コラム

 公開日: 2013-08-01  最終更新日: 2014-07-31

NISAとREITの組み合わせで年40万円の自己年金を作る。


年金生活者の多くが、あと10万円で良いから毎月の年金が増えれば余裕が出来るのにと仰っしゃるそうです。ところが実際には、定期預金等に預け放しにしているケースが多いのではないでしょうか。1千万円預けても月々の利息は僅かに250円に過ぎず、更にこれから20%の源泉所得税が差し引かれます。
大切な老後の資金だからリスクは踏めない。銀行預金なら1千万円までペイオフ制度で保証されている。それは良く分かります。
ところで、65才自営業のご夫婦が平均余命を生きたとして、人並みにゆとりが有る老後を送るにはどの程度の金融資産が必要かご存知でしょうか?前提の置き方にも拠りますが、3千万円程度が必要と言われています。
3千万円も持っていないと言う方は、居住用不動産の収益化や流動化を検討することになりますが、これについては別の機会にお話します。

何故、NISAとREITを組み合わせるのか?理由は、こうすれば不動産投資からの収益分配金に対する税金を排除してネット利回りを上げることが出来るからです。次の表をご覧下さい。REITの利回りが相対的に高いことが一目瞭然です。

株式(東証1部上場銘柄の配当利回り加重平均) 2.34%
国債(新発10年債の利回り) 0.80%
REIT(予想分配金利回り加重平均 4.91%

株式配当は発行会社の税引後利益からの一部分配金ですが、株主たる個人には20%の分離課税が行われるため2重課税となります。
これに対し、REITは賃料収入から諸経費を引いた当期利益の90%以上が分配されれば法人税等が免除されます。これにNISAを組み合わせれば、max元本500万円までの収益分配金や売却益が非課税となります。ご夫婦が夫々利用すれば、元本は1千万円になりますので、年40万円程度の自己年金を作ることが可能です。金融資産の大部分がご主人名義と言う場合には、暦年の贈与税非課税枠110万円を使って5年間で奥様名義のNISAに移せば済む話です。

ところでREITへの投資は元本が保証されていません。REIT価格は株式と同様に、経済事情その他により変動します。収益分配金も然りで、4%と言うのは飽く迄も現在のREIT価格に対する利回りが4%であると言うだけの話です。将来的に保証されるものではありません。
それではどの様な要因でREIT価格が変動するのでしょうか。先ずは、長期金利や不動産市況、株式市場等の動向に影響されます。日銀の量的金融緩和策としてのREIT購入規模なども、少なからず投資判断に影響を及ぼす様です。現在J-REITは40銘柄ありますが、新規上場や既存銘柄の増資は所謂希薄化を招くため、通常は価格のマイナス要因となります。
REITには倒産リスクも有ります。有価証券報告書等で所有不動産やスポンサー企業との関わりを良く調べ、安全性が高い銘柄を選別する必要があります。利回りは1ポイント程度落ちますが、初期に設立された大手不動産系列のREITであれば比較的に安心です。

過去の東証REIT指数を見ると、価格はかなり変動しています。特に2008年は相場が不安定で、短期間に半値近くまで下落した銘柄もありました。2013年は金融緩和や円安の影響で、春先に大きく値上がりしましたが、此の処は2割程度下げています。
REIT投資は長期の継続保有に向いていますので、期待利回りが確保されている限り相場変動で一喜一憂する必要が有りません。
NISAでの保有期間中に、相応の含み益が出れば非課税で売却処分する選択肢もあります。含み損の場合ですが、NISAには5年の期間制限が有るため、これを過ぎると時価での払い出しを余儀なくされます。ご存じの通りNISAでは、譲渡損が出た場合に他の運用益との通算や次年度への繰越し控除が認められません。高値掴みには注意する必要がありますが、定期的に100万円ずつ購入すれば所謂ドルコスト平均法によるリスク軽減策にはなるでしょう。

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