コラム

 公開日: 2013-11-29  最終更新日: 2015-03-31

法務局の窓口で  ~自分でする不動産登記  番外編

 深夜に東京では地震があったようですね。
まったく気づきませんでした。

 お元気ですか?
生活に密着した法律相談と第二の人生支援に邁進している
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。



 前回までのコラムで自分でする不動産の登記手続きについて
書面上の注意点を中心に紹介してきました。

 お伝えすべきことは全て網羅したつもりでしたが
今回は、実際に窓口でのやり取りの中からこれは是非事前に知っておいた方がいいと
私が判断したものをいくつか紹介したいと思います。


 まずは「登記申請書」の冒頭に記載する「権利者」(受贈者)の住所氏名の記入欄です。

 ここに住民票コードを記載しておけば住民票の写しをわざわざ用意しなくてもいい。
これは法務局のHPでも書いてあることです。
が、窓口の方のお話は違いました。   本当は用意してきてもらいたいとの事です。

 理由は11桁の住民票コードの記載ミスです。

 数字の書き漏れ、書き間違いがあった場合、他に確認しようがありませんから、
最悪の場合は再度お越し頂くことになります。
もしコードだけで済ませたいなら確認に確認を重ねて記入して欲しいとの事でした。

 しかし必要なのは窓口での確認だけでその後はお役御免です。
さらには有効期限は僅か3か月の証明書です。
この為だけに交付してもらうというのはどうも・・・
と思われる方、少なくはないでしょうね。

 私も同感でしたので(僅かな経費を惜しみました!)
「私の場合は住民票コードのお知らせ」の写しを持参しました。

 これなら転記ミスの恐れもなく また万が一あった場合でも
正式なコードは手元にある訳ですから修正は即可能になります。

 ところで、貴方は「住民票コードのお知らせ」は保管してありますよね?


 次に、登記申請書だけでなく委任状、贈与契約書にも記載しなくてはいけない
「不動産の表示」についてです。

これも法務局のHPでは「不動産番号」を記載してあれば
「所在」「地番」「地目」「地籍」は記載しなくてもよい旨、書かれてます。


 ですがこれも先の住民票コードと同じで
番号の転記ミスがあった場合、「所在」以下の情報が未記載ですと
作業が先に進まないのです。

HPで書かかなくていいとはあっても誤記の場合の責任は全て貴方が負うのです。

 不動産の表示の場合は「登記事項証明書」ですべて一緒に記載されていますから、
面倒がらずに記載する事をお奨めします。

 これも現場の実態を知らなければわからない注意点です。


 そして、今話しました「登記事項証明書」ですが
実際に私が役場で交付してもらった際に
「これは登記申請に添付しなくていいんですよね?」と尋ねたところ、
「これは添付の必要ありません。」と回答してもらいました。

 ですが「持参」しなくてはいけない資料の一つなのです。」


 登記申請書以下、全ての作成書類に書き込んである
「不動産の表示」が本当に正しいものかどうかはこれで照会するしかありません。

 全ての不動産情報を1筆毎に精査するため この書類は、必ず持参して下さい。


 最後に、こんな事例もありました。

 不動産を所有されている方ならご存知でしょうが
毎年「固定資産税・都市計画税・課税明細書」と言う書類が 郵送されてきます。

 いわゆる税金(固定資産税)の請求書です。

 これには所有する土地の「資産区分」と言う欄があります。
ここに「登記地目」「現況地目」とあります。

 地目とは簡単に言えば、宅地・山林・田・畑・保安林・
のような土地の使用目的による区分です。
通常この地目は「登録」であろうが「現況」であろうが同一表記です。


 ですが「登記地目」では「宅地」、「現況地目」では「山林」というケースや
登記地目は「畑」で現況は「山林」等異なる地目が記載されている例があるのです。


 イメージとしては郷里の一角にある宅地、
今までも、これからも居住する考えがなく郷里を離れて以降まったくノータッチだった。
畑も同じ理由で全く手を入れたり整備していなかった。
時間がたてば当然草地になり低木が生え、最終形として山林と化す。

 このような状況を考慮して各役場は3年毎に地目の見直しを実施して
現況を判断して記載内容を修正するのです。
ちなみに次回は平成27年の予定だそうで全国一斉に実施されます。


