コラム

 公開日: 2014-04-15  最終更新日: 2014-07-31

一括贈与以外で孫に教育資金を贈与する場合の注意点は?



世の中には、裕福なお年寄りが随分いらっしゃる様です。
信託協会が先に公表した教育資金贈与信託の受託状況によれば、平成25年12月末現在の受託契約数は54、053件、信託財産設定額が3、557百万円に達しました。制度の適用開始から僅か9ヶ月、予想を上回る勢いで増加しています。
非課税限度額1、500万円に対し、1契約当りの平均設定額が658万円に留まっていますが、限度額に達するまでは複数回の贈与或いは複数の直系尊属からの贈与が認められますので、別段金額をセーブしたと言うことでもなさそうです。

一方、国税庁が従前からある「贈与税が非課税となる扶養義務者からの教育費の贈与」に関連し、課税対象にならない教育費に関するQ&Aをホームページに掲載しました。
直系尊属からの教育資金一括贈与の非課税制度に対しては、税制面から富裕層の孫の教育をサポートするもので、教育の機会均等原則に反し、貧富格差の固定化を助長するとの批判があります。
いや、そうじゃないんだ!扶養義務者間の教育費で通常必要と認められる贈与については前々から非課税扱いになっている。新制度は、1、500万円を限度に、贈与の一括前払いを認めるとの趣旨に過ぎない。必要の都度、教育費の贈与をしても何等不都合はない。
こうした説明をするには、“通常必要と認められる教育費”とは何かを判断するための、法令や通達が余りにざっくりとしているので、急遽Q&Aを用意したものと思われます。

これに拠れば、
①教育費とは、教育上通常必要と認められる、学資・教材費・文具費等を言う。義務教育費に限らない。通常必要と認められるものとは、贈与を受けた者の需要と、贈与をした者の資力その他一切の事情を勘案して、社会通念上適当と認められる範囲の財産を言う。
②教育費は、必要な都度直接これらの費用に充てるため贈与した財産であることが必要。それが教育費に充てられず預貯金となっている場合や、株式や家屋など教育費以外の支出に充てられた場合は贈与税の課税対象となる。
と言うのが国税庁の考えです。
余計分からなくなりました。例えば、孫の私立医大への進学資金を、裕福な医者が負担すれば非課税で、年金生活者が遣り繰りすると資力に見合っていないから課税だと言うことになるのでしょうか?

一括贈与非課税制度における教育費の範囲に関しては、文部科学省のホームページに詳細な説明があります。
一括贈与の非課税措置創設の背景や趣旨を読む限り、従前からある非課税規定との間に教育費の解釈についての大きな齟齬はない様です。そうすると、判断に迷った時は文部科学省の例示に従って処理する。そうすれば大きな問題は無いと言うことでしょうか。
尤も文部科学省の説明も、海外留学の滞在費は非課税の対象外だが寮費なら対象(Q4-2)と言った事例の様に、区分する理由が良く分からぬ処が有りますが。

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