コラム

 公開日: 2013-12-05  最終更新日: 2014-07-31

ゴルフ会員権の損益通算廃止。売買時期をどうすれば良い?


1.平成26年度税制改正大綱にゴルフ会員権の損益通算廃止が盛り込まれる見込み。

11月28日夜配信の時事通信によれば、政府・与党は「ゴルフ会員権の売却損を他の所得と相殺すること(損益通算)を出来なくする」所得税法関連の改正を、12月中旬に纏める来年度税制改正大綱に盛り込む方針とのことです。

2.ゴルフ会員権の譲渡損益に関する現在の税務上の取り扱いはどうなっている? 改正でこれがどう変わる?

ゴルフ会員権には、株主会員権とその他の会員権が有りますが、何れを問わず個人会員がこれを売った時には、譲渡所得として事業所得や給与所得等の所得と合わせて総合課税の対象となります。綜合課税の譲渡所得は
売却収入金額 ー(取得費+譲渡費用)ー特別控除額50万円 = 課税される所得金額
の計算式で算出されます。但し所有期間が5年を超える場合、この2分の1が課税所得金額となります。来年度改正でも、売却益が出た場合の取り扱いには変更がありません。

問題は売却損が出た場合です。現在の処、売却損が出た場合には事業所得や給与所得など他の所得と損益通算をすることが認められています(*)。ところが来年度改正で、これが認められなくなります。つまり、売却益が出れば課税するが、売却損が出ても贅沢品として通算を認めないという片手落ちの取り扱いになります。
(*)ゴルフ場経営法人が倒産した場合など、損益通算ができない場合もあります。

法人会員については、所得税法関連の改正ですから特段影響がありません。従来通り、売却益・売却損とも総合課税の対象になります。

3.何時からこの改正が適用される?

適用開始時期についての報道は有りませんが、3通り考えられます。
ⅰ)平成26年1月1日以降の譲渡に適用
ⅱ)平成26年4月1日以降の譲渡に適用
ⅲ)平成27年1月1日以降の譲渡に適用
税制関連の法律は、通常3月下旬に成立します。ⅰ)だと遡及適用になりますが、納税者が不利益を被る税制改正は遡及適用されることは希です。尤も、最高裁で争われた租税訴訟で不利益遡及立法が認められた事例もあります。何れにせよこうなると、個人会員としては何等節税アクションを取る術はありません。
これに対してⅱのケースでは3ヶ月間、ⅲ)のケースでは9ヶ月間のtime allowanceが有りますのでmarketを見ながら対応することが可能です。売り圧力が強くなるため、会員権市況の下落が予想されます。

4.売買時期をどうすれば良い?

先ず売却に就いてです。適用開始時期が分からないので、確実なのは年内に見切り処分して仕舞うことです。ただ市場が狭く時間的余裕もないため、希望価格で処分するのは難しいかも知れません。
税制改正大綱が出た後、適用開始時期を確認してから対処する選択肢が有ります。ⅰ)だと既に手遅れですが、ⅱ)又はⅲ)であれば売却価額に拘らない限り処分できると思うので節税メリットを取ることは可能でしょう。ただ後になる程、価格面での不利が予想されますので早めに処分した方が良いかも知れません。

購入は、売却と裏腹の関係になります。
ⅰ)のケースだと、平成26年に入れば売り物が極端に少なくなる筈です。税制改正の影響だけ考えると底堅い市況展開が予想されます。
ⅱ)又はⅲ)のケースでは、買い手市場になる可能性が高いので、時間をかけて売り物件の中から選択すれば良かろうと思います。

<お断り>
今回の記事に関しては筆者私見に属する点が多々有りますので、何分ご留意のほどお願い申しあげます。

この記事を書いたプロ

<Office MⅡ>松浦章彦税理士事務所 [ホームページ]

税理士 松浦章彦

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