コラム

 公開日: 2014-08-09  最終更新日: 2015-03-31

相続対策あるある ~よくある失敗例とは?

 


 こんにちは!
生活に密着した法律相談と第二の人生支援に邁進している
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今回は相続対策にまつわる「あるある失敗例」を紹介してみました。
軽い口調で書きましたが、内容はよく覚えておいてほしいものです。



死亡届提出


 死亡届は7日以内に当該の市区町村に届け出る事が義務付けられています。
この死亡情報は時を置かずに「国税庁」に届きます。
相続税の申告と納付期限は相続の発生から10ヶ月以内といいますが、この様に先方は相続発生直後にその事実を掴んでいるのです。税務署には死亡届を出していないからと言って納付期限は誤魔化せません。

 下手な小細工は延滞税、無申告加算税等の「ペナルティ」となって「倍返し」されます!

 また蛇足ですが、税務調査は相続が終了して2~3年後に行われることが多いようです。
死亡情報を得てから故人の資産状況や納税履歴等をくまなく調べて、準備万端で貴方の家を訪問するのです。死亡届を提出した時、イコール相続対策の始まりです!


 

名義預金


 想定は比較的裕福な親の家庭と子供が小さくいっぱいいっぱいの生活をしている息子夫婦の場合です。

「当面使わない金だから、お前の名前で通帳を作ったよ。 まあ、いずれ相続するのだから時間の問題だ、気にしないで使っておくれ。 孫の入学祝とでもしておくか。」と、親からの「プレゼント」

 または「このまま私の名義の通帳では相続の時に相続税の対象にある、息子に話すと無駄遣いするかもしれん。息子には黙って息子名義で通帳を用意してやろう。ハンコもこちらで用意すればばれる事もないから安心だ。」

 親とはいつの時代もありがたいものです。
ですが、良かれと思ってした事が結果的には過少申告と判断されては元も子もありません。

 口座開設が父親であり、通帳も印鑑も父親が所持していたら、実質的な管理・運用は父親が行っていたと見做され、それは「父親固有の財産」となります。 相続税の対象財産になる訳です。

 生前贈与の一環だったとしても親子間でも「贈与契約書」に代表される「贈った側の証拠」「貰った側の証拠」が揃っていませんと証拠不十分で やはり相続財産と判断されます。

 親だけの考えであればまだしも、悪質な親子の共謀と見做されたら最悪重加算税などのペナルティを課せられます。


 

金の現物(金地金)でも…


 預貯金は引き出しても振込みや送金をしても「記録」が残ります。
 株券も今はペーパーレスで譲渡しても売却しても「記録」が残ります。

 名義があるものすべて名義が変われば記録になる、であれば名義のないものであれば売買しても見つからない!? そんなものがあるでしょうか?

 金(金地金)は確かに名義はありません。 親から子へ、こっそり渡せば税務署にはバレません。

   ですが、そこまでです。

 金を貰っても最終的には「売る」訳ですからその時点で露見するのです。
例えば200万円を超えた買い取り(売却)となった場合は買取業者が「支払調書」というものを税務署に提出します。 売却者の本人確認の書類等も提出するので、この時点で貴方が金を売却した事実は税務署に筒抜けとなります。当然「どこで手に入れたんですか?」と税務署は考えますね。

 また少額で売却した場合でも金地金の場合は製造業者の商標や製造番号等のデータが必ず刻印されています。結局この連番から金の保有や売却の事実が発覚、税務署からのお尋ねが来ることになります。

 このケースも悪意ありと見做されれば無申告加算や過少申告加算といったペナルティの対象になります。


 

当面の生活費の確保


 名義人が死亡と判明すれば金融機関は即座に口座を凍結、相続人と言えども1円たりとも引き出しが出来なくなります。そこで、遺される家族の為にと夫婦間でこんなやり取りが・・・

「1か月分の生活費や葬儀代分くらい別に用意しておかないと君と息子が困るなあ。」
「だったらタンス預金にしておくか?」
「いやいや下手に同居しているドラ息子に見つかったら即ネコババだな、リスクが大きい。」

「だったら、君の名義の口座に移しておこう。いつもの生活費用の君の口座なら新設する訳でもないからバレたりはしないよ。」
「そうだ!ついでに少し相続税軽減の為に余分な金額も一緒に移しておこう。」
「かといって、振込みだと記録に残るから、いったん引き出してくるから、後で君が入金してくれ。」
「なに、引き出した分は競馬・競艇でスッったとでもすれば証拠も残らないから。」

 名義人死亡による口座凍結を解除するには相続の完了を証明する書類と所定の手続きを踏まなければいけません。少しでも手間取ると解除までに半年以上かかったというケースもあるのです。

 不謹慎な話になりますが、ある程度長患いで「その為の用意」をする猶予があれば別でしょうが、不慮の事故や急病等であっという間に亡くなった場合等、遺された家族が葬儀費用の工面どころか明日からの生活費の捻出に苦労するケースは少なくありません。 

 ですが、上記のような手立て、うまく行くでしょうか?

 この場合夫(名義人)が相当以前から密かに小額づつ引き出しを繰り返し、直接妻が入金していればまだしも、死亡直前に急に引き出しが始まり、それが頻繁な回数だったり、回数は少ないものの引き出し額が相当額だった場合にはまず目を付けられます。

 生前贈与の場合でも死の3年前まで遡って「相続財産」と見做すことになりますからお金の出し入れは徹底的にマークされます。

 不自然な履歴が発覚すれば、当然相続人である妻の口座にも調査の手は及びます。

 妻が結婚以来専業主婦であれば「専業主婦である貴方がどうやってこんな額を(または、こんなに長期間一定の金額を)貯金できたのですか?」等と尋ねられます。

 共稼ぎの場合でも「では毎年の貴方の収入を証明するものを見せて下さい。」「入出金の履歴は?」と追及は止みません。

  あまりに言い訳を繰り返せば悪意ある税金逃れと判断され兼ねません!

 姑息な手段を考える時間があったならば、完璧な内容の遺言を用意しておくとか、早めに生前贈与を済ませておく、生命保険の活用を考える等の正当な手立てでの相続対策を考えていきましょう。

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

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