コラム

 公開日: 2013-01-22  最終更新日: 2015-04-01

平成23年度税制改正大綱 ~何がどう変わる?

 皆さんお元気ですか?
寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。

 ここ数カ月
税制改正の話題は尽きる事がありません。
いろいろな試案や提案が採りあげられてきましたが
ようやく基本的な方向性は固まったようです。

 そこで、
1月現在での改正案から身近な税についてまとめてみました。
 とはいえ、
まだ確定ではありませんので その点を前提としてお読み下さい。


○所得税の最高税率
 現行の所得税の最高税率は40%
 対象は課税所得1,800万円超の部分です。

 これを 最高税率を45%に引き上げ
 対象を課税所得4,000万円超の部分とする。
 に改正。

 導入時期についてはまだ流動的ですが 2015年1月からが有力なようです。


○相続税の最高税率
 これも2015年1月からが有力です。
 現行の50%から55%に引き上げ
 その課税対象相続財産は6億円を超える場合で概ね確定したようです。

 さらに
以前から話題になっていた 遺産額から差し引ける基礎控除の縮小もほぼ確定です。
 現行の5000万+法定相続人数×1000万から
 3000万+法定相続人数×600万になるようです。

 現行の相続税法では
死亡者数に対する課税件数はおおよそ100人に4人でしたが
この改正で対象件数はかなりの拡大になるでしょう。

 今後の相続対策を考える場合は
 必ずこの改正後の制度を前提としなくてはいけません。
 財産は自宅の土地家屋、それと若干の貯金だから
 相続税は無関係と思われている貴方も
 もう一度、土地の評価額などを見直すべきです。

 反面
 都市部を中心に 地価が高いエリアで
 相続税を課税される人が 急増するのではという懸念から
 個人が住居に使用していた土地(上限240㎡まで) の評価を
 本来の20%としている減税措置を、対象となる上限面積を330㎡に拡大するようです。

○死亡保険金への相続税の見直し
 いったんは
世帯主が亡くなった時に
配偶者や子供が受け取る死亡保険金にかかる相続税を 軽減する考えから
非課税の対象額を 配偶者や未成年の子供の人数に応じて増加させ
多くの保険金が受け取れるようにするというものがありました。
 例えば
母親と子供2人が残された場合で 2000万円の保険金が下りた場合

 現行の非課税枠は 法定相続人の人数×500万なので1500万までは非課税、
残る500万には相続税が課税されるものでした。

 これを 一人当たり500万円加算した額を非課税とするというもので
事例では3人なので3×500万で1500万が新たに非課税枠となる為
従来分1500万と合計で3000万までは非課税となり
2000万の死亡保険金は丸々遺族に残せることになる。

という解説が新聞にも掲載されていましたが、
これは今回、見送り、現行通りのままとなりそうです。


○贈与税
 相続時精算課税制度を見直し
現行は65歳以上の親から20歳以上の子に対して
1人当たり2500万円までが非課税という内容ですが
この対象に、20歳以上の孫を追加します。
 さらに
現行の「65歳以上の親から」を「60歳以上の親」 に条件を緩和するものです。

 税率も下げる方向性で、 減税となるようです。
現行は 課税対象となる財産のうち600万円超~1000万円で 40%
 改正案では
600万円超~1000万円で 30%
1000万年超~1500万円で 40%
等が挙がっています。

 相続税を上げて、 贈与税は下げる。

 これらの改正によって
現在家計が保有するといわれる1500兆円の資産うち
高齢者が持っている60%の部分を 若年層への資産移転を促進、
これによる個人消費の活性化を図る目的なのでしょう。

 この他にも

○住宅ローン減税  
 2017年まで4年間の延長  
 ローン残高の一定割合を所得税から差し引く制度  
 対象とするローン残高の上限を4000万とし
 毎年末の残高のうち1%分を毎年の所得税額から引けるもの。  
 最大10年間で400万円を控除出来る。

 これは2014年4月から2017年末までの入居の場合に適用されるようです。

○少額投資 10年非課税  
 年100万円までの株式や株式投資信託への投資を非課税にする  
 少額投資非課税制度というものがあります。

 この対象を2014年から2023年までの10年間に延長する。  
 非課税に出来る投資総額は適用期間内の通算で500万円へ  
 という案があるようです。

 これら以外にも
将来的には自動車取得税の廃止も盛り込まれるようです。
(24日の朝刊によると、2015年10月に廃止でまとまったようです。)

 これらを見てわかる事は
お金を使う事には、便宜を図ろう。
貯めこむ分からは、多くを頂こう。
という図式です。

 とりあえず、
持てるもの者から、富める者から 応分に負担をしてもらう。

 もっとも、
私には無縁の話なので 目くじら立てることもありません。

 ですが、
重要なのは 若年層はもちろん、
団塊世代から中高年世代の仕事を いかに確保していくのか? でしょう。

 働いて 稼げる社会に参加できる事。

 若年層は言うまでもなく
中高年、団塊世代のセカンドライフの安定を 約束されなければ、
今回の増税の治療も、一過性に終わってしまうではないでしょうか?

この記事を書いたプロ

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行政書士 寺田淳

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