コラム

 公開日: 2014-02-21  最終更新日: 2015-03-31

父母・祖父母から生活費や教育費の贈与を受けた場合のQ&A

 
 ようやく雪の心配のない週末になりそうです。
今度こそ車検を終えた愛車でドライブが出来そうですが
周辺部はまだ油断できない残雪状況ですし、都心をのんびりと走ろうかと思っていたら
日曜日は東京マラソンでした!

 当分ドライブはお預けです・・・


 お元気ですか?
生活に密着した法律相談と第二の人生支援に邁進している
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今日は昨日に引き続いて贈与にならない贈与?の具体例の紹介になります。
正確には贈与税の対象にならない贈与ですが。

 以下、昨年12月に国税庁のHPに掲載された資料について紹介していきます。

父母・祖父母からの生活費、教育費の贈与について


 父母や祖父母から生活費や教育費の援助として財産を受け取った場合ですが
・「扶養義務者相互間」において
・「通常必要と認められる」範囲であれば、
  これは贈与税課税対象外になります。

 扶養義務者とは、
・配偶者(相続税法第一条の二の一より)
・直系の血族及び兄弟姉妹(民法第八七七条より)
・家裁の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族(民法第八七七条の二より)
・三親等内の親族で生計を一にする者(相続法基本通達第1条の2-1より)
  と、規定されています。

 念のために書いておきますと
一親等は 自分から見て「父母」「子供」「配偶者」です。 
二親等は 同じく「祖父母」「兄弟姉妹」「孫」です。
三親等は 同じく「曾祖父母」「曾孫」「伯父伯母」「叔父叔母」「甥・姪」です。

 扶養義務者の範囲は、意外に広いのです。

 また一般的には親が子を養うと考えられがちですが、規定にあるように直系血族間には
相互扶養義務があるのですから子が親を扶養する場合も、これに該当する事になります。


 続いて、生活費とは「その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用(教育費除く)
とされています。ここには治療費や養育費等を含みます。
 但し保険金や損害賠償金によって補填される部分の金額は除きます。
 (相続税法基本通達21条の3-3)

 教育費は「被扶養者の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等。」で
義務教育費に限られないとなっています。(相続税法基本通達21条の3-4)
義務教育に限られない=高校大学、塾なども対象になるという意味です。

 また教育上必要と認められるの解釈ですが、
例えば医者の息子や娘が同じ道を歩むとなれば世間一般から見れば相当額の教育費が
かかりますが、医者になる為には必要な範囲となればこれも非課税の対象になるのです。



通常必要と認められるもの、とはどのような財産か?


 非常に漠然とした記述ですが、
「贈与を受けた者の需要と」
「贈与をした者の資力その他一切の事情を勘案して」
「社会通念上適当と認められる範囲」 の財産となっています。
 (相続税法基本通達21条の3-6)

 確かに一刀両断、明快な線引きをする方が難しい内容ではあります。
前にも書いたように、この基準に該当か否かは税務署の判断一つです。



数年分の生活費や教育費を一括して贈与したら?


 相続税法基本通達21条の3-5に
「生活費又は教育費は必要な都度直接これらの用に充てるために贈与を受けた財産(略)」
とあります。
 
 ですから数年分の生活費として受け取ったうち一定の額を預貯金に回した場合や
株式購入や家屋の購入費用に充てた場合は当然生活費や教育費とは認められません。
贈与税の課税対象となります。

 

婚姻に当たって親から子供に金品の贈与をした場合

親が子供の結婚式や披露宴の費用を負担した場合

子供が出産に関する諸費用を親から費用を贈与されたら


 内容的には類似しているので一括しました。
相続税法基本通達21条の3-9では
「個人から受ける香典(略)祝物又は見舞い等の為の金品で」
「法律上贈与に該当するものであっても」
「社交上の必要によるもので、」
「贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるもの」

 については非課税とするという主旨が書かれています。

 例を挙げれば、
新生活に必要な家電製品や家具、食器類、寝具等の現物を買い与えた場合、
またはそれらの購入費用として金銭を渡した場合です。

 ただ、先にも書いたように、預貯金に回してしまうとその部分は贈与と見なされ
課税対象になります。

 では家電製品で言えば超大型のテレビや冷蔵庫でもいいのか?
 最高級のイタリア製家具類や高級羽毛布団を買い揃えてもいいのか?、
 全ての食器類をロイヤルコペンハーゲンで統一してもいいいのか?