 見直しの結果、地目変更した場合でも所有者にその旨を連絡はしてくれません。
年1回の固定資産の請求書の明細を自分が注意して確認しなくてはいけないのです。

 よく商業地の場合は地目を変える事はあるようですが
一般的な土地の場合は、たいてい現況が山林と化しているケースが殆どだそうです
(変えるではなく変わってる)

 確かに、ある年から急に山林が宅地に現況地目が変わっていて
土地の所有者が気付かないなんてことは普通はあり得ませんね。


 当然、このような場合には「土地の評価証明書」の記載内容も
同様に地目が2種類記載されたものになっています。

ただ既述したように評価証明書は管轄の市区町村役場でしか交付してくれません。

 ここで、気付かれた方もいらっしゃると思いますが
全国共通で交付可能な「登記事項証明書」、ここにも「地目」が記載されています。
この時点で確認できるのでは?

 残念ながら「登記事項証明書」には
文字通り「登記事項」である「登記地目」しか記載されてません。


 さて、請求書の時点で見落としたまま登記手続きを進め、
登記申請書以下の書類を揃えて最後に不動産を管轄する役場に出向いて
評価証明書を交付してもらう。

 その足で法務局に向かい登録免許税の計算を法務局のスタッフの確認の下、
算出金額分の印紙を購入して貼付して、窓口に提出。

 手続きはこれで一件落着なのですが、
登記申請書以下、委任状や贈与契約書には登記事項証明書から転記した
「登記地目」(仮に宅地)を記載してあります。

 でも評価証明書の書面上に「現況地目」(仮に山林)とあった場合
書類は受理されるのでしょうか?

 法務局の回答は「登記申請書」以下の書類で「宅地」と記載してあり
評価証明書では現況地目が「山林」となっていても受理します。

 評価証明書上の評価額は「現況」を基準としてます。
課税価格や登録免許税の算定基準はあくまでも評価証明書上の金額なので
そのまま用いて計算して下さい。

 仮に事前に分かった場合でも登記申請書以下の申請用書類に
地目を二段書きする必要もありません。
あくまでも「登記地目」だけ記載で結構です。

 評価証明書を交付した際に初めて事実に気付いて
このままでは申請が出来ないのではと悩むことはありません。
まずは窓口で相談して下さいとの事でした。

 土地をお持ちで固定資産税を払っている方
今からでも手元に保管してある固定資産税の請求書の明細を確認してみて下さい。


※以下は法務局ではなく市区町村役場の話です。

 さて、この地目の変更によってある年から固定資産税の請求自体が
来なくなったという事例が発生する場合があります。

 土地の場合、所有している総面積合計の評価額が30万円以下の場合、
固定資産税は免除となります。

 今まで宅地と見なされて課税対象だったものが
ある年の地目の見直しの結果山林と判断されて評価額が減額、
30万円を下回った場合は自動的に通知は来なくなります。

 ここも、市区町村役場から
「今年から評価額が30万円以下になりましたので
固定資産税はかかりません。」等と通知はしてくれません。

 毎年来ていたものが来ない場合
このまま頬かむりしていれば得すると考える方は相当楽観的な方でしょうね。

 一般的には何かの手違いで(または配送のミス)来ないだけで
来年2倍の請求が来るのではとか、 勝手に延滞と見なされて
加算されるのではと心配する方が大半でしょう。

 さて、当該の役場が遠隔地の場合まずは電話で問い合わせるのが普通ですね。

 ですが、市区町村役場の見解は電話では回答は難しいとの事でした。
かなり突っ込んだ個人情報である為、対応は慎重を期すようです。

せいぜい課税対象から非課税になった程度の範囲ならば、
場合によっては回答出来るようです。
但し、どの土地の地目を変更したというような具体的内容は一切NGだそうです。

 このへんは各自治体に委ねられているのでしょう。
機会があれば地元の役場窓口に確認してもいいかもしれません。


 いかがでしょう?
とかくお役所に提出・申請する書類は決められた通りに作成すれば問題なし、
と思っていましたが、実際は現場の作業上の関係から「行間を読む」必要がありました。

 ではこれで、連続掲載してきました
不動産の贈与による所有権移転登記に関する手続きと注意点の紹介を終わります。

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

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TEL:03-5157-5027

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