コラム

 公開日: 2016-08-15 

計画倒産と計画的倒産について

計画倒産という言葉をよく聞く。
果たしてどんな意味なのか。

弁護士などに聞くと、
“計画的に詐取しようという意思を持って会社を設立して倒産をむかえること“
で、それは犯罪だ、といわれる。
会社を設立し、その会社が買掛け(仕入れ)をしてその買掛商品を換金して倒産するというような手口だ。

そのような犯罪を意識して会社を設立する例はあると思うが、ほとんどの事業経営者は倒産を意識して会社を設立することはありえないし、倒産を視野に入れて会社を運営することもないだろう。
これは、健全な経営者であればほぼ100%そうだと思う。

しかし、事業が悪化して避けられない倒産を前にした場合、
・会社にある現預金を、優先的に処理したい債務に充てる。
・会社の資産を換金して、優先的に処理したい債務に充てる。
など、ある程度の計画を持ってその倒産の事態を迎えることはごくごく当たり前のことで、それは[計画倒産]ではなく、[計画的倒産]と言うべきである。

ただし、避けられない倒産を前に、
・借入金をして、それを隠蔽する。
・仕入れをしてそれを換金して隠蔽する。
は、禁じられた行為と言われることが多い。

いわるゆ偏頗弁済(へんぱべんさい)、詐害行為(さがいこうい)である。

ちなみに、詐害行為とはそれが発見された段階で処罰されるというようなものではなく、申立て代理人に受け付けていただけないか、破産管財人によって否認され、返還を求められるだけのことだ。

倒産直前に借り入れを起こしても、その借入金の使途が認められれば(あるいはほとんどが会社に残っていれば)それは問題ない。
仕入れの買掛金が残るのも、それらが転売したりされていなければ、それも問題になることはない。

そもそも避けられない倒産を認識した場合、まったく手をこまねいたままただちに破産手続きに入ることのほうが不自然というものだろう。

わたしが知っている倒産の事案を多くこなしている有能な弁護士は、避けられない倒産が認識された段階からは、詐害行為にならないぎりぎりのところで最後に残った資金の有効な活用使途を考えるものだ。
わたしが相談を受けるケースでは、この部分のアドバイスは欠かせない。申立て弁護士に嫌な顔をされても可能と思われる限り追求する。
要は、見逃しの三振はしないという意志だ。
破産管財人に否認されたら、その部分だけ返却すればいい場合がほとんどなのだから。

経営者であれば、優先債権の[税金]や[社会保険]、[労働債権(給与などの人件費)]の、どちらを優先するかは判断を待つまでもないだろう。
もちろん、労働債権を確保する手立てをしたうえで倒産の処理に入らなければならない。
そのためには、会社にある財産をどうするかなどの作業が必要になり、自ずと一定の時間は要る。
そうしなければ、
・小規模零細企業の連鎖倒産を止めることはできないし
・社員の労働債権が守れなくなり得るし、
・恩のある借入の返済ができなくなるからだ。
それは計画倒産ではない。決して計画倒産ではない。
倒産の最後の段階を“計画的に”進めただけである。

つまり計画倒産というのは現実的ではなく、むしろ詐害行為になるかならないかが問題なのだ。
それは、とりもなおさず申立て代理人の弁護士と破産管財人のせめぎあいということになる。
破産管財人に対して、依頼人を守ってくれる申立て代理人の弁護士でなければ依頼人は浮かばれないのだが、そういう小規模零細企業の立場になって戦ってくれる弁護士は少ない。

そのような有能な弁護士をお探しであれば当事務所にご相談いただきたい。

ただし倒産の事態ををむかえると、ほとんどの債権者に「それは、計画倒産だ」といわれる。
債権者にしてみれば、事前に知らされることもなく(事前に知らせるとどうしても混乱が起こるので、知らせることはできないものだ)、予兆も感じていなかった(そうした予兆も感じさせないものだ)ため、計画倒産と言われてしまうものなのだが、これだけは避けられない。

※これら、[倒産]や[破産]についての詳しい情報は、わたしのホームページ
  『倒産と闘う!』http://nitemare.jp/を参照してください。

この記事を書いたプロ

内藤明亜事務所 [ホームページ]

経営コンサルタント 内藤明亜

東京都新宿区北新宿1-17-3 金元ビル202 [地図]
TEL:03-5337-4057

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