コラム

 公開日: 2014-07-30  最終更新日: 2015-03-31

遺産分割協議について(後編)

 
  全国的に梅雨明けですね!
いよいよ夏本番ですが、未だ夏休みの目途が立ちません!

  お元気ですか!
生活に密着した法律相談と第二の人生支援に邁進している
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。

 
 遺産分割協議の後編では、合意成立後の手続きを中心に紹介していきたいと思います。


協議でまとまらない時の分割


 いきなり協議不調の話で恐縮ですが、相続人同士での話し合いでまとまらない場合は即裁判で泥仕合、ではなくて家裁に対し「遺産分割調停」もしくは「審判手続き」の申立が出来ます。

 これは調停委員や家事審判官を交えた協議を行い、解決を図るものでまずは調停から始められます。この調停でも不調に終わった場合に審判手続きに移行し家裁の審判官によって各相続人の相続分を侵さないような遺産分割の決定が下されます。 

 ここまで来ると、さすがに素人だけでの対応は難しく、弁護士を依頼する事になります。


分割の方法


 最終的に合意が成立し分割が出来た場合、次に考える事は遺産の分割の方法です。

1)現物分割
  広範な土地を兄弟で均等に分けて(分筆して)相続する。
  兄には実家を、弟には別荘を、妹には株式を、等の様に分類できる遺産を分配する。

  等の様に、シンプルかつ一般的な方法で、円滑な分割の多くはこのパターンです。
  ですが、なかなかこの様な理想的なケースにはお目にかかれません・・・

2)代償分割
  財産が現在居住し商売をしている土地と家屋しかない場合等で使われます。
  例えば家業を継いだ長男が全てを相続し、弟妹には相続分相当額の金銭を支払う。
  これによって、財産の現物は存続出来、兄弟間にも亀裂が生じる事は少ない方法です。

  これも実際は長男にその様な金銭財産があるケースは皆無に近いのが実態です。

3)換価分割
  上記と似た状況の時に使われる方法です。
  この場合は、不動産を売却し、金銭の形にしてから相続人で分配する方式です。
  一応は相続分に応じての分配なので不公平感はないはずですが課題は残ります。
  売却価格の問題や時間、手間に加えて各種発生する費用負担等が課題になります。

4)共有分割
  例えば自宅や現状使い道のない土地等を兄弟複数名で持ち分を決めて共有する。
  一見すると現物財産を残せる、ある意味公平な分割になる等、メリットを感じます。
  ですが、私はこれは最も避けるべき分割と考えます。

  例えば、共有相続人の一人が金銭の必要に迫られ自分の持ち分だけを売却する場合、
  そもそも一部の土地だけを購入したいという需要が少ない。
  当然他の相続人に知られる事になるのでそこで紛争発展の危険が伴う。

  また現時点の相続人間には揉め事が無く、人間関係も良好であっても、次代、次次代もそうである保証はありません。孫の代になれば会った事すらないという関係は珍しくありません。 そうなった場合に、いざこの土地を売却して云々となっても他人同然の家庭の為に協力するかと言うと非常に難しいとしか言えません。 この方法は、単なる「問題の先送り」となる恐れを内包するやり方であるという認識は持っておいて下さい。


 さて最後になりますが、最終的に遺産分割協議が合意に達した場合協議書の作成に入ります。

 これでなければという、決まった様式はありませんが、以下の点を注意して作成します。


① 誰が、何を、相続(取得)するのかを明記します。
② 不動産は必ず「不動産登記簿」の表題部の通りに記載します。
③ 未登記の建物等は「固定資産評価証明書」に基づき記載し、誰に渡るのかを明記します。
④ 自動車については「登録番号・車名・型式・車台番号」を明記します。
⑤ 預貯金は「金融機関名・支店名・預貯金の種類・口座番号」を明記します。
⑥ 将来新たな相続財産が発見された場合の対処法(誰にどう分配するか)を想定しておきます。
⑦ 印鑑証明書に記載されいる「住所表示」をそのまま記載します。
⑧ 署名・捺印を徹底します。(記名では疑義を生じる恐れがあります)

 この他、金融機関によってはこの遺産分割協議書以外に自社専用の様式の「払戻請求書」での手続きを追加で求められる場合があるので、事前に調べておき協議書作成時に当該書類への署名捺印等を済ませます。


 協議の流れ自体は概ね、次の様になっていきます。

1)遺産分割会議の前に司会進行を誰がするかを相続人全員で決めます。
2)司会役は相続関係説明図、相続財産目録、遺産分割協議書案、の説明を行います。
3)遺産分割協議書に署名、捺印。同時に各人の印鑑証明書の確認を行う。
4)遺産分割協議書以外に必要になった各書類へ同様に署名、捺印を行う。


これで、相続人全員合意の上での「遺産分割協議書」が完成となりました。

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

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