コラム

 公開日: 2013-07-23  最終更新日: 2014-07-31

貸事務所に来年4月から適用される消費税率は?


簡単そうな質問に思えますが、実はかなりの難問です。書かれた条件だけでは判定できませんので、契約書で良く確認する必要があります。

来年の4月から消費税率の引き上げが予定されていますが、指定日(平成25年10月1日
)より前に締結した資産の貸付に係る契約に基づき、施行日(平成26年4月1日)以降に行われる資産の貸付で一定のものについては経過措置により旧税率が適用されることになっています。ところがこの規定が分り辛いため、これに関連した誤解や混乱が多発する可能性があります。

先ず経過措置の対象となる資産の貸付に係る契約ですが、次の①と②又は①と③の要件に該当するものに限られています。
①貸付の期間と貸付期間中の対価の額が定められていること
②事業者が事情の変更その他の理由により対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと
③当事者の一方または双方がいつでも解約の申し入れをすることができる旨の定めがないことその他対価に関する契約の内容が政令で定める要件に該当していること
  注:政令で定める要件とは、貸付に係る資産の取得に要した費用の額及び付随費用の額の合計額のうちに、契約期間中に支払われる資産の貸付の対価の額の合計額の占める割合が100分の90以上と契約で定められていること

③は所謂ファイナンスリース取引と呼ばれるものです。一般的なオフィスのテナント契約には馴染まないので、特殊なケースを除いて該当することは希と思われます。
② ですが、通常の建物賃貸借契約には、経済事情の変化・公租公課の増額・近傍類似物件との比較などで著しく不相当となった場合、賃料の見直しを協議する(賃料の改訂条項)との一文が入っていることが多いと思います。
(注)普通借家契約では、賃貸人・賃借人の双方に賃料増減請求権が認められていますので、仮に減額しないとの特約があったとしても無効(同法32条①)になります。これに対し一定期間賃料を増額しないとの特約であれば有効になります。
一方、定期借家契約については賃料の改訂に関して当事者間で特約をすることが許されています。特約がある場合には、賃料増減請求権の規定はない(同法38条⑦)との取り扱いになります。従って、定期借家契約で、賃貸借期間中は賃料の増減は行わないとの特約があるものについては、①と②の要件を満たす可能性がありますので、経過措置により旧税率が適用されます。普通借家契約のうち一定期間は増額をしないとの特約があるものについても同様です。
その他の普通借家契約や、賃料増減特約がない定期借家契約に関しては、来年4月以降新税率が適用されることになります。要は新旧税率の何れが適用されるかは個々に建物賃貸借契約をチエックする必要があるということです

この他の留意点ですが、普通借家契約で自動継続条項のあるものについては、別途経過措置の適用可否に関する規定があります。また経過措置の適用がある場合、賃貸人は相手方に対し経過措置の適用を受けたものであることを書面で通知しなければなりませんのでご留意下さい。

この記事を書いたプロ

<Office MⅡ>松浦章彦税理士事務所 [ホームページ]

税理士 松浦章彦

東京都目黒区中町1-41-7 イニシアイオ目黒学芸大学Ⅱ 1F [地図]
TEL:03-6303-4951

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
料金ご案内

1.法人向け基本業務の料金表2.個人事業者様向け基本業務の料金表3.相続税・贈与税の確定申告業務の料金表4.個人向けSPOT業務の料金表  ①所得税&消費税の確定...

 
このプロの紹介記事
老後に備えた資産形成や不動産活用を考える税理士 松浦章彦さん

病気や介護など、老後のあらゆる不安に備えるために「自分年金」の形成を促進(1/3)

 65歳以上が人口の4分の1を占める超高齢化社会に突入した日本において、余裕のある老後を送るためには、若いうちから資金形成を考える必要に迫られます。盛んに議論されているように、今後は総人口が減少するにもかかわらず、高齢者は増え続け、社会的な...

松浦章彦プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

老後の資金や相続で困らない様に自分年金や不動産活用をサポート

事務所名 : <Office MⅡ>松浦章彦税理士事務所
住所 : 東京都目黒区中町1-41-7 イニシアイオ目黒学芸大学Ⅱ 1F [地図]
TEL : 03-6303-4951

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-6303-4951

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

松浦章彦(まつうらあきひこ)

<Office MⅡ>松浦章彦税理士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
近頃珍しい不動産仲介会社のちょっと好い話!
イメージ

先日、総務省統計局が平成25年住宅・土地統計調査を公表し話題になっています。取分け、総住宅数に占める空き...

[ 知らないと損!資産運用の税務 ]

ふるさと納税の経済的利益が、一時所得として課税の対象になる?
イメージ

6月初めJIJICOに、「ふるさと納税の賢い活用法」と題する一文を掲載しました。ところが先般、“地方自治体...

[ そうだったのか!税金Q&A ]

国税庁が公表した所得税等の確定申告状況で、色々と世情が見えてきます!
イメージ

5月末に国税庁が、平成25年度の所得税・個人事業者の消費税・贈与税の確定申告の状況等を公表しました。1....

[ 相続税・贈与税対策のポイント ]

法人成りのメリットが規制される可能性があります!
イメージ

法人実効税率引下げに伴う代替財源が、政府税調等で議論されています。具体的には、外形標準課税の適用範囲拡大や...

[ そうだったのか!税金Q&A ]

未分割財産の中に貸家がある場合の家賃収入は誰のもの?
イメージ

姉弟間の遺産分割協議が纏まらず、止む無く調停を申し立てたお客様が居られます。先般漸く調停が成立しましたが、...

[ そうだったのか!税金Q&A ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