コラム

 公開日: 2012-05-31  最終更新日: 2015-04-01

「信託」とは?

 こんにちは!
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の
寺田  淳です。

 前回までは、生前契約や死後事務契約といった
内容を中心に解説してまいりましたが、
 財産管理の面だけでみますと
もうひとつの「制度」が存在します。

 それが「信託」というものです。

 では、「信託」とはなんでしょう?
 
 簡単にまとめますと
先に述べたように財産管理手法のひとつです。

 財産保有者(委託者)が
 信頼出来る相手(受託者)に対し
「遺言」「信託契約」によって
 保有資産(不動産、預貯金、有価証券等)
 のすべて、又は一部の管理を委託し、
 信託目的に従って特定の人物(受益者)の為に
 委託された資産(信託資産)を管理、処分するものです。

 この場合、
委託者と受益者が同一人物でも問題はありません。

 例えば、
 父親が委託者で子を受託者とし、
母親を受益者とする場合等が一般的事例ですが、
 母子のみの場合、
母親が委託者と受益者を兼ねて、子を受託者としても構いません。

 ただ、受託者には資格制限がありまして
未成年者、成年被後見人、同被保佐人は受託者にはなれません。

 この制度は2007年から施行された
改正信託法によって多様な信託が可能になりました。

 信託にはいろいろ区分があります。

 まず、「商事信託」があります。 
営業信託とも言い、信託銀行等が信託業法の下、
報酬を得て業務を行うものです。

 受託者を信託銀行にするケースでは
最近信託銀行が色々な商品を用意しています。

 〇 三菱UFJ信託銀行 「ずっと安心信託」
          「パーソナルトラスト」
 〇 三井住友信託銀行  「安心サポート信託」等です。

 次に、「民事信託」
原則受託者が報酬を得ないで行うもので
個人でも法人でもなる事が出来ます。
 さらに民事信託は個人信託・法人信託という分類が出来、
個人信託の中身も家族信託や福祉型信託と言った分類がされます。

 一般的には家族信託が最も身近な存在でしょう。
これは、自分の死後の相続税対策、資産承継、事業承継対策の為
または自分や家族の生活保障の為の財産管理を目的としたものです。

 先に民事信託は無報酬と書きましたが、家族信託の場合は
特定の委託者の為に親族等が受託者となる事から営業とは見なされません。
双方の合意で一定の報酬を設定することが可能です。

 さらに高齢者や障害者生活支援を目的とした財産管理とする場合は
福祉型信託と言います。

家族信託のメリットは以下のことが挙げられます。

①遺言と同等の効力を持つ
 遺言代用信託といい、、委託者が自らを受益者とします。
 これは遺言と違い契約と同時に発効するので
 生存中から受託者の財産管理について監督する事が出来ます。 

②受益者の権利保護
 仮に受託者が破産した場合でも信託財産は受託者固有の財産ではないことから
 受益者に波及することがありません。
 また、受託者が死亡した場合でも、相続の対象でないので受託者の配偶者等
 相続人へ財産が移る心配もありません。

③任意後見や法定後見と違い、身体の支障が生じた場合でも契約は発効できます。
 この点は財産管理契約と似ていますが信託は信託法の適用を受けるもので
 財産管理契約は民法上の契約というのが異なっています。
 民法の場合、その規制は比較的信託法に比べ緩やかです。
 法的安定性は信託が優位と言えます。

④契約即発効
 任意後見の場合は後見監督人の選定までのタイムラグが生じます。
 信託では即発効ですから不安定な空白期間が生じません。

⑤家族信託では委託者は信託財産に対する管理処分権を失うことになります。
 ですから詐欺や悪質商法の被害を未然に防ぐことになります。
 この点も財産管理契約や任意後見契約を結んでいても、本人に判断能力がある
 場合は取り消しが出来ない事から、本人保護に優れているといえます。

⑥柔軟な対応が可能
 複数の第三者を受益者に指定する、受益権の時期を指定する、委託者を受益者にする
 受益者の順序を指定する等自分の判断で内容を設定することが出来ます。。

 上記で触れた以外の民事信託と成年後見との主な相違点を挙げておきます。

(財産の運用) 
信託の場合「委任者」は信託の目的に従った自由な処分や運用が出来る。
成年後見の場合「任意、及び法定後見人」は被後見人の財産管理、保全が原則
        のため積極的な運用や処分等は原則出来ません。

(死後の事務処理、遺産整理等)
 信託の場合その設定次第で本人死亡後も信託は継続するので信託の仕組みの中で可能。
 成年後見の場合、本人の死亡により契約は終了、以降の業務にはタッチ出来ない。

(詐欺や押し売り等の本人への犯罪被害への対処)
 信託の場合、本人の財産と信託財産は分離されているので
       その被害は信託財産には及びません。
 成年後見の場合、法定後見人は「取消権」を有するので
         被害回復が可能だが任意後見人には「取消権」がないため不可。

(受託者、後見人への監督機能)   
 信託の場合、信託監督人等を選定することで監督機関を本人が任意に設定することが可能。  
 成年後見の場合は、家裁、または監督人による監督が必須となります。

 このように「信託」は財産の柔軟な管理運用という面から見れば
非常に有効な手段と言えます。

 しかしながら留意点ももちろんあるわけで
①不動産の場合、登記・登録が必要
 当然このための費用が発生し、負担することとなります。
 財産管理契約や任意後見契約の場合にはこの必要はありません。

②身上監護は信託の対象外
 日常生活の保護という面からは後見制度を活用することになります。

③税金・遺留分の問題
 贈与、相続に絡む税務問題は発生します。信託の内容によっては
 相続課税の不利益が発生する場合もあります。またケースによっては
 贈与、遺贈対象ともなりますし、遺留分に抵触する内容であれば
 当然問題が発生してきます。

 以上の点を踏まえ、信託の目的を明確にした上で、信頼出来る受託者を
選任し、契約を結びます。 

 次回は信託の中から関係の深いものを何種類か紹介する予定です。


 詳しく知りたい、個別に尋ねたいことがありましたら
こちらからどうぞ。
 https://mbp-tokyo.com/office-terada/inquiry/personal/


  事務所の連絡先は 以下の通りです。
東京都港区新橋2-16-1
ニュー新橋ビル7階ハローオフィスC-3

 03-5157-5027(TEL)
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平日は10:00~19:00
土日祝日は予約のみとさせて頂きます。 

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