 社会通念上の解釈によっては、微妙な位置づけではないでしょうか?

 

 同様に結婚式や披露宴にかかる費用についても、本来費用を負担すべき者それぞれが
その費用を分担している場合ならば、贈与とは見做されません。

 ここも同様に地方によって、慣習によって式や披露宴の内容や招待客が異なります。
これも一つの基準では判断出来ないものとなりますね。


 最後の出産に関しては、検査代、検診代、分娩や入院費、
出産後の乳児への寝具やベビー服等が贈与税非課税となりますが
上記の2項目の解釈と重複するので解説は省かせて頂きます。



贈与にならない教育費とはどのようなもの?


 子や孫の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費。通学の為の交通費、
学級費、修学旅行参加費等が該当します。
これは義務教育に係る費用に限られてはいません。
高校、高専、大学、専門学校や予備校、通信制等も対象となります。

 ただ、学校によってはいろいろな名目で寄付金を募る場合がありますが
これは教育上必要とは認められていません、ここは厳密に線引きされています。

 では、金額について規定はないのでしょうか?
例えば私大医学部の学資と公立の文化系のそれとではかなりの差があります。
規定はありません、必要な学資であるならば金額の多寡は関係ありません。


 また見事難関校に合格した!等の場合の御祝い金や記念品についても
贈与者と受贈者との関係や社会通念上相当と認められれば贈与税の対象外になります。

 ですが、これも幼稚園に入学した場合と有名医大に合格した場合では
年齢も違いますし、当然お祝い品は天と地の差になります。

 大学生ともなれば、腕時計、革靴、スーツ・・・ ある程度は必要でしょう。
だからと言って未成年にロレックスの時計を贈るのまで非課税の対象かと言われると
大いに疑問ですね。スーツもしても入学式にアルマーニは絶対必要なわけはないのです。

 


子供が居住する賃貸住宅の家賃を親が負担したら?


 結論から言いますと、
子が自らの資力によって居住する賃貸住宅の家賃等を負担し得ない等の事情を勘案し
社会通念上適当と認められる範囲の家賃等を親が負担している場合は
贈与税の課税対象にはなりません。

 会社勤めをしていて今までは自前で家賃を払っていたが
退社した、独立を図り、収入源の為、家賃負担が厳しくなった。

 都心の会社に就職し、ついでに通勤に便利だからと都心のマンションを借りたが
もとより新入社員が払える家賃のはずもなく、最初から親の援助を当てにしていた。

 個人的見解では、後者のケースは課税が当然と思いますが、ここも規定はありません。
あくまでも、贈与者と受贈者の関係と社会通念上からの判断としか言えません。
 (相続税法第二十一条の三の二、相続税法基本通達第21条の3-3、3-6より)



 いかがでしたか?
案外広い範囲で贈与税の課税対象ににならない贈与があると思いませんか?

 ですが個々の事情はさまざまです、前にも書きましたが勝手な解釈は大火傷の元です。
疑問に思ったら、一度税務署に相談してみて下さい。
具体的な事例での問い合わせでしたら、ある程度の指針は示してくれるはずです。


 最後に今回参照にした国税庁HPへのリンクです。
 生活費・教育費の贈与を受けた場合のQ&A]]



 以上、簡単に事例を紹介しましたが
より詳しい内容をお聞きになりたい場合は以下のお問い合わせサイトへお願いします。
 https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/

 事務所の連絡先は 以下の通りです。

 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7階ハローオフィスC-3
  03-5157-5027(TEL) 平日は10:00~19:00
  03-5157-5012(FAX) 24時間対応   

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