コラム

 公開日: 2014-03-27  最終更新日: 2014-07-31

老後の資金対策として自宅を売却する場合の節税はこうします!


愈々消費税率が引き上げになります。アベノミクスによる政策的なインフレも起きています。一方では、年金支給の減額や開始年齢の見直し、医療費や介護保険の自己負担割合引上げが予定されています。此の儘では、多少の金融資産が有ったとしても何れ底を尽き、自宅を処分しなければ老後資金が足りなくなる可能性があります。単なる杞憂ではなく、現実の問題となってきました。

夫婦揃って元気な間に、古い一戸建ては処分して、利便性が良い湾岸エリアの高層マンションに買い換えたい。何れ介護の問題も出てくるだろうから、余ったお金は有料老人ホームの入居金としてプールしておこう。居住用財産は、色々税制上の優遇措置があるそうだから、大して税金は掛からないだろう。この様にお考えの方が多いと思います。ところが、そうは上手く行かないのです。

売却代金は1億円、古家の土地取得価額は親から相続したものなので不明と言うケースを想定してみましょう。買い替え特例や3千万円特別控除が使えそうだと言うのは直ぐにお分かりでしょう。但し、どちらか一方しか使えません。
買い換え特例とは、所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡して一定期間内に代わりの居住用財産を取得する場合、譲渡代金の中から買替え資産の取得に当てた部分の利益については課税しない(税の繰延措置)と言う制度です。
3千万円特別控除については、皆さん良くご存知の筈ですので説明は省きます。
この二つの併用は出来ません。何れかを選択する必要があります。買い替え特例は単に税支払いの繰延に過ぎませんので、一般には3千万円特別控除の方が有利になります。

このケースの税負担を試算して見ましょう。
課税長期譲渡所得:1億円-1億円×(取得費5%+手数料3%)-3千万円=62百万円
所得税額    :60百万円×14%+2百万円×20%=8.8百万円

節税プラン:買い替え特例と3千万円控除の両方を適用する方法を考えます。
先ず、敷地及び建物の各30%を夫から妻に贈与します。婚姻期間が20年以上の夫婦間の居住用不動産の贈与については、2千万円まで非課税(贈与税の配偶者控除)となります。贈与税の課税価格は、相続税評価額で計算しますから、設例では24百万円となります。暦年課税が適用されますので、売却益から特別控除2千万円と基礎控除110万円を引くと、課税所得は290万円になります。余分な贈与税を払いたくなければ、贈与する持分を調整して妻の課税所得をゼロにします。所有形態は共有登記が良いでしょう。

次に所得税ですが、夫の手取り収入は7千万円-手数料、妻の手取り収入は3千万円-手数料となります。
マンションは夫が単独で取得します。手取り収入を全額買い替え資産の取得に充てますので、買い替え特例を使えば課税は生じません。
一方妻ですが、手取り収入は全て老後の生活資金にプールします。譲渡所得は3千万円以下ですから、3千万円特別控除を使えば、同様に課税は生じません。

以上が、贈与税の配偶者控除・所得税の買替え特例・所得税の3千万円控除を組み合わせた節税プランですが、実は相続税対策にもなっています。
一般にマンションの原価構成は、土地4割・建物6割が標準と言われています。
土地は居住用で小規模宅地等の特例の適用が受けられますし、建物は固定資産税評価額ですから、課税価格は低く抑えられます。
余談ですが、マンション価格は高層階ほど高くなります。ところが、固定資産税評価額は階層に拘らず一律ですから、相続税対策としては高層階を購入した方が有利です。

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