コラム

 公開日: 2013-09-12  最終更新日: 2015-03-31

日本版ISA(NISA)の最近の話題から

 また強い日差しが戻ってきた東京ですが
あの湿気は確実に低くなってきましたね。
かなり、過ごしやすい暑さです。

 お元気ですか?
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の
寺田 淳です。



 いよいよ日本版ISA(NISA)の開設開始が迫ってきました。 
来月1日からのスタートを前に新聞雑誌で特集も組まれています。

 その中で、気になる話題をピックアップしてみました。

【MRF(マネーリザーブファンド)の動向】

 MRF、これは証券会社の口座に個人投資家等が
例えで言いますと、現金のまま預金するようなもので
安全性が高い公社債等で運用する投資信託の一種です。
その為金利は銀行預金レベルの低水準ではあります。

 この資金が7月末現在で残高9兆円という巨額に膨れ上がってます。
この他運用しない現金のままでの残高も 証券会社によっては
預かり資金の25%に達しているとのことです。

 これは株や投資信託への一層の値上がり期待から
投資機会をうかがう個人投資家が増加中だからと言われています。
 
 オリンピック招致成功を受けての躍進が期待される
企業の株価は既に上昇を始めています。

 いったんは、保留とされた消費税増税も
このまま増税路線にGOサインは出るでしょう。

 このような環境下で様子見を決め込んできた
この個人投資家の資金もいよいよ動き出すようです。
証券各社とも、投資信託の拡大を促すと共に
個人投資家にNISAの口座開設を強くPRするのは必至でしょう。


 
【NISA口座だけ開設?】

 初めて投資するので、今回は投資の利益が非課税になる
NISA口座だけ開設して始めてみよう。
入門編として利用しようとの考えでしょうがこれは出来ません。

 NISA口座とは金融機関に設ける取引口座の一部
という位置づけなので証券会社なら「証券総合口座」
銀行なら「投資信託口座」開設が必須となります。

 ただ、投資をNISAだけに絞る事は出来ます。

 総合口座や投資信託口座のNISA以外の一般口座は
課税対象ですから株や公募株式投信の運用益には
来年から原則20,315%課税されます。
 年間100万円までの投資の場合、その運用益には
課税されないNISAとの受取利益の差は歴然としてます。

 ですが、反面運用損が出た場合、NISAは他の口座との
損益の通算が出来ません。

 例えば、NISAで100万円を株に充てたものの
株価が下落し続けて5年間の非課税期間が満了した時に
評価額が50万円しなかく、課税口座に移したとします。

 その後上昇に転じて頃合いを見て売却し
ある程度の額の運用益を得たとしてもそこには課税されます。
元手が100万円で、運用益を加算しても「赤字」だったとしても
課税はされるのです。 これには納得できませんね。

 詳細は省きますが、一般口座での運用の場合は確定申告により
全ての課税口座を通算出来るので納税額を抑えることが出来ます。

 NISAだから、確実に非課税で利益を手に出来る。
と言う事ではありませんので、食わず嫌いは止めて
総合口座の最適な活用法を考えるべきなのです。


 
 
【証券各社の動向は?】

 ネット証券では「手数料ゼロ」という方式が拡がっています。
例えば、松井証券はNISA口座での株式売買手数料を無期限で無料に。
カブドットコム証券も買付手数料を5年間無料にするとしています。
 当然、この他のネット証券も追随する可能性が大いにあります。

 松井証券の場合 通常は1日の約定代金が10万円迄は無料 、
30万円迄は1回につき315円、 50万円迄で525円の手数料が発生します。
これがNISA口座では約定代金に関係なく無料となります。

 カブドットコム証券では NISA口座での手数料を来年1年間無料にすると
していましたが、早くもこれをさらに2018年まで延長するとしました。

 さらにはNISA口座を持つ顧客を対象に
通常の証券口座での株式手数料を1%割引くサービスを始めます。

 この他のネット証券では
SBI証券ではNISA口座内の売買手数料を 一律52円に、
楽天証券では一律105円にするとしましたが、
今後の動向次第では更なる値下げの可能性もあります。


【口座開設は慎重に】

 
 先に書いたように、まだまだ各社のサービスが
判明していませんし、取扱商品自体が出揃っている訳ではありません。

 仮に、取引のある証券会社だからと商品を比較せずに口座を開設すると
投資したい商品がなかったというケース。

 希望の商品があったからと手数料を比較せずに開設してみたら、手数料が割高だった。
等のような躓きが生じる可能性があります。

 さらに、NISA口座は一度作ると 4年間は他の金融機関へ移すことが出来ません。
後悔先に立たずです、ご注意下さい。

 他にも信託報酬の額にも気を付けて下さい。
上限では0,7%というのが相場だそうですので
これを基準値として確認する事も必要でしょう。

 現時点での取扱商品の対応も各社さまざまです。
国内投信では本数未定から 最少で240本、最多で1,300本。
海外ETFでは 大半が検討中で一部では160銘柄、230銘柄と明記してますが
まだまだ少数派です。

 さすがに、国内株は全てが取り扱うとなっていました。
ただ、外国株は検討中ですとか、店頭設定のみ取扱う等が目立ちます。

 投信の場合の最低積立金額も 500円から1万円までかなり幅があります。
扱い商品の中身と、経費、最低積立金額等を総合的に検討しなくてはいけません。

 冒頭で来月1日から開設スタートと書きましたが
これは年内に絶対NISA口座を作らなければいけない! という事ではありません。
先着何名迄のような制約もないのですから、よく時間をかけて検討する事です。

 もし、よく検討しないまま、申込書を送ってしまった!
後の祭りかと、落胆する事はありません。
10月1日以前なら、即ち9月中でしたら申し込みのキャンセルは可能です。


 ・投資知識の有無
 ・株式や投信の運用経験があるか
 ・金融資産がいくらあるか
 ・リスク覚悟で利益優先で行く?
 ・ 自分好みの銘柄や投信位好きな時に投資する
 ・投資資金がいくらあるか?

 以上の点を、いろいろな角度から検討して、最適な選択を心がけて下さい。


【最後に】

 詳細は不明ですが、既に申し込みをされた中には
意図的なのか、単純なミスなのか個人で複数の金融機関に
開設の予約をしているケースが少なくないようです。

 個人で開設する場合、手順としては申請書類と
住民票の写しを金融機関に提出し、金融機関が税務署へ申請します。

 この時、複数の銀行、証券会社から同一人による申請がされていた場合
受け取った税務署はどう対処するのでしょうか?

 現時点での対処としては税務署が「任意に」金融機関を選びます。
当該の金融機関にその旨を連絡しますが、その際金融機関に対し
必ず当該の申請者に「複数の金融機関への申請があった事」と
「自分たちの会社での開設でいいか」の最終確認を求めるようです。

 この方式の懸念される点はふたつあります。

税務署がどういう選択基準で金融機関を決めるのかという点。
暫定的に申請が許可された金融機関が本当に申請者に
連絡と説明を行うかと言う点です。

 このような無用の手間をかけない為にも、
NISAの取り扱いについて、十分調べたうえで
口座を開設するようにしましょう。

この記事を書いたプロ

寺田淳行政書士事務所 [ホームページ]

行政書士 寺田淳

東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル7F ハローオフィスC-3 [地図]
TEL:03-5157-5027

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