コラム

 公開日: 2014-01-10  最終更新日: 2015-03-31

遺言の持つ意味 ~お世話になった息子の嫁に報いたい

 寒い!今季最強の寒波だそうですね。
おまけに強風、3連休の天気が気になります。

 お元気ですか?
生活に密着した法律相談と第二の人生支援に邁進している
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 遺言関係の記事を続けます。
遺言の持つ効力の具体例として今回は「苦労をかけた嫁に報いたい」
という場合を採り上げてみましょう。

 今回はいつもの50代の世代に対するのではなく
被相続人の立場からの記事になります。

 皆さんご存知のように、夫側の相続に関しては、
嫁は相続人ではありませんね。
この逆も同様で嫁側の相続に夫は無関係な立場なのです。

 ですが、嫁の立場の場合、義理の両親の面倒を見るという点で
簡単に割り切れない部分が出てきます。

 法定相続人ではありませんから遺産分割協議の場合でも
寄与分の請求も出来ません。

 ですが一般的に自宅で義理の「老親」の世話を見たり、
介護にまで及んだ場合の面倒を見ていた場合にはどうでしょうか?

 正直な話、嫁側としても「形ある感謝」を期待する事は
ごく自然な感情です。
 また両親側もそれまでの嫁の労苦に少しでも報いたいと思うなら
何とかしてやりたいと思う事でしょう。

 ですがその為には、遺言書にその旨を書いておかねばいけません。

 一人息子の嫁であれば、結果的には全て相続となりますが
夫に姉や妹がいて、嫁と疎遠な関係だった場合等、遺言が無ければ
嫁への寄与分を簡単には認めないのも事実だからです。

 
 嫁への遺産の受け渡しには主に3通りの手段があります。

1)遺言を書く。 

 遺言書の中で嫁に対しての「遺贈」を明記しておきます。
 より強く訴えたいならば「付言事項」として明記することです。

2)嫁を養子にする。 

  こうすれば嫁も晴れて正規の「法定相続人」になります。
  尤も、夫の兄弟姉妹が納得するという前提ですが・・・

3)生命保険を活用する。 

  嫁を受取人にした保険に加入しておく。
  以前にも紹介したように、生命保険の受取金は
  相続財産には含まれません。
  形を変えた財産の受け渡しとなります。

 またこの3項目は被相続人の側の決断で実行可能な選択肢なのです。

 もし不幸にも被相続人の貴方が遺言書の作成前に、
または上記の手立てを事項する前に亡くなってしまったら?

 この場合は遺産分割協議で「寄与分」を主張するしかありません。

 ですが、家裁の事例では「要介護2以上、1年以上自宅で自ら介護した。」
という証拠がないと寄与分はほぼ認められていません。

 病院に毎日見舞いに行ったとか、通院に付き添った等では論外です。

 いやらしいと取られるかもしれませんが、嫁側としては
介護の記録(日記など)や介護にかかった費用の記録(領収書等)を
こまめに保管しておくことも必要になってきます。

 また介護している被相続人の家に同居していて、
家賃などを払っていなければそれは利益を享受してきたとみなされ、
寄与分から差し引かれます。

 最も大きな障害は、義理の兄弟姉妹との関係でしょう。
残念ながら毎日世話してくれる嫁よりも
たまに顔を出す実の子供のささやかな気遣いに親は感激してしまうのです。

 生前に義理の姉妹が親に遺言で寄与分は書かないでと言い含めていたら・・・
開けてびっくり!という遺言書も少なくないようです。

 日頃の世話を全く評価もされず、感謝もされないままに
義理の親の死を迎えると、これまでの不満が一気に噴き出して
夫婦間の中までが険悪になったケースはごまんとあります。

 もし貴方が息子の嫁に感謝しているのでしたら、
少なくとも上記の3項目について考えてあげるべきです。
貴方の躊躇が、息子夫婦や兄弟姉妹間に修復不能な亀裂を生じさせるのですよ。

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

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