コラム

 公開日: 2013-12-27  最終更新日: 2015-03-31

アブナイ相続財産 番外編(相続で破産?)

 
 クリスマスも終わり、街もいよいよ正月モードに切り替わりましたね。

 お元気ですか?
生活に密着した法律相談と第二の人生支援に邁進している
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。

 
  
 アブナイ相続財産で下書きの原稿が1枚、資料に紛れていました。
1つのテーマを残して年を越すのも中途半端なので年内に紹介しておきます。


 以前にも紹介しました「負の相続財産と相続放棄」の問題です。

 相続財産にはプラスの遺産に加えて借金や連帯保証人と言う負の財産が有ります。
プラスがマイナスを大きく上回る内容でしたら、重大な問題ではありませんが
マイナスがプラスを大きく上回っていたら?
自分に関係ない借金を背負う訳です。

 これを見極めるために、法律では「相続を知ってから3か月以内」に
遺産を相続するかしないかの判断期間を設けています。

 以前は「被相続人の死亡から3か月以内」とされており、よくドラマなどでは
父親の死後3か月を経過した後に、借金取りが息子の家を訪ねてきて借金取り立てを
迫る。 というシーンがありました。

 意図的に3か月間沈黙を守り、相続放棄が出来なくなった途端に取り立てる。
こういう手法を駆逐するために「相続を知ってから」に変わりました。

 例えば、子供は海外勤務で親は日本で一人暮らしなどの場合
死後3か月などあっという間です。 逆の場合もそうですね。

 ですから、親の死亡を知ってから=相続を知ってからとして
3か月以上経過していても救済可能な形になりました。

 ですが、親がすぐに返すつもりで借りた金銭があった場合や
旧友からの頼みで連帯保証人になっていた等、子の知らない事情があったら?


 さて、弁護士会の調査データに破産債務者の追跡調査の結果というものがあります。
どういう理由で破産に至ったのか、主な原因がリストアップされてます。

 これによりますと、1位は生活苦や低所得で 約60%でダントツです。
20%を超えた原因としては、保証人以外の負債の返済、所謂自分で作った借金でした。
続いて事業資金のやりくりから来る破綻です。これも自分に帰する問題でしょう。
また高額医療や長引く治療・入院などからくる破綻も20%をマークしています。

 これに続く20%に迫るものには失業や転職がありますが、
失業後、無収入が続いた結果というのは理解出来ますが転職して破産というのは
今一つピンときません。 ブラック企業へ転職したからでしょうか?

 そして注目すべきは18%前後の理由に保証債務、所謂保証人(連帯保証人)になった
事からの破産、つまり他人の借金のせいでの破産です。
この他にも第三者の借金の肩代わりというのも約7%前後あるので合計すれば25%。
実に4人に1人が「他人の借金」がもとで破産しています。

※余談ですが、破産のイメージに浮かんでくるギャンブルや投資の失敗などは
 意外に少なくて合計しても5%あるかないかでした。
 同様に浪費や遊興費では約10%。これも意外に低い結果でした。

 自分の行いの結果であれば、まだ踏ん切りもつけられるでしょうが
他人のせいでの破産では悔やんでも悔やみきれませんね。


 相続発生の場合、「親の借金」と「連帯保証人」については最優先で調べましょう。

 特に、親が長患いで双方がある程度その時の為の準備を考えていれば、
借金の有無や保証人になっているかいないかを確認しやすいでしょう。
ですが突然の別れになった場合はこうはいきません。

 事業を営んでいる場合等は子には内緒で実は運転資金を借金していた・・・
 旧友の頼みでつい連帯保証人になってしまった、早いうちに解消しなくては・・・

 連帯保証人には借金をした当事者と同等の責任が発生します。
当事者が雲隠れしたら、わざわざ探しはしません。
連帯保証人から債務の履行をしてもらえばいい事ですから。
また複数の連帯保証人がいても、一番取立てしやすそうな保証人だけに請求するのも
債権者の自由です。  要は貴方の借金なのです!

 防ぐ為には、生前の確認が一番ですが、相続発生した場合には
最優先で負の財産の有無を確認しなくてはいけません。

 ただ、最近の判例ではさらに相続人の立場を考慮して
「相続財産の中に負債の存在を知ってから」3ヶ月以内なら相続放棄は可能
と言う例もありました。
 ですが、個々の事情による判例ですからすべてに通用する保証はありません。

 何はともあれ、生前の話す勇気、聞く用心で未然に防ぐことが出来る事なのです。
また一家の長である貴方は配偶者の親の事情にも通じておくべきです。
義理とはいえ、配偶者の両親の相続問題は結局貴方を巻き込む問題になります。


 以上、相続の際の「アブナイ話」でした。

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

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