コラム

 公開日: 2013-02-28  最終更新日: 2015-03-31

相続・手続・期間 ~その思わぬ落とし穴

 明日から3月、
今日は先取りしたかのような気候で
コートなしでも心地よいほどですね。

 新橋駅駅前の寺田淳行政書士事務所の
寺田 淳です。


 これまで相続の開始から発生する
各種の申告の期限についてはこのコラムで
または私のブログ等で再三紹介してきました。

 そんな中、
先日、旧友との語らいの中で
「相続税払うまで10ヵ月あれば、そんなにあわてる事もないんじゃない?」
「うちは財産なんて殆どないから調べるのに1ヶ月あれば十分すぎる。」
等と言う話が出たのです。

確かに、10ヵ月と言いますとそれなりに時間はあります。

 ですが、
よく考えると実質は10ヵ月なんて猶予はないのです。

 順を追って話しましょう。

 被相続人が亡くなってから相続人たる貴方は
どういう行動をとることになるでしょうか。

 まず、一般的には葬儀・告別式の準備です。
その間に死亡届の提出もあります。
 葬式終了後は、会葬御礼の挨拶や香典返しなどの手配を済ませます。

 たぶん、これで1ヶ月は費やすでしょう。

 少し落ち着いたところで、
遺言書の有無の確認から遺産の調査に入ります。

 明確な財産一覧が用意されていれば別ですが
急な別れの場合は、一から調べる事になります。

 「相続放棄や限定承認」の期限は
相続の開始を知ってから3ヶ月以内ですから
この時点では期限まであと2ヶ月です。
 負債に関しては充分な調査をしましょう。
後になって泣きを見るのは相続人の貴方なのですから。

 さて、遺産の全貌が判明し、幸いにも負債がない、
または影響ない程度のものだった場合、
 時間的優先順位から行くと
次は故人の準確定申告の手続きです。
 期限は相続の開始を知ってから4ヶ月以内ですから
相続放棄や限定承認の期限の僅か1か月後です。

 遺産の調査に目一杯時間を費やしていると
準確定申告の手続きに許された時間はたったの1ヶ月となります。

 そして、
ここから遺産分割協議に本腰を入れる事になります。
遺産の全貌が分からない限り、分割協議は始まりません。

 となりますと、
相続税の申告と納付までに残された時間は
実際は6カ月しかありません!

 それも、遺産分割協議がなんの支障もなく進んでの話です。

 財産は少ないから時間は十分、これは残念ながら逆です。
実際の場合、遺産が土地や自宅しかない場合ほど
分割に関してもめる事が多く、最悪は裁判沙汰になるほどです。

 遺産の把握に予想以上に手間取ったり、準確定申告に
時間をとられていると、残り6カ月以内に分割協議を終わらせ
相続財産の確定までたどりつけるかどうか微妙です。

 無論、やむを得ぬ事情の場合の期限の延長等の措置はありますが
また新たな手続きをすることになり、さらに時間を費すことになります。

 サラリーマンであれ、自営業であれ
この「仕事」の為に本業から割ける事の出来る時間は限られてきます。
 
 だからこそ、
その時間の中で最大限効率よく手続きを進める事を
今の内から、真剣に考えておくべきなのです。

 再度、まとめておきます。
・相続税の申告と納付には、遺産の全貌把握が大前提です。
・遺産には「負の遺産」もあるので十分な調査が必要です。
・その期間は、相続発生を知ってから3ヶ月以内です。
・さらに4か月以内に故人の準確定申告を済ませなくてはいけません。
・遺産が確定したら、遺産分割協議を速やかに始めます。
・以上の経過から分割協議に使える時間は6か月程度です。
・即ち、相続税の申告・納付作業に使える時間は6か月もないと言う事です。



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