コラム

 公開日: 2014-07-28  最終更新日: 2015-03-31

遺産分割協議について(前編)

 週明けはやや湿度が低いせいか、暑いながらサラリとした感じの朝でした。
 

 お元気ですか!
生活に密着した法律相談と第二の人生支援に邁進している
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今回は、いよいよ遺産分割協議と遺産分割協議書についての紹介となります。

 遺言を遺さないままに亡くなった場合の遺産相続の難しさは、先週のコラムに書いたように歴史上の人物でも例外ではありませんでした。

 遺言が無かった場合、この遺産分割協議が成立しないうちは対象の相続財産は法定相続人全員の共有の財産として扱われます。 また正式な書式に則った遺言書があった場合でも、内容が極端に偏ったものであった場合には「相続人全員の合意」があれば、遺言の効力を打ち消すことが出来るのです。

 ただ、この「全員の合意」が曲者です。 消息不明、生死不明の法定相続人が一人でもいた場合、その人物の消息、または生死の確認をしなければ協議自体が「不成立」になってしまいます。

 さらには、分割方法や相続財産の選別など、「現実的な理由」で八方丸く収まる合意になる事も、かなり狭き門だそうです。

 
 まずは、なぜ遺産分割協議書を作成しなくてはいけないかの理由について紹介します。


遺産分割協議書の主な作成理由


1)相続税の申告に必要である。
2)預貯金の払い戻しの為、不動産等の名義変更の為に必要である。
3)登記手続きの登記原因証明として必要である。
4)後々発生するかもしれない相続人間の紛争の防止の為に必要である。

 主な理由は上記に絞り込みが出来ますが、これだけでいかに重要なものかは理解出来た事と思います。


 ここで、分割協議を進めるにあたって関連してくる専門家とその業務内容についても紹介しておきます。

① 肝心要の遺産分割協議書を作成する⇒私の様な「行政書士」が行います。
② 遺産分割協議に伴って裁判所に提出する書類関係の作成⇒「司法書士」が行います。
③ 不動産売却を伴う場合⇒「宅建業者」が行います。
④ 話合いで協議書の作成が出来ない(合意が得られない)場合⇒「弁護士」の仕事です。

 この他、法定相続人の中から協議の進行役【代表者)を選定し、代表になった相続人は他の法定相続人への各種連絡や日程調整等の業務を担うことになります。


 

遺産分割協議のタイムリミット?


 遺産分割協議自体には「いつまでに完了させる事」等の期限はありません。
とはいえ、相続税の申告と納付の期限は相続発生から10ヶ月以内です。

 ですから時系列で見ていくと、相続財産の内容を精査し、場合によって相続放棄をする期限である3か月以内を過ぎて、相続税納付の期限である10ヶ月以内の間というのが、一般的なタイムリミットとなります。


 

協議の前の注意事項


 遺産分割協議に入る前に注意すべき主な事項は以下の4点です。

1:相続財産の調査の結果、債務の方が多かった場合。

  ~借金もれっきとした相続財産です。 
   原則は相続発生から3か月以内に家裁に申告しなくてはいけません。
   ただ事例として、借金等の存在を知ってから3か月以内と言う判例もあります。

2:行方不明・生死不明の法定相続人がいた場合。

  ~生死不明の状態が7年以上経過していれば失踪宣告の申立で対応します。
   最終的に家裁での公示、官報での公告を経て6か月経過後に失踪が確定します。
  ~連絡が取れない相続人がいる場合等には「不在者財産管理人」を選任します。
   家裁に申立をして選任された不在者財産管理人が遺産分割協議を成立させます。

3:相続人の中に重度の認知症や事故等による判断能力に欠ける、
  意思の発揮が出来ない者がいる場合。

  ~既に成年後見人を選定していれば成年後見人が遺産分割協議に参加します。
   相続発生後にこの事態になった場合は家裁に成年後見人選定を申し立てます。
   保佐人選任の場合は保佐人の同意を得て遺産分割が可能になります。   

4:相続人の中で親権者と未成年者のように利益相反関係となる場合。

  ~夫(父)が亡くなり妻(母)と成人の子と未成年の子が法定相続人の場合、
   未成年の子と母親とは利益相反の関係にあるとされます。
   未成年の子の権利を守る為に「特別代理人」選任を家裁に申立てます。

   相続人の間で成年後見人と成年被後見人の関係の場合でも同様です。
   親が前者で子が後者の場合や、兄弟間でこの関係の場合等があります。
   この場合も同様に特別代理人の選任の申立をします。


 次回は実際の分割協議に入った場合の注意点、遺産分割協議書作成時の注意点等
について紹介していきたいと思います。

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7F ハローオフィスC-3 [地図]
TEL:03-5157-5027

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