コラム

 公開日: 2013-11-26  最終更新日: 2015-03-31

贈与による不動産の所有権移転手続きについて ~自分でする不動産登記 その5

 今日はこれから業務で日帰り出張です。
今週は寒いとの予報なので、身支度を整えて出かけます。

お元気ですか?
生活に密着した法律相談と第二の人生支援に邁進している
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。

 ここまで登記手続きについて
1)最寄りの法務局の出張所か支局で登記事項証明書を取得する。
2)市区町村役場で印鑑証明書、住民票の写しを取得する。
(住民票コードを記載すれば申請は不要)
3)自分たちで委任状と贈与契約書を用意する。
 と、ここまでを解説してきました。

 今日は、肝心要の「登記申請書」の用意についてです。
ここで使用する不動産の評価証明書については前回紹介したので
ここでは省きます。

 これも法務局のHPから書式をダウンロード出来ます。
申請書本体を以下に添付しましたので参照にして下さい。

登記申請書見本

この申請書も委任状や贈与契約書と同様に自作で構いません。

 但し、いくつか決まり事はあります。

・サイズはA4です。
・記入には黒インク、ボールペン、
 パソコン有力でも構いませんが鉛筆は不可です。
・左閉じで作成します。
 閉じ方はホチキスで上下2点留でも構いません。
・郵送での申請も可能です。
 その場合は書留郵便で表に不動産登記事項証明書在中」と明記して下さい。

 ここからは原紙を見ながらの解説になります。
出来れば、上記見本をプリントアウトしてご覧下さい。

 「登記申請書」の表題の上にブランクがありますが、
このスペースは法務局が使用する為必ず4~5行程度の余裕を持たせて
表題を記入して下さい。

 繰り返しますが、
今回の事例は親から不動産(土地)を生前贈与の形で子に所有権を移転する。
この前提ですのでご注意下さいね。

登記の目的)
今回は贈与による前提ですから「所有権の移転」となります。

原因)
何時の贈与か、年月日を記載します。

権利者)
贈与を受ける側です、子供の住所氏名、
そして既述したように「住民票コード」を記載すれば
「3か月以内に取得した住民票の写し」は不要です。
但し、ここでの住所の記載は住民票の通りでないといけません。

 よく、マンション名や部屋番号迄記載しがちですが
住民票にそこまで記載されていなければ、修正を指摘されます。
記憶に頼らず、必ず確認して記載して下さい!


義務者)
贈与する側です、親の住所氏名を記載します。
ここも住所は登記事項証明書の記載住所と同一の記載にします。
権利者同様、記憶違いがないか事前の確認は必須です。

※ちなみに、贈与する側(親)が自ら申請する場合は
氏名の後に「実印=印鑑証明書と同一の印」を押印します。


 さて、次は申請書に添付する資料についての記載です。

添付情報)
「登記識別情報又は登記済証」
 ~いわゆる「権利証」があるならば、その原本を用意するのが最も適当です。

「登記原因証明情報」
 ~贈与契約書の事です。契約書以外にも書式はありますが今回は略します。

「代理権限証明情報」
 ~委任状の事です。

「印鑑証明書」
 ~贈与する側(親)だけが用意します。3か月以内に発行されたものです。

「住所証明書」
 ~住民票の写しです。住民票コードがあれば取得は不要です。
 これは贈与を受ける側(子)のみ必要です。

「登記識別情報(登記済証)を提供する事が出来ない理由」
 ~簡単に言えば、失くした、間違って処分した、
 あるいは所在が不明になった等の理由で、原本が提出出来ない原因を
 当該項目から選ぶことになります。

 今回の事例では子が親の代理で申請をする前提ですから
添付資料として用意したものは

・権利証原本(失くしていない前提で)
・贈与契約書
・委任状
・親の印鑑証明書
 の4種となります。

 住民票コードを記載したので自分の住民票は不要とします。


 ここで注意するのは実際の登記申請書の添付情報欄への書き方です。

 実際の記載は

・登記識別情報又は登記済証
・登記原因証明情報
・代理権限証明情報
・印鑑証明書

 と、見本にある「表現」のままで用意した資料を記載していきますので
ここに贈与契約書とか委任状などと書かないよう、注意して下さい。

申請人兼義務者代理人)
前提が子が親の代理としての申請手続きなので
子の住所氏名、押印、連絡先電話番号を記載します。

課税価格)
 土地の不動産評価証明書にある金額をそのまま記載します。
複数の土地がある場合はその合計額を1円単位までそのままここに記載します。

登録免許税)
 上記の合計金額を千円単位に丸めます。百円以下は切り捨てです。
その金額に1000分の20を乗じます。
算出された金額を今度は百円単位に丸めます。十円単位は切り捨てます。

 これで算出された金額をここに記載します。

 この部分に自信がない場合は窓口に出向いた当日まで空欄としておき
計算結果を別紙に用意しておき相談窓口で計算結果を確認してもらってから
正式に記載する事をお奨めします。


不動産の表示)
 登記事項証明書にあった内容を書き込みます。
複数ある場合はすべて列挙します。
不動産番号が判明している場合は
以下にある「所在・地番・地目・地積」は省略することも可能です。


 これで、用意すべき書類すべて完了です。
あとは管轄の法務局出張所、支局で申請手続きをする事になります。

 ちなみに、申請してから変更手続きが済んで
新たな登記済証が完成するまでどのくらいかかるでしょう?

 内容に問題ない場合で概ね、1週間(土日祝除く)だそうです。

ですが月末の最終週あたりは申請が集中することが多く
運が悪いと(混み合ったタイミング)3週間前後かかる場合もあるそうです。

 なるべくなら月の半ばまでに申請した方がよさそうですね。

 余談ですが、都市近郊の場合は法務局のスタッフも
人数は揃っているものの、申請数が多くて手が回らない。
 地方の場合は申請数は少ないのですが
人数が少なく、結局手が回らないとの事でした。


 最後に、申請の際には「子」である貴方は絶対に印鑑を忘れないように!
 
 文面は問題なし
 添付書類もすべて完備
 親の実印の押印問題なし、
 自分の押印も漏れが無し・・・

 で、ここで終わりではありません。
次の確認をお忘れなく!

「捨印」 と 「契印」 です。

 捨印は文面の右上部の空欄部に押しておくもので、
これがあると押印以下の箇所での文字の削除、挿入などが可能になります。

 契印は文章が2枚以上になった場合
一枚目の裏と2枚目の表にかかるように押印するもので
この文書が前からの続きであることを証明します。

 ここまで自作した委任状、贈与契約書
そしてこの登記申請書にはこれをお忘れなく!


 さて次回は保留していました
質問事項についての解説です。

今回の記事にも、ひとつ質問事項を用意しました。

添付資料の一つに挙げた「登記済証」の原本ですが
原本はその後、どうなるのでしょうか?
提出はコピーで代用は出来るのか?

 これも次回に解説したいと思います。


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