出した日付と金額は一目瞭然で、そこに領収証等の証憑を添付しておけば、とやかく言われる隙を与えません。

 蛇足ですが、親が認知症になり、同居の子供が成年後見人になっていた場合は特にお金の出し入れには慎重を期すことです。親族の間での盗みや横領等は「親族相盗例」と言う規定が刑法に定められており、被害に遭った本人からの訴えが無ければ罪に問えないのです。

 ですが、最高裁の判例で成年後見人になっている子の場合はこれを適用せずとなり、実際に認知症の親の財産を無断で使って有罪判決が出ています。後見人としての月額報酬等を貰ってないのだから考慮してという釈明も通りません。あくまでも「業務上横領」とされるのです。

・親の夕食におかずを買った「ついでに」自分の分も買ってしまう。
・親の病院への送迎用のマイカーが古くなったので、新車のワンボックスに買替えた。
・病院に行く際に、見栄えのいい格好でなくてはとスーツを新調した。

 最初は小額でも、ついつい、このくらいまでなら、これだって介護の枠内だとどんどん自分勝手な判断が膨らみます。 親の財産はあくまでも親のモノという単純な理屈を忘れないようにしましょう!

 子供たちにこの様な修羅場を招かない為には、貴方が心を決めるしかないのです。
勇気を持って遺言書に面倒を見てくれた子供の貢献度を明記して寄与分を書く事です。
寄与分には法定相続のような「強制力」はありませんが、何といっても「親の最期の願い」なのです。これを邪険にするまでの「不肖の子供」はさすがにそうはいないでしょう(ゼロとは言いません)

 よく混同されがちなのが「平等と公平」です。
親の心情的には子供間に差をつけたくないと思うでしょうが、それを優先するという事は遺産の相続に公平さを欠くことになるのです。あえて不平等にすることが、公平な遺産の分割になる事を理解して下さい。

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